きさま見ているなッ!――iPhone/Androidで自宅のNASを遠隔操作:簡単NAS活用術
せっせと貯め込んだあんな動画やこんな動画を手元のスマートフォンからいつでもどこでも視聴したい――そんな人にはTurboNASがおすすめだ。
家の中だけではもったいない!――“外”から利用できるTurboNASの機能は?
前回(「忘れないで。QNAPはあなたのそばにいる」)は、主に自宅やオフィス内のローカル環境でQNAPを活用する方法について述べた。それでは外部、つまりインターネットを経由してデジタル資産を活用するにはどんな方法があるだろうか。
まず、ファイルサーバとして利用している自宅のTurboNASに外部からPCでアクセスする場合は、「Web File Manager」を使うのが簡単だ。Web File Managerは、ブラウザから利用できるファイルマネージャで、デフォルトではHTTPのポート8080、あるいはHTTPSの443を使用する。インターネット経由の場合は、通信が暗号化されるHTTPSを使うべきだが、カジュアル攻撃を避けるためにもポート番号は変更しておいたほうがいいだろう。そのほか、前述したWebDAVやFTP、FTPS、SFTPも利用可能だ。
メディアサーバとして外部から利用したいのであればローカル環境同様、さまざまな選択肢がある。その核となるのがマルチメディアステーション2だ。マルチメディアステーション2はブラウザベースでメディアを網羅的に扱えるメディア管理機能だが、Android端末やiPhone/iPad用に、専用アプリの「QMobile」が無償でリリースされている。ただし、Android端末用のQMobileは開発途上の感があり、フォルダが文字化けするなどの症状が発生することがあるようだ。
そのほか、iTunesサーバが利用しているプロトコル「DAAP」をサポートしたプレーヤーを使えば、インターネット経由でTurboNAS上の音楽ファイルを再生することもできる。ただし、最低限でもパスワードの設定をしておかないと、不特定多数のユーザーが無制限にアクセスできてしまい、著作権違反に問われる危険性があるので気をつけてほしい。
スマートフォンからいつでも呼び出せる母艦として、可能性は無限大
TurboNASにはパッケージマネージャ「QPKG」が搭載されているが、QPKGから別のマネージャである「ipkg」をインストールできる。非常に多くのツールを用意するipkgを活用すれば、ネットワーク環境はより充実する。
例えば、ローカルファイアウォールとして利用できる「iptables」。自宅のNASを外部からアクセス可能にする、ということにセキュリティ上の不安を感じる場合には、ポートノッキングやcronなどによる動的なファイアウォール設定変更など、工夫次第で安全かつ便利な環境を構築可能だ。
また、初期状態で導入済みのSSHを用いてポートフォワーディングさせる、VPN接続を実現するOpenVPNを導入するなど可能性は幅広い。24時間稼働するサーバということを考えれば、TurboNASにインターネットからの「窓口」という役割を与え、より便利なユビキタス環境を構築するための土台にする、というのも取り組みがいのあるテーマだ。特にスマートフォンが普及した今では、TurboNASを含む自宅環境との相互補完によって、かなり面白いことができそうだ。
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