15.6型でもモバイルできちゃうディスプレイ「On-Lap 2501M」を使ってみた:スマートデバイスの“大画面化”も可能(2/2 ページ)
MHL入力と内蔵バッテリーを備える15.6型モデルのモバイルディスプレイ「On-Lap 2501M」が登場した。ノートPCに加え、スマートデバイスとの親和性も高いのが特徴だ。タブレットのお供にモバイルディスプレイ、といった新しい利用スタイルも容易に実現できる。
On-Lap 2501Mの発色を測定
発色については、エックスライトのカラーマネジメントツール「i1Pro」(製品パッケージとしては「i1Basic」)を使って計測した。輝度は120カンデラ/平方メートルにそろえている。
本製品は画面右上のボタンで輝度、コントラスト、色温度(標準:6500K、寒色:9300K、ユーザー:RGB個別調整)を設定できるが、小型モデルのOn-Lap 1302は、設定温度と実測値の間に大きなズレがあり、標準となる6500Kに合わせるには、RGBを0~100の範囲で個別に設定する必要があった。では、On-Lap 2501Mはどうか。設定を標準と寒色にして、色温度を調べた結果は下表の通りだ。参考として、On-Lap 1302の結果も併記する。
i1 Proで計測した On-Lapの色温度(輝度は120カンデラ/平方メートル、ガンマは2.2に固定) | |||
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設定 | 公称値 | 実測値(On-Lap 2501M) | 実測値(On-Lap 1302) |
標準 | 6500K | 6430K | 8176K |
寒色 | 9300K | 8095K | 11977K |
標準設定では、6500Kから70Kの差しかなく、RGBを個別に調整しなくても問題ないくらいまで正確な値が出ているのに対し、寒色設定ではおよそ1200K低い数値となった。On-Lap 1302と比べると、公称値に近い数値が出ている。
6500Kとは、Windows PCやネットコンテンツ、デジタルフォトにおいて標準的な色域となっているIEC(国際電気標準会議)の国際規格「sRGB」で定められている色温度だ。標準設定で業界標準に近いホワイトバランスとなっているが、色温度を高くしたい/高い方が好みという人であれば、設定を変えたり、自らRGBを設定する必要があるだろう。
ちなみに輝度の公称値は200カンデラ/平方メートルとなっているが、実際はもう少し低い。色温度を6500Kに合わせ、輝度を最大に設定して計測した結果、150カンデラ/平方メートルだった。
色域はどうか。On-Lap 2501MのICCプロファイル(輝度は120カンデラ/平方メートルに固定した状態)をi1Proで作成し、Mac OS XのColorSyncユーティリティで表示した。色が付いた部分が再現できる色の範囲、グレーで重ねて表示しているのが比較対象で再現できる色の範囲となる。On-Lap 2501MとOn-Lap 1302を比較してみると、On-Lap 1302の方が全体的に色域が広い。紫から青にかけての寒色では、ほぼ差がない一方で、赤や黄色などの暖色では差が出た。
輝度120カンデラ/平方メートル、色温度6500Kを目標にキャリブレーションした結果のガンマカーブは下図の通りだ。赤は暗部から明部まで入力と出力がほぼ1:1で推移しているが、緑と青はやや下方向へ補正されているのが分かる。寒色が強く出るOn-Lap 1302は青が下方向へ補正され、緑や赤が上方向に補正という2重の補正がついていた。
※今回の測定結果は使用した評価機個体でのものであり、製品ごとに表示性能に差がある場合があります
購入するなら、用途が広がる上位モデルを
本機の魅力は、スマートデバイスとの接続に便利なMHL対応と内蔵バッテリーでも動作することによる利用シーンの広さだろう。既存モデルと比較すると、“お手軽に使えるディスプレイ”というポイントを残したまま、スマートデバイス用ディスプレイにも使える価値も強化したと言える。
既存モデルでも、変換ケーブルなどを使えばスマートフォンの画面を表示できたが、バッテリーを内蔵しないため、モバイル環境では、USBモバイルバッテリーなどで電源を別途用意する必要があった。
モバイル用途なら、ノートPCとともにスマートフォンやタブレットも自由に使える。本機は、重量1337グラムと1キロを超えており、軽量傾向のUltrabookと組み合わせても2キロを超えてしまう。「それでも2キロだ! 問題ない!」という人もいるだろうが、持ち歩くには少し重い。一方で、タブレットならば1キロ台で大画面も持ち歩ける。この新しい利用スタイルを容易に実現できるのは大きな価値だ。
据え置きではどうか。15.6型で1366×768ドットの解像度は、外付けディスプレイとしては物足りないが、手軽に設置でき、家庭内で持ち運べる価値は健在だ。スマートデバイスの画面を共有して、家族や友達と盛り上がるという使い方をするなら、人が集まるリビングルームなどに置いておくのもいいだろう。このほか、社内で行う少人数のミーティングや営業先でもかなり使えそうだ。文字が細かい資料などを映すのには向かないが、プレゼンテーション用途にぴったりだ。
重さは多少犠牲になるが、持ち運べる15.6型ワイドのディスプレイという選択肢は非常に少ない。さらに、タッチパネルを搭載してくれると魅力的な製品になると感じた。厚さや重さが増してしまうことも予想されるが、スマートフォンの接続時はもちろん、Windows 8搭載ノートPCの外付けディスプレイとしての価値がグンと上がる。
価格は2万4800円(税込)と、外付けディスプレイとしては、やや高額だが、一般的な液晶ディスプレイとは利用シーンが大きく違う点に購買ポイントを見出したい。一方、下位モデルのOn-Lap 2501Aは1万9800円と、上位モデルよりも5000円安価だ。ただ、MHL入力と内蔵バッテリーを備えないので、魅力は少し劣る。
ノートPCではHDMIやアナログRGBでお手軽に利用でき、さらにバッテリー動作でスマートデバイスのモバイルディスプレイにもなる。このように、大画面を手軽に追加できるのがOn-Lap 2501Mの強みだ。この製品に興味を持ったならば、利用範囲が広く、さらに遊べる上位モデルをお勧めしたい。
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