真空管とトランジスタ、2つの音が楽しめるヘッドフォンアンプ──New-Tone「eDison-01」:野村ケンジのぶらんにゅ~PCオーディオ Review(2/2 ページ)
音楽は“いい音”で聞きたい──。それならば、自作に続くオトナのPC遊び「PCオーディオ」に挑戦してはいかがだろう。今回は、真空管かトランジスタ、2つのライン出力を1台で楽しめる特長を持つUSB DACをチェックする。
おもしろくサウンド感が変わる、真空管とトランジスタのライン出力
では視聴しよう。視聴はヘッドフォンにSHURE「SRH1840」を、ライン出力にCarot One「ERNESTOLO」(真空管アンプ)とELAC「BS52.2」(ブックシェルフスピーカー)を接続して行った。
まずは真空管とトランジスタ、それぞれのライン出力の違いを。真空管出力は密度感が高く、厚みのあるヴォーカルが魅力と感じる。音色の自然さがさすが真空管といったところだ。ただ、SNがあまりよくないのか、抑揚感に欠ける感じを若干受ける。
対してトランジスタ出力は、真空管出力で気になった抑揚感の少なさが一変し、メリハリのよいダイナミックなサウンドの傾向となった。ロックやジャズなど、キレのよさやリズミカルさが重要となる音楽ジャンルにはこちらの方が向いている。逆に、音数が少なくヴォーカルを聞かせる音源などは、真空管の方が味があると感じるかもしれない。ともあれ、1つの機器で好みを使い分けられるのがとても楽しい。
ヘッドフォン出力は、ライン出力と比べてしまうと解像度感がやや物足りないかなと感じるが、メリハリなどの抑揚表現はしっかりしており、ニュアンス表現も決して悪くはない。それほど気にすることはない範囲だ。総じて音楽を楽しく聞かせてくれる。
さて「eDison-01」の実売価格は2万5000円前後だ。機能の多さと遊べる要素、そしてサウンドクオリティを考えると、コストパフォーマンスはかなりよいと評価できる。
もちろん高級モデルにかなわない部分はあるのだが、USB DACと光デジタル入力、さらにヘッドフォンとパッシブスピーカー出力を両方まかなえ、音楽をしっかりと楽しませてくれる実力を持つ点は、スピーカーやヘッドフォンなどをアレコレ試したいPCオーディオファンとしてとても扱いやすく、楽しくPCオーディオ趣味に没頭できそうである。
音質評価(真空管ライン出力) | New-Tone「eDison-01」 |
---|---|
解像度感 | (粗い-○---きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー-○---ワイド) |
帯域バランス | (低域強調--○--フラット) |
音色傾向 | (迫力重視-○---質感重視) |
試聴曲
- Marcus Miller「Jean Pierre/FREE」
- 小曽根真「ドゥムカ(あるべきもなく)/Road to Chopin」
- 上原ひろみ「voice/voice」
- 新居昭乃「きれいな感情/sora no uta」
- santana「Whole Lotta Love/Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics of All Time」
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