第2世代Core iの採用や“グラスレス3D”など液晶一体型を大幅強化――「FMV ESPRIMO FH/EH」:2011年PC春モデル
23型/20型の液晶一体型PC「FMV ESPRIMO FH」は、上位機に第2世代Core i採用モデルを投入。また、廉価モデルとして新シリーズの「FMV ESPRIMO EH」も登場した。
- FMV 2011年春モデル全体の概要はこちら→富士通が「FMV」春モデルを発表――グラスレス3D、Sandy Bridge、AMD Fusion APUなど大幅強化
“Sandy Bridge”世代の液晶一体型PC、業界初のグラスレス3Dも
富士通の主力となる液晶一体型PC「FMV ESPRIMO FH」シリーズは、基本システムや液晶ディスプレイのサイズなどで差別化した全6機種が投入される。
1920×1080ドット表示対応の23型ワイド液晶を搭載する「FH99/CM」「FH98CM」「FH76/CD」がそれぞれ26万円前後/25万円前後/未定、1600×900ドット表示の20型ワイド液晶を搭載する「FH58/CM」「FH55/CD」「FH52/CT」が順に21万円前後/19万円前後/15万円前後になる見込み。最上位機のFH99/CMは2月25日、FH76/CDは2月下旬、そのほかは1月20日に発売される予定だ。
全モデルに地デジのダブルチューナーを内蔵するFMV ESPRIMO FHの2011年春モデルは、23型ワイドフルHD液晶を搭載する上位3機種で、“Sandy Bridge”世代のCore i7/Core i5を採用したのがトピックだ。また、最上位のFH99/CMには業界初となる“グラスレス3D”に対応し、付属の独自のフィルター(3Dコンバージョンパネル)をディスプレイ面に装着することで専用グラスを使わずに3D立体視を可能にした(ただ、裸眼立体視が可能な半面、3D映像視聴時にはユーザーがフィルターを着脱する必要がある)。なお、下位機のFH98/CMはこれまで同様、3Dグラスを使う円偏光方式による3D立体視に対応している。
上位2機種は、高画質化ボード「Dixelエンジンボード2」を搭載するほか、6ワット×2のスピーカーを内蔵し、あざやかで鮮明な映像と臨場感のある音を視聴できる。春モデルでは、3D番組のHDD録画や録画した3D番組の3D立体視での視聴ができるようになったほか、パナソニックのデジタルビデオカメラ「HDC-TM750」と「HDC-TM650」に3Dコンバージョンレンズを装着して撮影した3D動画の立体視にも対応した。また、これまで同様、デジタル放送の3D番組やBlu-ray 3DやYouTubeに公開された3Dコンテンツ、DVD-Videoや動画/静止画ファイル、対応ゲームタイトルの2D/3Dリアルタイム変換視聴なども可能だ。
主なスペックは、前述のFH99/CMとFH98/CMに、Core i7-2630QM(2.0GHz/最大2.9GHz)を、タッチパネル対応のFH76/CDにCore i5-2520M(2.5GHz/最大3.2GHz)を新採用。20型のFH58/CMとFH55/CDはCore i5-560M(2.66GHz/最大3.2GHz)、FH52/CTにはPentium P6200(2.13GHz)を搭載する。また、FH99/CM、FH98/CM、FH58/CMに2TバイトHDDを搭載し、長時間10倍録画で最大1700時間の地デジ録画を実現したのもポイントだ。なお、インタフェースは、23型ワイドモデルがSDメモリーカード/メモリースティックスロット、USB 3.0×2、USB 2.0×4、20型ワイドモデルがSDメモリーカード/メモリースティックスロット、USB 2.0×5と、USBポートの種類に違いがある。
OSは全モデルで64ビット版Windows 7 Home Premiumを採用。直販のカスタムメイドメニューには、Windows 7 Professionalも用意されるほか、3D対応やタッチパネル機能の有無、グロッシーキーボードなども選択できる。
一方、高機能なFHシリーズに対して、シングル地デジチューナーを搭載する廉価モデル「FMV ESPRIMO EH」が追加された。基本システムとしてFusion APUのAMD E-350(1.6GHz)+Radeon HD 6310を採用し、実売想定価格を13万円強に抑えているのが見どころだ。そのほかの主な仕様は、1600×900ドット表示の20型ワイド液晶(FHと同じスーパーファインVXパネル)、4Gバイトメモリ、500GバイトHDD、2層対応DVDスーパーマルチドライブという構成になっている。
