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持ち運べる本格派トラックボール――「Orbit Wireless Mobile Trackball」を試すちょっと気になる入力デバイス(2/2 ページ)

ユーザーに身近なキーボードとマウスは、星の数ほど発売されている。その中から、気になる一品を360度チェックする本連載。今回はケンジントン製トラックボールの新製品を紹介する。

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クセのあるタッチスクロール機能

 USBレシーバをPCに接続すれば、ドライバが自動でインストールされて使えるようになる。特別な設定も必要なく、簡単に使い始められる。実際に握ってみると、マウスに比べれば少々大きいものの、握りやすく長時間操作してもあまり腕が疲れない。操作性も快適で、音もほとんど発しない。

 評価機では、左右のボタンを親指と薬指、トラックボールを人差し指、タッチスクロールを中指で操作したが、クリックボタンが大きくて押しやすく、場合によって小指でも簡単に押せる。また、ボタン表面の素材が本体とボタン部で異なり(本体天面は光沢があり、つるつるしているが、ボタンの表面はざらざらしている)、ボタンの位置を間違えないようにする配慮も見受けられる。

持ち方はいろいろあるが評価機では、左右のボタンを親指と薬指、トラックボールを人差し指、タッチスクロールを中指で操作した

 ただし、タッチスクロールの操作はクセがあるので注意が必要だ。タッチスクローリング部の形状はリング型にはなっておらず、トラックボールの左右で分かれている。動きは、上になぞれば上に、下になぞれば下にスクロールする(設定で変更可能)が、指を寝かせてなぞると反応が悪く動かないことがある。きびきびとしたスクロールを行うには指を立て、指とスクローリング部との接触面積を少なくするとよい。トラックボールを握るだけでもスクロール部に指は触れてしまうので、簡単にスクロールしてしまわないよう、誤作動を防ぐための仕様だと考えられる。

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 対応OSはWindows 7/Vista/XP、Mac OS 10.4.11以降。製品の専用ドライバ「TrackballWorks Ver1.1」(ケンジントンのホームページからダウンロードできる)により、ボタン割り当ての変更、ポインタ移動速度、スクロールの方向や速度(慣性スクロールも含む)を設定できる。

 実売価格は5000円前後で、ほかのトラックボールと比べても比較的安価な部類に入ると思う。見た目もよく、光沢に色気を感じるシンプルかつ上品なデザインだ。置いてあるだけで絵になる美しいフォルムからは、老舗のこだわりを感じる。

専用ドライバ「TrackballWorks Ver1.1」をインストールすればさまざまな設定を行える。ボタンの割り当て(写真=左)や、ポインタ・スクロールの移動速度(写真=中央)といった基本的な設定から、タッチスクローリングを上に動かした際、画面が上に動くのか、下に動くのか、といったスクロールの方向(写真=右)も決められる。またShiftキー、Ctrlキー、Altキーなどを押しながらポインタを動かすと、ポインタの移動が遅くする設定も可能だ

PC USER編集部Gのインプレッション

 どちらの利き腕でも使える人差し指(中指)用のトラックボール。今では完全に使う人が限られる周辺機器だが、レシーバが小型タイプといかにもイマドキの製品らしい。本体もボールも大柄ではないものの、底面に張ったラバーがしっかりとデスクをとらえており、手のひらを軽く本体にかぶせた状態でボールを操作しても安定して使える。

 注目のタッチスクローリングは、Webブラウザや表計算シートの閲覧時に便利だが、センサー部の反応がやや悪く、思い通りにスクロール操作するには慣れが必要だろう。できればボールを使ってスクロールする機能を用意して欲しかった。実売5000円前後と比較的安価なので、トラックボールのエントリー機として悪くない選択肢かも。

PC USER編集部Sのインプレッション

 トラックボールはなにより“しゅぱーん”とさわやかな操作感。本機のボールサイズはおなじみのビリヤード玉より小さいのですが、回転抵抗感のチューニングはなるほどケンジントン製。かなり秀逸です。デスクトップで使うならマウスもトラックボールも両方接続し、“しゅぱーん”気分になったら切り替えてもいいじゃないですか。

 なお、2.4GHz帯ワイヤレスと小型レシーバー(携帯時は本体に収納可能)の仕様、そして実重量156グラム(単三アルカリ乾電池2本装着時)で高さ40ミリとなれば、バッグへ忍ばせるのも苦ではない範囲ですね(愛用モバイルマウス「M555b」も携帯時実重量は115グラムある)。モバイル環境では、オサレなガラステーブルやヒザの上など、マウスでは操作しにくくなる面でもまったく関係ないわけで、それもトラックボールのいいところでしょう。願わくば、Bluetooth対応モデルもあれば……ですよ。

PC USER編集部Kのインプレッション

 本体サイズやボールが小さく、手のひらを軽くかぶせると、手首が本体からはみ出す程度の大きさだ。手首の位置が安定しないため、従来製品と比べてフィット感がないと感じるかもしれない。

 2ボタン+ボールというシンプルな構造で、できることはカーソル移動とスクロールのみという割り切った仕様には少し戸惑うものの、最低限必要なポイントは抑えている。もう2つぐらいボタンがあると便利だと思うが(ブラウザの進む/戻るボタンとかに割り当てたい)、モバイル用途ならば十分だろう。

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