ガラス張りの“プレミアムUltrabook”――「HP ENVY14 SPECTRE」に誘惑される:この質感、シビレるだろう?(1/4 ページ)
安さもキーワードの1つであるUltrabookだが、価格競争が加熱し過ぎると、仕様が画一化してきて、面白みがなくなったりもする。日本HPの「HP ENVY14 SPECTRE」は、思い切って高級志向に振ることで、既存のUltrabookに一石を投じる存在だ。
HPのUltrabook第2弾はかつてないプレミアムモデル
「HP ENVY14 SPECTRE」は、日本ヒューレット・パッカード(HP)のコンシューマー向けプレミアムブランド「HP ENVY」から登場した14型ワイド液晶ディスプレイ搭載のUltrabookだ。ガラスを多用した美しいボディデザインを最大の特徴としている。
SPECTRE(スペクトル)という名前は、ラテン語で「見る」を意味するspecto(スペクト)にちなんだもの。ガラス張りの神秘的なデザインに、思わず目を見張るという意味が込められている。
HPのUltrabookとしては、13.3型ワイド液晶ディスプレイ搭載の「HP Folio 13-1000」がすでに発売中だ。コストパフォーマンスを重視したFolio 13-1000に対して、ENVY14 SPECTREは高級感や所有欲を満たすことに重きを置いており、HPではUltrabookの上位カテゴリ「プレミアムUltrabook」と位置付けている。
製品ラインアップには量販店向けモデル「HP ENVY14-3003TU」と同社HP Directplusの直販モデル「HP ENVY14-3004TU」が用意され、CPUとSSDのスペックが異なる。今回は2012年3月中旬の発売に先駆け、ハイスペックな直販モデルをレビューしよう。
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ガラス張りのボディは高級感抜群
まずはガラスを多用したボディに注目だ。天面をはじめ、液晶ディスプレイとパームレストに、つややかな光沢がある透明のガラス素材を利用し、見た目にも触った感触でも高級感が味わえる。高硬度のガラスを採用することで、傷にも強いという。サラサラとした手触りのタッチパッドもガラス素材だ。
4つの角に丸みを持たせたフラットなトップカバーの枠にガラスがキッチリと収められているほか、パームレストおよび液晶ディスプレイ全面にガラスを張り、液晶パネルとフレームを境目のないシームレスなデザインとするなど、細部の加工や組み付け、表面の仕上げも実に丁寧に行われている。ボディカラーはブラックとシルバーのツートーンで、全体に落ち着いた雰囲気だ。
ボディの高級感をより高める工夫として、光の演出も見逃せない。天面の白く輝く「HP」ロゴ、明るいキーボードバックライト、そして赤く光るBeats Audioブランドの「b」ロゴを備えており、光沢あるガラスボディに効果的なアクセントを加えている。
天面ガラスの下や底面ボトムカバーの素材にはマグネシウム合金を採用し、剛性感も高い。底面の手触りはラバー調でしっとりとしており、持ち運びのときには手になじむ。パームレストの下やキーボードベゼルといったシルバーの部分は樹脂製だが、ユーザーが通常の利用で直接手を触れる部分は硬いガラスなので、チープな印象はまったくない。
ただし、ブラックの天面と底面は素材の関係もあって指紋の付着が目立つ。美しい外観を保つため、装飾品のような感覚でこまめに指紋などの汚れをふき、磨き上げておきたいものだ。
デザインへのこだわりはPC本体に限らない。専用デザインの外箱やスリーブケース、ACアダプタ用のポーチが付属するなど、従来のENVYシリーズから引き継ぐパッケージ全体での所有欲を満たす演出も見事だ。
Ultrabookとしては重厚なボディ
ボディのサイズは、327(幅)×221(奥行き)×20~23(高さ)ミリ、重量は約1.83キロだ。実測での重量は1.815キロと公称値より少し軽かった。
横幅と奥行きは13.3型UltrabookのForio 13-1000(幅318.5×奥行き220.2×高さ18~20.3ミリ)とほとんど変わらず、14型ワイド液晶を搭載している割にコンパクトといえるが、これまでのUltrabookより一回り大きな画面やガラスの多用は本体の厚さや重さに影響を与えている。
特に重量はUltrabookとしてはかなりあり、ずしっとした重みを感じるが、Ultrabookを名乗るのに重さの必須条件はないため、ENVY14 SPECTREでは持ち運びやすさより高級感を優先したというわけだ。ここは割り切りが必要な部分となる。
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