インタフェースは、SDメモリーカード/メモリースティックスロット、USB 2.0×6など。なお、FHシリーズにはないBluetooth 3.0+HSに対応するが、キーボードと光学マウスは有線タイプとなっている(FHはワイヤレス仕様でマウスはレーザー式)。
各モデルの主な仕様は以下の通り。
FMV ESPRIMO FH/EHシリーズ店頭モデルの概要(その1) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シリーズ名 | モデル名 | タイプ | 従来比較 | CPU | メモリ | HDD | OS | 実売価格 |
ESPRIMO FH | FH99/CM | 液晶一体型 | グラスレス3D対応、新アーキテクチャ | Core i7-2630QM (2.0GHz/最大2.9GHz) | 4096MB (DDR3) | 2TB | 64ビット版7 Home Premium | 26万円前後 |
FH98/CM (2色) | 液晶一体型 | 新アーキテクチャ | Core i7-2630QM (2.0GHz/最大2.9GHz) | 4096MB (DDR3) | 2TB | 64ビット版7 Home Premium | 25万円前後 | |
FH76/CD (3色) | 液晶一体型 | 新アーキテクチャ | Core i5-2520M (2.5GHz/最大3.2GHz) | 4096MB (DDR3) | 1.5TB | 64ビット版7 Home Premium | 未定 | |
FH58/CM (2色) | 液晶一体型 | 基本スペック強化 | Core i5-560M (2.66GHz/最大3.2GHz) | 4096MB (DDR3) | 2TB | 64ビット版7 Home Premium | 21万円強 | |
FH55/CD (3色) | 液晶一体型 | 基本スペック強化 | Core i5-560M (2.66GHz/最大3.2GHz) | 4096MB (DDR3) | 1.5TB | 64ビット版7 Home Premium | 19万円強 | |
FH52/CT (3色) | 液晶一体型 | タッチ対応、基本スペック強化 | Pentium P6200(2.13GHz) | 4096MB (DDR3) | 1TB | 64ビット版7 Home Premium | 15万円前後 | |
ESPRIMO EH | EH30/CT (2色) | 液晶一体型 | 新シリーズ | E-350(1.6GHz) | 4096MB (DDR3) | 500GB | 64ビット版7 Home Premium | 13万円強 |
FMV ESPRIMO店頭モデルの概要(その2) | ||||||||
シリーズ名 | モデル名 | 液晶 | 解像度 | チップセット | 光学ドライブ | GPU | TV/オフィス | 重量 |
ESPRIMO FH | FH99/CM | 3D対応23型ワイド | 1920×1080 | Intel HM65 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | CPU統合 | 3波デジ×2/Office Home and Business 2010 | 約13.3キロ |
FH98/CM (2色) | 3D対応23型ワイド | 1920×1080 | Intel HM65 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | CPU統合 | 3波デジ×2/Office Home and Business 2010 | 約13.3キロ | |
FH76/CD (3色) | タッチパネル対応23型ワイド | 1920×1080 | Intel HM65 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | CPU統合 | 3波デジ×2/Office Home and Business 2010 | 約14.1キロ | |
FH58/CM (2色) | 3D対応20型ワイド | 1600×900 | Intel HM55 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | CPU統合 | 3波デジ×2/Office Home and Business 2010 | 約10.4キロ | |
