3Dプリンタから3Dスキャナ、3Dマウスまで――立体造形ツールの注目展示をチェック:Euromold現地リポート(2)(2/4 ページ)
「Euromold」で展示されていた最新技術や製品を林信行氏がピックアップ。3Dプリンタをはじめとする「立体造形技術のこれから」を展望しよう。
3D対応入力デバイス
今日、PCなどの操作に用いられるマウスやトラックパッドといった入力デバイスは、カーソルを画面という平面の上で動かすための装置だ。多くの3Dソフトは、前後左右の移動操作と回転操作を組み合わせることで、そうした3Dの入力機器でも画面上の3Dオブジェクトを操作できるようにしているが、より直感的かつ精密に3Dオブジェクトの加工をするには、それにあわせた3Dの入力装置というものがある。
こうした3Dの入力装置としてもかなり人気が高いのがgeomagicの「freeform」と呼ばれる製品で、アーム先についたペン状のものを手でつかみ、上下左右前後に動かすと、画面の中で物体をその通りに動かすことができる。さらには、これを彫刻刀のようにして画面上の物体を削ることもできる。
しかも、その際に、手にはきちんと触感のフィードバックが返ってくる。金属のように固くて彫刻できない触感、固いがなんとか削れる触感、柔らかく削りやすい触感なども再現できる。アーティストの名和晃平氏も3D彫刻作品を作る際に、このfreeformを愛用している。筆者は一度、名和氏のアトリエで彼の彫刻作品を、試しに掘らせてもらったことがあるが、その際、3Dソフトでパーツごとに素材の設定を行うことで異なる触感を楽しむことができた。
freeformは、非常に正確な動きを読み取れるため、3D測定にも用いられるようだ。つまり、車のドアなどの工業製品の緩やかなカーブに歪みがおきていないか、表面をfreeformでなぞり、取り込んだデータを解析して歪みを読み取る、といった用途だ。
一方、3Dマウスという製品もある。これはジョイスティックの握りの部分を、手のひらをすっぽり埋める大きなボール状にしたような製品で、ジョイスティック同様の上下/左右の動きに加え、スティック部分を下に押し下げたり、上に持ち上げたり、回転させたりといった操作で上下左右前後+回転の操作を行うことができるようにしたものだ。
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