ベアボーンキット「SZ77R5」で始めるお手軽自作PC:イマドキのイタモノ【夏季休暇特別編】(4/4 ページ)
暑い夏がやってきた。まとまった自由時間をとれる8月に自作PCをお勧めしないわけにはいかない。この夏はShuttleの「ベアボーンキット」でお手軽自作を始めてみよう。
ハイエンドゲームPCをキューブベアボーンキットでお手軽に組み立てる
PCの組み立ては簡単だ。ただ、ATXフォームファクタ準拠で空間に余裕のあるミドルタワーケースで組む自作PCと違って、内部が狭いSZ77R5の組み立てでは、作業の順番がある程度決まってしまうことに注意したい。組み立てる順番を取り違えると、パーツを取り付けるべき場所まで手が届かなくなってしまう。
SZ77R5というよりXPCシリーズではどれも同じ手順となるが、まず、ケースカバーを開けた後、I.C.Eクーラーやストレージベイを一度外し、内部を広く空けてからPCパーツの組み込みを開始する(この時点で、工数が少なくて済むベアボーンのメリットのことは忘れよう)。CPUの装着とクーラーユニットの取り付けは、リテール版と同じ方法だ。
CPUソケットのレバーを解除し、CPUとソケットにあるツメの向きを合せて慎重にCPUを載せ、レバーをロックする。そして購入直後であればI.C.Eクーラーユニットのヘッド面にグリスが塗布されているので、そのままCPUソケットの上に載せる。
I.C.Eクーラーユニットのプッシュピンは、左右に回る構造で、回しきったところがロックとリリースになる。CPUソケットの上に載せたら、ロック方向に回した状態でピンを抜きあげておき、その状態でプッシュピン付近を軽く押し込み、まずは4つのピンをCPUソケット周囲のホールに通し、最後にピンをプッシュして押し込み固定する。固定の前にあらかじめホールに通しておくのが肝心で、これをしておけば1カ所押し込んだときに対角線上のピンが抜けるのを防げる。最後にI.C.Eクーラーユニットの電源ケーブルを拡張スロット横のコネクタに差して完了だ。
メモリや拡張カード、HDDやSSDなどのストレージを装着していくときも、メモリ、拡張カード、ストレージ、という順番に取り付ける。メモリの固定具と拡張カードはほとんど密着に近い状態なので、長さのある拡張カードを搭載する場合は、逆の順番ではメモリが差せなくなる。すべてを装着したところで、ケースカバーやストレージベイを固定する前に通電チェック、BIOSチェックをしておく。もし、ここで認識されないパーツがあれば、ケーブルやスロットなど、正しく差し込んでいるのかをチェックしよう。意外とこの段階でミスをしていることも多く、完成後の動作不良でチェックすると、こういう不完全な差し込みは見過ごされて、原因にたどり着くまで意外と長い時間を浪費することになる。
自作PCの面白さは、組み立てた後にも!
今回、SZ77R5に組み込んだPCパーツは、CPUがLGA1155対応のCoreプロセッサー・ファミリーで最上位モデルのCore i7-3770K、グラフィックスカードはASUSの「GTX680-2GD5」で、2012年夏時点でシングルGPU最強のGeForce GTX 680を実装する。SSDはSerial ATA 6Gbps対応のPlextor PX-128M2P、システムメモリはDDR3-1600として用いるが、DDR3-1866まで対応しているG.Skill F3-14900CL9Q-16GBXLを2枚組み込んだ。ミドルタワーPCでも「ゲーミングPC」といえる構成を、キューブPCに詰め込んだことになる。
ベアボーンキットを使って、うまくPCを組み立てられただろうか。次回は、組み立てたPCの性能をベンチマークテストで“実感”してから、自作PCの本領発揮となる「パーツを変えて性能アップ」について紹介する予定だ。
SZ77R5に“詰め込んだ”PCパーツリスト | |
---|---|
CPU | Core i7-3770K(3.5GHz、Turbo Boost Technology有効時で最大3.9GHz、4コア/8スレッド、TDP 77ワット) |
システムメモリ | G.Skill F3-14900CL9Q-16GBXL(4Gバイト×2枚、DDR3-1600設定で動作) |
SSD | Plextor PX-128M2P(容量128Gバイト、Serial ATA 6Gbps対応) |
グラフィックスカード | ASUS GTX680-2GD5(GeForce GTX 680搭載) |
関連記事
“Ivy Bridge”で自作を始めたいあなたに勧める“PCパーツ購入指南”
「なにを買えばいいのか分からーん」というのが、自作PCをあきらめてしまう最初の難関という。くあー、もったいない! これでも読んでゆっくり迷っていってね!Core i5-3470で「Intel HD Graphics 2500」を知る
取り上げるCPUは、4コア4スレッドのOEM向けミドルレンジという凡庸に見えるモデルだが、実は意外な一面があるんじゃないのかなと。「DZ77RE-75K」で、Visual BIOSとThunderboltを使ってみた
“Ivy Bridge”世代のCPUに対応するマザーボードで注目したいのがThunderboltのサポートだ。ようやく登場したモデルから“インテル純正”を試してみた。「N680GTX Twin Frozr III OC」で“GPU Boost”の挙動を知る
リファレンスデザインばかりだったGeForce GTX 680搭載カードに、MSIのオリジナルクーラー搭載モデルが登場。“GPU Boost”の挙動でOCモデルの優位性を検証する。この夏はオリジナルクーラーにまかせた!──「Twin Frozr III」の冷却性能を試す
さあぁぁぁー! くるぞー! 暑い夏が!くるぞー! そんな! 暑苦しい夏でも! 俺たちは! パフォーマンスに妥協しないっ!Shuttle、RAW現像向きのSSD搭載コンパクトデスクトップ
日本Shuttleは、RAWデータ作業向きをうたうBTO対応デスクトップPC計3モデルの販売を開始した。Shuttle、X79マザー搭載キューブベアボーンなど4製品を発売
日本Shuttleは、Intel X79/Z77搭載モデルなどキューブベアボーン計4製品を発売する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.