FH55/CD (3色) | 20型ワイド | 1600×900 | Intel HM55 | BD-R/RE対応Blu-ray Disc | CPU統合 | 3波デジ×2/Office Home and Business 2010 | 約10.4キロ | |
FH52/CT (3色) | タッチパネル対応20型ワイド | 1600×900 | Intel HM55 | 2層対応DVDスーパーマルチ | CPU統合 | 地デジ×2/Office Home and Business 2010 | 約10.5キロ | |
ESPRIMO EH | EH30/CT (2色) | 20型ワイド | 1600×900 | AMD A50M | 2層対応DVDスーパーマルチ | Radeon HD 6310 (CPU統合) | 地デジ/Office Personal 2010 | 約8.0キロ |
関連キーワード
FMV | FMV-LIFEBOOK | FMV-ESPRIMO | FMV ESPRIMO FH | 裸眼立体視 | 液晶一体型PC | FMV LIFEBOOK NH | FMV LIFEBOOK AH | FMV LIFEBOOK PH | APU | FMV ESPRIMO EH | WEB MART | AMD Fusion | FMV ESPRIMO DH | Intel WiDi | FMV LIFEBOOK SH | モバイルPC | 富士通 | FMV LIFEBOOK LH | モバイルWiMAX | FMV LIFEBOOK MH | Netbook | 3D対応PC | Sandy Bridge | 1スピンドルノート | AVノートPC
関連記事
2011年PC春モデル:富士通が「FMV」春モデルを発表――グラスレス3D、Sandy Bridge、AMD Fusion APUなど大幅強化
富士通は個人向けPCの2011年春モデルを1月20日より順次発売する。グラスレスでの3D立体視に対応したモデルを投入するほか、新CPUや新デザインを積極採用した。2011年PC春モデル:第2世代Core iの採用や“グラスレス3D”など液晶一体型を大幅強化――「FMV ESPRIMO FH/EH」
23型/20型の液晶一体型PC「FMV ESPRIMO FH」は、上位機に第2世代Core i採用モデルを投入。また、廉価モデルとして新シリーズの「FMV ESPRIMO EH」も登場した。2011年PC春モデル:高性能スリムPCが“Sandy Bridge”世代にフルモデルチェンジ――「FMV ESPRIMO DH」
24/22型ワイド液晶を付属する省スペースデスクトップPC「FMV ESPRIMO DH」は、上位機種に第2世代Core i7を採用。ボディもブラックの新しいデザインになった。2011年PC春モデル:地デジ+3D対応、最新プラットフォームに一新した定番A4ノート――「FMV LIFEBOOK AH」
15.6型ワイドサイズとなる富士通の主力ノートPCが「FMV LIFEBOOK AH」。インテルの最新CPUで性能を向上させつつ、デジタル放送、3D、Blu-ray Discなどニーズに応じた多彩なモデルを用意する。2011年PC春モデル:エレガントデザインに一新、17.3型ワイド大画面+豪華仕様のAVノート――「FMV LIFEBOOK NH」
豪華AV仕様の最高峰ノートPC「FMV LIFEBOOK AH」は、17.3型ワイドの大画面ディスプレイと3波チューナー、5スピーカーの特徴とともに、デザインとプラットフォームを一新した。2011年PC春モデル:Athlon II搭載の14型ベーシックノートPC――「FMV LIFEBOOK LH」
14型サイズの「FMV LIFEBOOK LH」は、求めやすい価格帯のベーシックノートPCとしてAMDプラットフォームを採用して展開する。2011年PC春モデル:薄型・軽量・長時間動作、13.3型ボディの高性能モバイルノート――「FMV LIFEBOOK SH」
13.3型ワイドボディの2スピンドル軽量ノートPC「FMV LIFEBOOK SH」は、薄型LED液晶やマグネシウムカバーの採用でさらに薄型軽量を追求。モバイルWiMAXも内蔵する。2011年PC春モデル:40秒高速起動のモバイルノート、“Sandy”と“Fusion”モデルを用意――「FMV LIFEBOOK PH」
12.1型/11.6型ワイド液晶の「FMV LIFEBOOK PH」は、1キロ台前半の軽量ボディが特徴のモバイルPC。第2世代Core iシリーズを採用し、OSを高速起動する工夫を取り入れたほか、AMD Fusionモデルも用意する。2011年PC春モデル:シャープなラインのデザインに一新、10.5時間動作のミニノートPC――「FMV LIFEBOOK MH」
