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2013年冬のノートPCとタブレットはどう選ぶ?――実際に買った新製品はコレ本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/2 ページ)

ボーナスシーズンに向けて、各社が続々とノートPCやタブレットの新モデルを発売し、注目製品が出そろってきた。この中から、どのように製品を選ぶべきだろうか。

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タブレットは”お好きにどうぞ”

 一方、編集部からもリクエストがあったタブレットに関しては、「お好きにどうぞ」と答えたいのが本音だ。

 Windows PCを求めている人にMacを、Macを求めている人にWindows PCをオススメするのも無粋だと思うが、PCの場合はパフォーマンスも高くフル機能のブラウザが備わっているため、クラウドにアプリが集中している現在、どちらを使ってもあまり困ることはない。もちろん、使い勝手の差はあり、慣れるまでのハードルはあるが、意外に両プラットフォームの乗り換えは難しくない(以前はかなり高いハードルだったが)。

 むしろ、AndroidとiOSの間の乗り換えハードルのほうが高い。主要なクラウド型のアプリケーションは両プラットフォームに対応しているし、大抵の使い方において、両プラットフォーム間でデータの共有もできる。例えば、GoogleのアカウントをiOSに登録すれば、メールやカレンダーなどを活用できる。誰もが知っている使い方だ。

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 しかし、両プラットフォームとも使い込んでいると、手放せないアプリもあるだろう。一時期しか遊ばないゲーム程度であれば諦めもつくかもしれないが、使い慣れた道具となれば話も変わってくる。スマートフォンに最適化したアプリは、シンプルなフロントエンドとして実装されているものが多いが、タブレットに最適化されているアプリになると、片方にしか用意されていない場合もある。

 また、アプリの動作環境の違いにも起因するだろうが、同じ名前のアプリでもOSの違いにより機能や使い勝手に大きな差が生じる場合もある。状況はスマートフォンと似ているのだが、タブレットのほうがより大きな差がある、と言えばいいだろうか。

やはり「iPad Air」と「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は有力候補だ

 もちろん、MacとWindowsほどの操作性や見た目の差はない、という意見もあるだろう。しかし、フル機能のPCはパワフルで入力デバイスの使いやすさも段違いだ。タッチパネルで使うことを前提に、簡素なUIにしているだけに、プラットフォームの違いを強く感じる。だからこそ「好きな方を、お好みで」となるのだが、タブレット市場だけに関して言えば、アプリの充実度(数という意味ではない)や周辺デバイスの豊富さで「iPad Air」と「iPad mini Retinaディスプレイモデル」が最右翼にはなると思う。

 「どちらのプラットフォームにするか?」で迷わないのであれば、後はミニサイズにするか、それともフルサイズにするか。すなわち10型クラス(9.7型のiPad)なのか、それとも7型クラス(7.9型のiPad mini)を選ぶのか? で迷う方はいると思う。

 もし、あなたがPCを常に携帯するようなライフスタイルを送っているなら、そのどちらも持ち歩く必要はないだろう。自宅で使うならば、10型クラスのWi-Fiモデルが最適だ。特に都市部で電車通勤という方ならば、スマートフォン(あるいはファブレット)とPC以外に、その中間サイズの製品を持つ必要はない。

 しかし、PCを持ち歩かないのであれば、確かにタブレットは魅力的だ。よりPC的に、ときにキーボードと組み合わせながら使うならば10型クラス。電子書籍アプリなどのコンテンツプレーヤー的に使うならば7型前後のミニタブレットだろうか。何を普段持ち歩き、どんなアプリを使いたいかでどちらかは自ずと変わる。

Androidタブレットでは、やはり「Nexus 7(2013)」のコストパフォーマンスが目立つ

 もしAndroidを選ぶのであれば、その次に機種を選択することになる。ここで、あえてアマゾンの「Kindle Fire HDX」シリーズを選ばないとしたら、「Nexus 7(2013)」でいいのではないだろうか。

 スマートフォンとは異なり、タブレットはハードウェアで差異化されている部分が少ない。また、グーグルが昨年の「Nexus 7(2012)」で端末の低価格化トレンドを作ってしまったため、メーカーもあまり積極的にこの分野に投資しにくい状況になっていると思う。本来は開発者向けだったNexusシリーズだが、タブレットにおいてはタブレット向けコンテンツ市場を活性化させるトリガーのように扱われているので、メーカーブランドのタブレットが定着しづらい。

 もしiOS以外を求めているのであれば、マイクロソフトの「Surface 2」はどうだろう。タブレットとして発展途上であることは間違いないが、キーボード機能付きのカバーというアイデアも、Surface 2、Windows 8.1、双方の改良によってより生きるものになってきている。この辺りは別途、レビュー記事で書いた通りだ。

 また、タブレットという枠組みに入れるべきかどうか悩ましいが、Atom Z3000シリーズ(開発コード名:Bay Trail-T)を搭載した省電力の小型・薄型Windows 8端末も、その存在を忘れるべきではない。省電力性はSurface 2に使われているTegra 4と同等ながらパワフルで、何よりWindowsのソフトウェアがデスクトップアプリも含めてすべて動作するのは強みだ。

Windows RT 8.1を搭載する「Surface 2」(写真=左)。Surfaceシリーズ用キーボードカバーの新モデル「タイプカバー2」は、キーボードバックライトも内蔵した(写真=右)

追伸:自分自身で選んだのは?

 最後に今年の年末、自分自身では何を仕事道具として選んだかを記しておきたい。

 まずはPC。Macは昨年購入した15インチMacBook Pro RetinaをHaswellにしたいという願望もあるが、高価なだけに毎年は変えられない。何より今年はWindows 8.1が登場してWindows機の進化が大きいため、15インチMacBook Pro Retinaはヘタリ切ってフィールが悪化していたキーボード、タッチパッド、それに容量が減っていたバッテリーなどを交換するメンテナンスを行うにとどめた。

 すると新OS X Mavericksの省電力効果もあるのだろう。5時間ほどの実バッテリー駆動時間だった筆者のMacが、6時間以上使えるようになった。消費電力に気を使いながら利用すれば7時間は行けそうだ。

 ということでMacはそのまま。一方、Windows機としてはここでも紹介したVAIO Fit 13Aを試してみようと思う。ペン入力も図版指示などが必要になる筆者のような仕事ではとても便利であり、クラムシェル型のPCがライフスタイルの中で重要な筆者にとっては、まさに直球ど真ん中である。

 一方、タブレットは10型クラスがSurface 2、7型クラスはiPad mini Retinaディスプレイモデルを選んだ。前者は「それだけで仕事ができる」ことを目指してタイプカバーと同時使用。後者は説明不要だろう。

 ちょっと買いすぎかな?

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