スマホとはっきり違う、7型タブレットのベンチマーク機──「Nexus 7」詳細検証:「Nexus 7」をよりお得価格で入手する方法も探る(1/3 ページ)
PCや10型クラスより軽量、スマホより大画面で扱いやすい──タブレットの新スタンダードとして「7型サイズ」が注目されている。その中でも1万9800円という驚きの価格で販売される「Nexus 7」はどうか。機能と使い勝手、そして“お得価格で入手する”方法を考察する。
最新OS Android 4.1搭載+7型サイズならではの使い勝手を実現 「Nexus 7」
海外で先行デビューし、その高いコストパフォーマンスで全世界で注目を集めた7型Androidタブレット「Nexus 7」が日本でも発売された。
製造は日本でも馴染みのあるASUSTeK Computerだが、Android OSの開発元であるGoogleがプロデュースした現時点でのAndroidタブレットのリファレンスモデルとも言えるモデルで、Googleブランドで発売される製品だ。最新のAndroid OSを搭載して発売されたことはもちろん、今後もいち早く最新のAndroid OSの提供が期待できる点でも注目されている。
NexusシリーズはAndroidタブレットのリファレンスモデルという位置付けもあり、突出した機能や国別にローカライズ・カスタマイズされた機能は多くない。最新のAndroid OSを最速で提供するには、ハードウェアはよい意味でシンプルなグローバルスタンダードであることが求められるためだ。ただ、グローバルスタンダードなハードウェアで最新のAndroid OSを快適に利用できる先進性を持ちつつ、実用性もほどよくミックスし、高いコストパフォーマンスを実現したのが大きな特長である。店頭モデルはなんと1万9800円だ。
そのハードウェアは、CPUには4コア+サブコア構成で最大1.3GHz動作のTegra 3を採用、Bluetoothは低消費電力な最新バージョンであるv4.0を、そして、これから近接無線通信のスタンダードになる兆しがあるNFCも搭載と、2012年10月現在、過不足がない最新志向な構成となっている。ディスプレイは7型ワイドの広視野角なIPSパネルで、解像度は1280×800ドット表示に対応。無線LANは最大150MbpsのIEEE802.11b/g/nに準拠(2.4GHz帯のみ)、GPSモジュールも内蔵する。一方、カメラはSkypeなどちょっとしたWebカメラ的な利用を想定したと思われる120万画素インカメラのみと、7型タブレットの用途やコスト面を配慮して相応に割り切っている部分もある。
OSやアプリの実行領域である内蔵メモリは1Gバイト、内部ストレージは16Gバイトと8Gバイトのモデルが準備される。国内での単体販売は16Gバイトモデルのみ、一方の8Gバイトモデルは主にISPなどによるモバイル通信サービスとのセット販売用として採用されている。ストレージ領域を拡張するメモリカードスロットは実装しないが、実装するUSB端子はUSBホスト機能を備えており、USBホストケーブルを組み合わせるとUSBメモリやカードリーダー+メモリカード、デジカメなどを直接接続してファイルの読み書きが行えるようになっている。
本体サイズは、7型タブレットとして重すぎず大きすぎず、ほどよく標準的である。側面から背面に向かってなめらかに絞り込むデザインとしており、背面部はラバー調の滑り止めコートも施されている。約340グラムの重量は手にする機器としてはおおむね苦にならない値であり、片手での保持はもちろん、立ったまま使用するとしても滑りにくいので持っていて安心感がある。コストパフォーマンスを重視しつつ、薄型化、軽量化も考慮したサイズだと思う。
4コア+Android 4.1で快適動作
では実際の操作感はどうか。
動作感は極めて軽快で、アプリの起動、利用、切り替えなどもストレスフリーで行える。こちらはさすがクアッドコアプロセッサと思わせる。1つ1つの動作速度はアプリの機能にも左右されるが、ホーム画面でアプリのアイコンをタップすれば間髪置かずに起動し、ホームキーをタップすればさっと機敏にホーム画面に切り替わる。加えて、タッチパネル操作に対する追従性も良好で、操作が思い通りに行かない感覚などはほぼ感じない。
一般的にスマートフォンやタブレットで操作に引っかかりを感じる原因は、タッチパネルの感度やチューニングの良し悪しのほか、CPUがアプリの処理に手一杯になることでタッチパネル操作に対するフィードバックが遅れがちになることも原因の1つ。つまり、CPUがそれなりにパワフルであれば、アプリの実動作速度が速いだけでなく、よほどのことがない限り実操作感も良好となる“よい見本”を示してくれたといえる。
また、OSは(2012年10月現在)最新のAndroid 4.1である点も見逃せない。Android OSでは4.0からは描画が高速なGPUレンダリングをゲームアプリなど以外でも利用することでさらに体感的な動作速度が向上し、Android 3.0から採用されたワンタッチで起動できるタスク一覧(最近起動したアプリ一覧)からのアプリ切り替えも継承している。本機では、ブラウザもAndroid 4.0以降で動作する「Google Chrome」が標準で搭載されており、高速な描画速度に加えて、Windows版のChromeブラウザとのブックマークや履歴のほか、開かれているタブの同期まで可能になっており、PCとの併用も考慮した使い勝手が得られる。
さらに、アプリからの通知や更新情報が確認できる通知パネルもスマートになり、確認した通知のみを横にスワイプすることで消去可能なほか、右上部のボタンでまとめて消去できるのも便利になったところだ。
その通知パネルから設定画面をサッと呼び出すこともでき、加えて通知パネルはいつでも画面最上段から下にドラッグ操作することで呼び出せるので、アプリの利用を中断することなくさまざまな設定、例えば無線LANのオン/オフの設定などもスマートに行える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.