監視カメラからiTunesまで――“最強NAS”をホームサーバとして使う:“真・最強NAS”活用術 第4回(2/4 ページ)
QNAPのNAS製品が「最強」といわれる理由は、1つがCPUやメモリなどのハードウェア設計からもたらされる性能の高さ、そしてもう1つが機能の豊富さだ。パフォーマンスについて検証した連載第2回に続き、今回はQNAPの“家庭的な一面”を見ていこう。
豊富なメディアサーバ機能――Qmultimediaフォルダ
家庭内で大容量のストレージを必要とするデータは動画、音楽、画像といったメディアコンテンツだ。TS-639ProにはQmultimediaフォルダ以下に置かれたメディアコンテンツをネットワーク経由で利用可能にする機能が複数用意されている。
- UPnPメディアサーバ
UPnPメディアサーバ機能は、DLNAに対応した各種メディアプレーヤーにコンテンツを配信する。PCから閲覧する場合はファイル共有機能で直接ファイルを開いてもよいが、ファイル共有機能を持たないアプライアンスでも利用できるのがメリットだ。DLNAクライアントにはPS3やXBoxをはじめ、バッファローやアイ・オー・データ機器のネットワークメディアプレーヤーなどがある。搭載されているDLNAサーバはTwonky Mediaだ。
- iTunesサーバ
音楽ライブラリの管理、視聴にiTunesを使っているユーザーは多いだろう。iTunesではライブラリの共有機能があり、ファイル共有と同じようにほかのPCからも音楽・ビデオを再生できる。ただし、メディアファイルを保存しているPCのiTunesは起動しておく必要がある。
TS-639ProのiTunesサーバ機能を使えば、ライブラリの管理、メディアファイルの配信をTS-639Proから行うことができる。ファイル共有機能を使ってTS-639Pro上のメディアファイルを直接iTunesライブラリに追加することもできるが、iTunesサーバ機能を使うメリットはライブラリの保守を自動的にやってくれるところだ。PC上でiTunesのライブラリに曲を追加する場合はライブラリフォルダに音楽ファイルを置くだけでは認識されず、フォルダの追加作業を行わなければならない。ところが、TS-639ProのiTunesサーバ機能は指定されたフォルダ以下を監視しており、ファイルが追加されると自動的にライブラリに反映してくれる。ただし、iTunesサーバのライブラリに直接iTunesから音楽をインポートすることはできない。
そこで、ファイル共有機能とiTunesサーバ機能を併用する方法が便利だ。一般ユーザーはiTunesサーバ機能を使って読み込みのみを行い、管理者だけがファイル共有機能を使って曲のインポートなどのライブラリの管理を行うようにすると、家族全員で音楽を一元管理することも容易になる。指定した条件での検索結果を自動的にリスト化するスマートリスト機能も搭載されているので、演歌やロック、アニソンなど、ユーザーによって異なる嗜好の曲が混在していても自分好みの曲だけを再生することが可能だ。
- マルチメディアステーション
マルチメディアステーションはブラウザベースのメディアプレーヤーだ。それほど機能は多くないが、Webブラウザでメディアの確認ができるので、家庭内よりもむしろ外部からアクセスする場合に有効だろう。
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