Androidタブレットデバイスは「玩具扱い」:2010年に投げ売りされるのはなんだ!(2/2 ページ)
2009年は「主役Kindle」「投げ売りNetbook」だった米国の年末商戦。消費者の好みがはっきり示される米国の現場から注目ガジェットの“扱われかた”を報告。
Best Buyは電子書籍リーダーを主役に
家電量販大手であるBest Buyのワシントン州ベルビュー支店では、店舗の入り口付近にKindle、ソニーのeReader、そして、Barns & NobleのNookを大量に並べるなど、電子書籍リーダーをSaleの主役に展開している。Velocity Cruz Reader、Pandigital Novel、Literati Wireless Readerといったマイナーメーカーの電子書籍リーダーも一緒に展示した電子書籍リーダーの専門コーナーでは、製品知識の豊富な専門スタッフが熱心に製品の説明をしていた。
その専門スタッフにお勧めの製品を聞くと「実績と製品の品質ではKindleだ。ただ、NookやSonyのeReaderには、Kindleにない“本の貸し出し機能”がある」と述べ、マイナーメーカーの製品に関しては「とにかく安くて最低限の機能を利用したいユーザー向け」と説明してくれた。ただ、KindleのWiFiモデルが139ドルで購入できる2010年の年末商戦で、100ドル前後のマイナーメーカー製電子書籍リーダーの値ごろ感は弱い。
ちなみに、同店ではでは、ブラックフライデーのドアバスターに、NookのWiFiモデルを99ドル99セントで販売し、これが、早朝4時の開店直後に売り切れたが、その一方で、10月に発売されたNookのカラーモデルが、展示棚の下に追いやられ、スタッフも「これを買うならiPadを選ぶべし」と販売に積極的ではなかった。
なお、同店にも“数種類の”Android搭載タブレットデバイスを扱っていたが、こちらでも年末のSale対象になっていなかった。
タブレットデバイスは子供のおもちゃだった!
2010年の年末商戦で主役となるはずだったAndroidタブレットデバイスだが、デジタルガジェット専門店での存在感は薄い。ガジェット系ショッピングの王道「Amazon.com」がブラックフライデーの翌月曜日、オンラインショップでSaleが始まる「サイバーマンデー」(最近では新しい商戦日として認識されつつある)のSale品として「Anchos 5 32Gバイト Tablet」を定価から175ドル引いた204ドル99セントで販売しているのが目立つ程度だ。
しかし、Android搭載タブレットデバイスは意外なところで主役になっていた。それが“玩具専門店”のToys R usで、ブラックフライデーのドアバスターにSylvaniaの7型ディスプレイ搭載のAndroidタブレットデバイスを139ドル99セントで販売した。Toys R usでは、ほかにもドアバスターとして7型ディスプレイ搭載Netbookを79ドル99セントで販売している。こちらのメーカー名やOS、詳細スペックは不明だが、WiFi、3基のUSBを備え、重さは1キロ弱。Toys R usで扱っていると、“子供のおもちゃ”の感覚だ。
老舗のデパート「SEARS」でもドアバスターとしてVelocity Microの7型ディスプレイ搭載タブレットデバイスを50ドル引きの249ドル99セントで販売した。同社では、ほかにも、5型ディスプレイ搭載のLibre eReaderを89ドル99セントで扱っている。
電子書籍リーダーでは、Bed Bath & BeyondでもPandigital Novel、Literati Wireless Readerの取り扱いを開始した。Bed Bath & Beyondはその名の示す通り、ベッドカバーやシーツなどの寝具、バス用品、およびキッチン用品の専門店だ。以前から簡単なゲーム機やデジタルフォトフレームなどを取り扱っているが、電子書籍リーダーはそれらと同じセクションに置かれている。
年末商戦におけるショップの扱いを見ると、電子書籍リーダーやタブレットデバイスといった安価なデジタルガジェットは、テクノロジーに敏感なガジェットフリークではなく、普段デジタルガジェット専門店に足を運ばないような層(例えば主婦層)にターゲットを移していることがうかがえる。
デジタルガジェットを扱うメディアで盛り上がるAndroidタブレットデバイスだが、流通業界では「日常雑貨」的に扱われ、かえってそのことで、多くのユーザーに普及していくようにも思えてくる。
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