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ついに登場! Windows 10の日本語プレビュー版をチェックする鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/3 ページ)

発売後1年間はWindows 7/8.1から無料でアップデートできることが明らかになり、注目度が急速に高まりつつある「Windows 10」。そのTechnical Preview最新版(Build 9926)が公開された。待望の日本語版が登場し、新機能も多数加わっている。

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インストール前の注意

Windows 10 Technical Previewは、開発者や企業のIT管理者、PCに詳しいユーザーに向けた開発早期のβ版です。実生活やビジネスで利用することを想定したものではなく、これにより発生した事象や損害について、PC USER編集部、筆者、Microsoftは一切の保証をしません。

 米Microsoftは1月23日(現地時間)、当初の予告より早いタイミングで「Windows 10 Technical Preview」(以下、Windows 10 TP)の最新アップデートを公開した。ダウンロードして無償で試せる検証用の最新β版となる。Windows 10の製品版は2015年後半に発売される見込みだ。

 日本のユーザーにとって注目したいのは、今回「初めての日本語版」が提供されたこと。まだメッセージの多くが英語のままで、音声認識パーソナルアシスタント機能の「Cortana」も英語対応のみというやや残念な状態だが、それでも数多くの新機能が追加され、見逃せないアップデートとなっている。早速、その中身をチェックしていこう。

今回初めて日本語版が公開された「Windows 10 Technical Preview」最新版(Build 9926)のデスクトップ画面

まずはWindows 10 Technical Preview日本語版のインストールから

 既存のWindows 10 TPユーザーは、Windows Updateを介した最新版へのアップデートでそのまま移行できるが、今回は日本語版のISOファイルが入手可能になったので、そちらを導入してみる。

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 Windows Insider ProgramのISOファイルダウンロードページにアクセスすると、今回対応している各国語版のISOファイルが並んでいるので、「Japanese」のタブを開いてx86版(3.05Gバイト)かx64版(3.98Gバイト)のISOファイルを入手しよう。いくつかの質問に答えていけば、そのままWindows 8以降のOSをインストールする要領でセットアップが進んでいくため、迷うところはないだろう。

Windows Insider Programのページにアクセスすると、Windows 10 Technical Previewの日本語版が利用可能になっている旨が通知される
英語版以外の全22地域向けのISOファイルが用意され、それぞれの言語に応じたタブを開いてダウンロードし、インストールする

 こうして新規にセットアップをすると、いきなり画面いっぱいにスタートメニューが広がっていて驚くかもしれない。この状態でスタートボタンを押すと、デスクトップが表示される。ビルド番号を確認すると「Build 9926」となっており、米Microsoftのジョー・ベルフィオーレ氏がプレスイベントのデモストレーションで使った「Build 9923」や、ハンズオンで提供されていたとみられる「Build 9924」とは異なる。

Windows 10 Technical Previewをインストールした後、最初に表示される画面。この後にアプリの設定が行われる。この状態でスタートボタンを押すと、デスクトップが表示される
1月23日(現地時間)提供の最新版は「Build 9926」になっている。21日のプレスイベントで使われた「Build 9923」より新しいビルドのようだ
OSカーネルは従来までの「6.4」から、Build 9926のタイミングで「10.0」へと一気にナンバリングが変更された

 Build 9926では音声認識パーソナルアシスタント機能のCortana(コルタナ)も利用可能だが、現在は英語版のみとなっており、情報検索や音声認識は英語で行わなければならない。試そうとしたものの、筆者のセットアップした環境ではうまくマイクの音声が入らず、Cortanaを起動できなかった。残念だが、Cortanaはじっくり後ほどレビューする予定だ。

スタートボタン横の長い検索フィールドをクリックすると「Cortana」がポップアップして起動する。初期状態なのでカスタマイズが必要だ

デスクトップとタブレットで表示モードを切り替える「Continuum」

 今回のビルドの目玉としては、ついに「Continuum(コンティニューム)」機能が実装されたことが挙げられる。これは、デスクトップ中心の操作画面とタブレット用の操作画面をキーボードの着脱(あるいは変形)でシームレスに切り替える仕組みだ。こうした動作を検出するとWindowsがそれをユーザーに通知し、モードを切り替えるかを確認してくる。

 実際にデスクトップ用からタブレット用にモードを切り替えた際の変化としては、まずデスクトップの背景が暗くなること、次に検索フィールドがなくなって検索/Cortanaアイコンへと変化することが挙げられる。また、タブレットモードではすべてのアプリが「最大化」表示となる。

 ただし現状では、モードの変更によってアプリの「アイコンサイズが大きくなる」「表示間隔が変更される」「UIが変化する」といった現象は見られず、タブレットモードになっても操作しづらい場面は多々見受けられた。そのほか、スクロールバーが見えないためにメニューの広がりが確認できなかったりするなど、まだまだUIに工夫が必要な部分も多い。

「Continuum」によるデスクトップモードからタブレットモードへの遷移。例えば、Surface Proのような2in1デバイスでデスクトップ画面を表示している状態で、キーボードカバーを取り外すと、画面右下にこのような通知メッセージが出現する
通知メッセージをタップすると、タブレットモードへと移行する。画面が全体に暗くなることと、検索フィールドが消えて検索/Cortanaアイコンへと変化しているのが分かる
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