「HappyGet」でYouTube動画を簡単バックアップ:QNAPで幸せゲットだぜ(3/3 ページ)
QNAPの“最強NAS”こと「TurboNAS」の魅力の1つは拡張性の高さだ。今回は本体に追加機能を加えることなく、TurboNASをさらに機能拡張する「HappyGet」を紹介する。お宝動画がキミを待っている!!
HappyGetの設定あれこれ
以上がHappyGetの基本的な使い方だが、HappyGetボタンを押して表示される画面についても説明しておこう。なお、初回クリックで表示される設定ウィザードは前述したとおりだ。
HappyGetのアイコンボタンをクリックして表示される画面は3ページに分かれている。1つ目は「Program List」。作者のDogulus Kaien氏が作成・保守しているYoutube再生リストへのリンクだ。各国のiTunes Top 20を中心に台湾のテレビ番組などが登録されている。
「Player」は簡易ミュージックプレーヤーだ。TurboNASのMultimedia以下のフォルダにあるオーディオファイルが表示される。このプレーヤーからはオーディオのトリミングが行えるWebアプリ「HappyCut」が利用できる。HappyCutは標準のm4aファイルのほか、iOSの着信音として利用できるm4rファイル、Androidのmp3に切り出し、変換することも可能だ。
「Settings」は設定ウィザードで設定できない詳細な設定とステータスの確認が可能だ。「Default Playlist Settings」は設定ウィザードで設定したデフォルトプレイリストタイトルを変更する際に使用する。「Your Name」チェックボックスにチェックを入れるとタイトルのプリフィックスを編集できる。また、「Today」ボタンをクリックするとタイトル名の後半部分に本日の日付が「yy_mm_dd」の形で挿入される。設定ウィザード同様、自動更新されるわけではないので必要に応じて随時「Today」ボタンと「Save」ボタンを押す必要がある。
「Download Status」はダウンロード状況を表示する。HappyGetのダウンロードはDownload Stationの機能を使うが、Download Stationから確認することはできない。「Show Details」をクリックすると動画ごとのダウンロード進ちょくが表示される。同様に「Subscribed Playlist」には購読中の再生リストが表示される。その再生リストに含まれる動画は「Download Status」から確認できる。
「Server Settings」には3つの設定がある。オーディオファイルのカバー画像(サムネイル画像)にYoutubeロゴを入れないようにする「Disable Youtube watermark on cover」、ダウンロード完了時にEmailで通知を行う「Enable E-mail Notification」、再生リストのチェック時刻を指定する「Subscribe playlist auto check time」だ。原稿執筆時ではEmail通知と再生リストのチェック時刻指定の動作は確認できていないが、フォーラムの報告を見る限りでは特に問題はないようだ。
「NAS Connection Settings」にはTurboNASの接続情報を設定する。これは設定ウィザードで設定したものと同じだ。そのほかYouTubeの認証を登録する「Website Account Settings」もある。
HappyGetが登場した「意味」
YouTube動画のダウンロードツールという意味では同様のツールはほかにもある。だが、HappyGetはTurboNASの機能を多角的に利用するという点で他に類を見ないツールになっている。いったん登録してしまえばあとはすべてTurboNASが処理し、HappyGet側はステータスの確認、設定の変更などのインタフェース部分だけを担当する。そのため、ほかのツールのようにダウンロードが完了するまでPCを落とすことができない、ということがない。ダウンロードに数日かかるような分量であっても、24時間通電のTurboNASは粛々と処理を実行する。
また、MyCloudNASサービスを有効にしていれば外出先、オフィスなどでちょっとした時間にさわりだけ見たような動画を「後で見る」リストに入れる代りに自宅のTurboNASに保存しておくことができる。
TurboNASはNASというカテゴリではあるが、大容量ストレージを備えた24時間稼働の多目的サーバでもある。基本機能であるCIFSやAFP、NFSなどでの共有機能、Download Stationでの入力機能、Multimedia Stationによる再生機能をスタートとして、よりマルチメディアに特化した形で共有機能にiTunesサーバやDLNAサーバ、再生機能にはバージョンアップしたMutlimedia Station、Music Station、Photo Station、DJ Station、さらには直接本体からTVに出力可能なHD Stationなどその幅を広げてきた。
今回のHappyGetはDownload Stationという既存の機能ながら、Web APIを活用することでマルチメディアファイルに特化した入力機能を実現している。今後、ほかにもWeb APIを利用したアプリケーションが出てくるかもしれない。そうした意味でもHappyGetはTurboNASの新たな1ページを開いたアプリケーションと言えるだろう。
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