インテル純正なのに1万円台――Intel X25-V「SSDSA2MP040G2C1」を試してみた(1/2 ページ)
速度と信頼性で人気のインテル製SSD。でも、80GBのX25-Mは実売2万5000円前後で手が出しにくい。そこに登場したのが「X25-V」だ。こんなに安くて大丈夫なの?
バリューな価格でインテルのSSDを多くのユーザーに
X25-M G2 | X25-V | |
---|---|---|
容量 | 80Gバイト、160Gバイト | 40Gバイト |
フラッシュコンポーネント | MLC | MLC |
シーケンシャル(読み出し) | 250Mバイト/秒 | 170Mバイト/秒 |
シーケンシャル(書き込み) | 70Mバイト/秒 | 35Mバイト/秒 |
レイテンシ(読み出し) | 65ミリ秒 | 65ミリ秒 |
レイテンシ(書き込み) | 85ミリ秒 | 115ミリ秒 |
4KBランダムIO IOPS(読み出し) | 35000 | 25000 |
4KBランダムIO IOPS(書き込み) | 80GB(6600)、160GB(8600) | 2500 |
インテルはSSDもCPUと同じように、ターゲットユーザーに合わせてボリュームゾーンを分けて提供する形となっている。サーバなどのエンタープライズ用途を意識したハイエンドモデルX25-E(Extreme)、コンシューマー向けで中~上級のミドルレンジユーザーを意識したX25-MとX18-M(Mainstream)、そして、今回紹介するX25-V(Value)は、価格を重視するユーザー向けのモデルになる。
X25-VはValueの名のとおり、インテル製SSDの性能を維持しつつも、購入しやすい価格帯に収めることを目的としている。本製品は第2世代のX25-M(以下X25-M G2。レビュー記事は名前は同じでも中身は別物――新世代Intel X25-M「SSDSA2MH160G2GC」をチェックするを参照のこと)と同様に、34ナノメートルプロセスルールのMLC NANDを採用し、X25-Mの最小容量である80Gバイトの半分となる40Gバイトに容量を抑えることで実売価格1万5000~1万6000円を実現した。
X25-Vのスペックで、連続したデータの読み書き速度を表わすシーケンシャル転送速度はリードが170Mバイト/秒、ライトが35Mバイト/秒、データの要求命令を発行してからデータが返ってくるまでに要するタイムラグを示すレイテンシが読み出し85ミリ秒、書き込み110ミリ秒となる。ミドルレンジモデルのX25-Mのリード250Mバイト/秒、ライト70Mバイト/秒、レイテンシ読み出し85ミリ秒、書き込み85ミリ秒と比べると全体的に書き込み速度が抑えられ、ほかのクラスと性能面で差別化が図られているのが分かる。
Windows 7の時代だからTrimコマンドに対応
2009年10月から販売の始まったWindows 7は、読み出し速度を判別して自動デフラグをオフにするなど、HDDとSSDを分けて処理を行う機能が導入されている。その中でも注目されているのが「Trimコマンド」への対応だ。Trimコマンドは、Windows側からデータ管理に必要な情報をSSDのコントローラ側に渡すことで、効率的なデータの書き換えや消去などを行うもの。書き換え回数を減らすことで書き込み速度の劣化を防いだり、寿命を延長できる可能性が高まる。
Trimコマンドを有効にするには、Windows側だけでなくSSD側でもサポートが必要になる。X25-M G2以降のインテル製SSDではハードウェア的に対応しており、X25-M G2は2009年12月2日に公開されたファームウェアから、X25-Vは最初からTrim機能対応ファームウェアが適用されている。Trimコマンドに対応しているかどうかは、フリーソフトのHDD/SSDユーティリティ「CrystalDiskInfo 3.0.0」(作者:ひよひよ氏)などで確認できる。X25-Vより先に同等品として登場したキングストン製「SNV125-S2/40GB」は執筆時点の段階ではTrimコマンド対応は行われていない。
なお、Trimコマンドは、マザーボードの設定がAHCIモードでないと動作しないほか、ドライバについてもMicrosoft純正品が推奨されている。Intel Matrix Storage Managerなどメーカー製ドライバなどをインストールした場合は機能しないことがある。そこでインテルではOS側でTrimコマンドに対応しないWindows Vistaや同XP、メーカー製ドライバなどをインストールした環境向けに「Solid State Drive Toolbox」と呼ぶ専用ツールを配布している。執筆時点(2010年1月)で配布されているのはver1.2だが、RAID環境やダイナミックディスク、FAT32ファイルフォーマットに対応しないといった制約も多いので、自分の環境に合うかどうか(とくにAMD環境では)あらかじめ確認した上で利用しよう。
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