第3回 「Touch Cover」と「Type Cover」どっちがいい?――「Surface RT」:「Surface RT」の“ここ”が気になる(2/2 ページ)
「Surface RT」日本向けモデルの特徴や気になるポイントを追っていく。第3回はSurface RTで必須とも言えるオプションであるキーボード付きカバーをチェックする。
Type Coverのタイピング速度はノートPC並み
Touch CoverとType Coverそれぞれのタイピング速度を、普段使用しているノートPC「ThinkPad T410i」と比較してみた。速度の測定は、タイピング練習サイト「e-typing」を利用した。指定された10種類の例文を打つというもので、個人差が大きいテストだが、筆者の場合、ThinkPad T410iが約360文字(ローマ字)/分、Type Coverが約350文字(ローマ字)/分、Touch Coverが約250文字(ローマ字)/分という結果になった。
Type Coverは1分間に約170~180文字ということで、会議の議事録を取るなどスピードが求められる場面や、仕事用途でも十分対応できる印象を持った。誤入力率の平均値も5%未満でThinkPad T410iと同程度だった。
それに対してTouch Coverは速度が7割程度に落ち、誤入力率も上がった。叩いたと思ったはずのキーが入力されていないことが多かったためだろう。特に下段のキーやスペースバーは押す際に力が入りにくいため、意識して強めに叩かないと反応しないことが多い。Enterキーや「A」「Q」など、左右の端にあるキーも押す位置がずれやすいので注意が必要だ。
キーボード付きカバーにはタッチパッドも装備
Touch CoverとType Coverは、キーボード手前にタッチパッドも備えている。どちらも66(横)×33(縦)ミリで、この画面サイズにしては比較的大きなタッチパッドだ。静電容量式を採用しており、Type Coverはクリックボタン一体型のタッチパッドとなる。どちらも比較的使いやすいが、範囲選択などを行う場合はクリックボタンがあるType Coverの方が使いやすい。
デスクトップで細かいメニューを選択したり、サイズの小さいボタンを押すときは、やはり画面へのタッチ操作よりもキーボード付きカバーのタッチパッドを使った方が便利だ。2本指でのスクロール(指を2本置いてスライドさせる)にも対応しており、キーボード利用時はWebブラウジングもタッチパッドを使うと楽に行える。
さて、どっちを選べばいいのか?
いずれのカバーも本体に装着して手にすると、10型クラスのタブレットにしてはずっしりとした重みが感じられる。タブレットを持っているというよりも、ミニノートPCを持つ感覚に近いかもしれない。とはいえ、大多数のUltrabookよりも小さく軽いので、バッグへ放り込む際はとても楽だ。厚みもそれほど気にならない。Type Coverの方が厚みがあるため、やや持ちにくくなるものの、底面を絞った本体の造形により、手にしたときのフィット感は良好だ。
重さや厚さの感覚は大差がない印象なので、どちらのカバーを選ぶかは用途によるだろう。長文を打ちたい、仕事で使いたい、というならばType Coverで決まりだし、Surface RTを装飾したい、より軽い純正カバーが欲しい、というならばTouch Coverしかない。Touch Coverは9980円(税込み、以下同)、Type Coverは1万980円だ。単体購入よりも若干安くなるTouch Coverとのセットモデル(5万7800円)にType Coverを買い足し、用途によって使い分けるのもありかもしれない。
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