グラフと写真で振り返る2010年のマザーボード:イマドキのイタモノ(2/2 ページ)
2010年の“イマイタ”レビューに登場したマザーボードは9モデル。その性能と仕様の進化をベンチマークテストのグラフと製品画像で振り返る。
Big Bangは健在なり
マザーボードベンダーが、独自に用意した機能で差別化を図るハイエンドモデルだが、その典型的な例の1つが、MSIの「Big Bang」シリーズだ。そのBig BangシリーズでIntel X58 Expressを搭載した「Big Bang-XPower」をフォトレビューで紹介している。6基のメモリスロットのほか、PCI Express x16スロットも6基をずらりと並べた外観は、最上位モデルにふさわしい迫力があった。サウスブリッジはICH10Rだが、USB 3.0とSerial ATA 6Gbpsはそれぞれ専用のコントローラ(USB 3.0は「μD720200F1」、Serial ATA 6GbpsはMarvellの「88SE9128」)を実装して対応する。
オンボードに用意された機能には、MSIのハイエンドマザーボードで採用されるタッチセンサー式のボタンで電源、リセット、「Direct OC Button」を備えていた。Direct OC Buttonは、MSI独自の自動オーバークロック設定機能「OC Genie」を有効にするもので、システムに組み込まれたパーツに対して動作チェックを行い、安定して動作するオーバークロック設定を自動で行う機能だ。
ほかにも、各部の駆動電圧をテスターを使ってリアルタイムに測定できる「V-Check Points」や、CPU、QPI、メモリ、IOHの設定電圧の上限を拡張する「Over-Voltage Switch」、専用ケーブルでBig Bang-XPowerとつないで各部駆動電圧の設定やCPU動作クロックの変更を行う「OC Dashboard」が標準で付属した。
Fuzionも健在なり
Big Bangシリーズで最も注目されているモデルといえば、GeForceシリーズとRadeon HDシリーズの組み合わせでマルチGPU環境が構築できてしまう「Big Bang-Fuzion」だろう。出荷直後の価格が4万円をわずかに切る「高額マザーボード」にもかかわらず、多数の“人柱志願兵”が購入した。
出荷当初において動作は不安定で性能向上もいまひとつ思わしくなかったが、MSIが設けたWebページ「Big Bang-Fuzion 研究所」などの活動で、問題点が少しずつ解決され、その成果はイマイタレビューでも紹介している。
2011年は早々にインテルとAMDから新世代のCPUが発表され、それに対応したマザーボードも各ベンダーから一斉に投入されるはずだ。すでに、2010年の年末にIntel 6シリーズチップセットを搭載したサンプルボードが公開され、そのいくつかをフォトレビューで紹介している。そのいずれも、独自に開発したチューニング機能を充実させている。
PCパーツベンダーの中には、「リファレンスデザインが主流になりがちなグラフィックスカードより、自分たちが工夫できるマザーボードに力を入れていきたい」と考えるところも多く、2011年はその傾向がいっそう強くなると思われる。
そういう意味で、マザーボード選びは、2011年もいっそう楽しくなる“予感”だ。
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