10.1型液晶のミニノートPC「FMV LIFEBOOK MH」は、モバイル性能を強化しつつ薄型でシャープなフォルムのデザインに一新した。こんな液晶一体型PCは見たことない:3D立体視×3波ダブル録画×ナノイー搭載だと!?――「FMV ESPRIMO FH900/5BM」を試す
国内メーカーのオールインワンPCといえば、てんこ盛りの機能が特徴だが、「FMV-ESPRIMO FH900/5BM」は一味違う。ボディの後ろに何かが付いてるのだが……。これなら3Dを導入していいかも?:“3つの3D体験”がノートPCにもやってきた――「FMV LIFEBOOK AH570/5BM」検証
PC USERで人気のノートPCといえば、モバイル機だが、世間での売れ筋は15型前後の据え置き機だ。では、3D立体視に対応した富士通の主力ノートを見てみようではないか。2010年PC秋冬モデル:富士通、「FMV LIFEBOOK/ESPRIMO」秋冬モデル――3Dノート/ナノイー搭載の液晶一体型を投入
富士通は個人向けPCの2010年秋冬モデルを10月7日より順次発売する。液晶一体型や主力ノートPCのデザインを一新し、3D立体視モデルを拡充した。2010年PC秋冬モデル:主力の15.4型ワイドノートは新デザイン、3D立体視対応に――「FMV LIFEBOOK AH」
富士通の「FMV LIFEBOOK AH」は15.4型ワイド液晶を搭載した主力ノートPC。2010年秋冬モデルは、新デザインを採用し、3D立体視モデルや低価格モデルを投入した。2010年PC秋冬モデル:18.4型ワイドの大画面+デジタル3波チューナー搭載の最高峰AVノート──「FMV LIFEBOOK NH」
18.4型ワイドの大画面とデジタル3波チューナーが特徴のハイエンドAVノートPC「FMV LIFEBOOK NH」は、CPUやHDDなどの基本性能を高めてリニューアル。臨場感のある5スピーカー+DTSサラウンド機能を搭載する。2010年PC秋冬モデル:カラバリ豊富な14型ワイドのベーシックノートPC、低廉なAMDモデルも──「FMV LIFEBOOK LH」
14型ワイドの液晶ディスプレイと光学ドライブを搭載するベーシックノートPC「FMV LIFEBOOK LH」は、インテルCPUモデルとAMD CPUモデルを用意する。価格は実売12万円前後から。2010年PC秋冬モデル:大画面モバイルノートPCが長時間駆動に――「FMV LIFEBOOK SH」
13.3型ワイド液晶を搭載する2スピンドルモバイルノート「FMV LIFEBOOK SH」は、CPUや音質を強化したほか、標準で約8.5時間のバッテリー駆動を実現した。2010年PC秋冬モデル:12.1型モバイルPCが通常電圧版のCore iシリーズを採用――「FMV LIFEBOOK PH」
12.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載する2スピンドル機「FMV LIFEBOOK PH」シリーズの2010年秋冬モデルは通常電圧版のCore i3を採用したのがポイントだ。2010年PC秋冬モデル:デザイン一新、3D放送/ナノイーにも対応した液晶一体型――「FMV ESPRIMO FH」
富士通の液晶一体型デスクトップPC「FMV ESPRIMO FH」は、23型ワイド液晶搭載の上位機種をデザイン変更。3D立体視対応モデルを拡充し、ナノイー発生機も追加した。2010年PC秋冬モデル:CPUやグラフィックス性能を強化したスリムデスクトップPC――「FMV ESPRIMO DH」
1920×1200ドット表示のフルHD液晶を付属するセパレート型スリムデスクトップPC「FMV ESPRIMO DH」は、上位モデルでCore i7やGeForce GT 330、Blu-ray Discドライブを搭載した。2010年PC夏モデル:富士通、「FMV ESPRIMO/LIFEBOOK」の夏モデルを発表――世界初“トリプル3D”対応PCも登場
富士通がPCブランドをワールドワイド共通の「FMV ESPRIMO/LIFEBOOK」に統一し、2010年夏モデルとして一挙投入した。注目は世界初“トリプル3D”対応の液晶一体型モデルだ。発売は6月17日から。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.