5万円切りの11.6型モバイルノート――「Inspiron M101z」を試す:低価格ノートにRadeon HDの恩恵を(4/4 ページ)
携帯性と操作性のバランスを考えると、11型クラスのモバイルノートPCはなかなかよい選択に思える。でも予算がない? それなら約5~6万円の“M101z”はどうだろうか。
静粛性と放熱性はどうなっているのか?
騒音レベル(動作音)のテストは、使用時におけるユーザーの耳の位置を想定し、ボディ中央から約30センチ前方、設置面から約50センチの高さにマイクを設置した。室温は約22度、環境騒音は約28デシベル(dBA)で、周囲の騒音がほとんど聞こえない静粛な環境だ。計測は、Windows 7の起動から30分間アイドルで放置した状態と、Webページを30分間巡回し続けた状態(60秒に1回ページ切り替え)、そしてシステムに高い負荷がかかる3DMark06を30分間実行し続けた状態の3パターンで行った。
結果は下のグラフに示した通りで、アイドル時でもファンは回転する。アイドル時やほとんどシステムに負荷がかからない状態ではファンの回転が落ち着いており、エアコンが動作している室内では意識しないで済むが、Webブラウズ程度の負荷でも時々ファンの回転数が上がるのは気になった。より高負荷の状況では36.9デシベルまで騒音レベルが上がり、風切り音はかなり大きくなる。
表面温度のテストは、Webページを30分間巡回(60秒に1回ページ切り替え)し続けた直後と、そこからシステムに高い負荷がかかる3DMark06を30分間実行し続けた直後の2パターンで行った。ボディ各部で最も高温になるポイントを放射温度計で計測している。計測時の室温は約22度だ。
Webページの巡回程度の負荷では、使用時に触れるパームレストやキーボード、タッチパッドの温度が30~32度程度に収まっており、快適に利用できた。高負荷をかけ続けた状態では左のパームレストが温まってきて、Shiftキーの周辺やタッチパッドにも発熱が見られたが、不快なほど高温になることはなかった。ただし、底面中央のごく狭い範囲では47.2度に達したため、ヒザの上で使う場合などは注意が必要だ。
低価格でバランスに秀でた11.6型モバイルノートPC
今回試したInspiron M101zは直販価格で5万9980円の構成で、最小構成から1万円高くなるが、この価格帯のモバイルノートPCとしては魅力的な仕様にまとまっており、最小構成で購入するより買い得感が高い。
CULV版CPUクラスといえるデュアルコアCPUと、チップセット内蔵グラフィックスとしては優れたパフォーマンスのMobility Radeon HD 4200によるAMDプラットフォームを採用しつつ、4Gバイトのメモリや7200rpmのHDD、1366×768ドット表示の11.6型ワイド液晶ディスプレイ、64ビット版のWindows 7 Home Premiumまでそろえており、スペック面ですきがない。また、キーボードやタッチパッドの操作性も良好で、バッテリー駆動時間もテスト結果で5時間程度と健闘している。
もちろん、より薄型や軽量のモバイルノートPCは少なくないが、他社が用意しているNetbookの上位モデルに近い価格、あるいはCULVノートの下限に近い価格でこれだけ全体的にまとまったモバイルノートPCが手に入るのだから、コストパフォーマンスは優秀といえる。
特に、動画コンテンツの視聴やカジュアルなゲームなども快適に楽しめるモバイルノートPCをできるだけ低予算で探しているならば、有力候補となるだろう。
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