レビュー

6段配列とTrackPoint物理ボタンが復活した「ThinkPad X1 Carbon」の心地よさを試すみんながこのキーボードを待っていた! (4/5 ページ)

電光石火の変わり身だ。5段+タッチスクリーンのAdaptiveキーボードを搭載した従来モデルの発表から1年、ThinkPad X1 Carbonが早くもモデルチェンジした。

新世代を感じさせるX1 Carbonのパフォーマンス

 評価機材のシステム構成は、Core i7-5600U、システムメモリ8Gバイト、Intel HD Graphics 5500(CPU統合)、データストレージが256GバイトのPCI Express x4接続 SSD(SAMUSUNG MZHPV256HDGL)、OSは64ビット版Windows 8.1 Pro Update 1(64ビット)だ。参考までに、ちょうど約1年前にレビューした第4世代Coreプロセッサー・ファミリーを採用するUltrabookのdynabook KIRA V634/28KSのスコアと比較してみた。

 PCI Express x4で接続するSSDの性能を検証するために行った「CrystalDiskMark 3.0.3」の結果は、シーケンシャルリードで1401Mバイト/秒、シーケンシャルライト1250Mバイト/秒だけでなく、4Kリード40.01Mバイト/秒、4Kライト92.92Mバイト/秒と、これまでのPCレビューでは見たことがない数字が並ぶ。この結果からすると、やはりPCI Express 3.0 x4(32Gbps)ではなくPCI Express 2.0 x4(20Gbps)接続と思われるが、それでも次元が違う。前述したように、この違いは体感でもはっきりと分かる。

CrystalDiskMark 3.0.3

 「CINEBENCH」のスコアは、CPUコアの性能の目安になる。CINEBENCH R15のスコアは、dynabookに対してCPUで約15%、CPU(シングルコア)で約12%と周波数なりの差といえそうだ。

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 「PCMark 7」のスコアでは注意事項がある。LightWeight ScoreとProductivity Scoreは、タッチパネル搭載機では一部の項目で異常値が出る。比較対象のdynabookはタッチパネル非搭載のため、この項目は除外して比較する必要がある(PCMark7の場合、総合スコアは各項目の合計で算出されるのではなく、別途総合スコア用のテストセットを用意して測定しているため総合スコアにこの不具合は影響しない)。

 Computationスコアの伸びが特に大きい。ここは画像処理やビデオのエンコードなどを含む部分だ。第5世代Coreプロセッサー・ファミリーでは、GPU内蔵ハードウェアエンコーダの性能を改善したとインテルは説明しているが、Computationスコアの伸びは、そのことを実証しているといえる。

PCMark 7 1.4.0

 第5世代Coreプロセッサー・ファミリーは、統合したグラフィックスコアで3D描画性能の向上も図っているが、3DMarkでのスコアの伸びは微妙だ。CPUで演算を行なうPhysicsスコアでは明らかにリードしているが、ゲームシーンベースのGraphicsスコアでは差が少ない。FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編では、ThinkPad X1 Carbonのスコアがdynabook KIRA V634/28KSを下回る。

FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編

 ベンチマークテスト全般として、測定値は第4世代Coreプロセッサー・ファミリーを採用するUltrabookに対して明らかな差を付けてリードしており、新世代を実感できるパフォーマンスを出している。高精細液晶ディスプレイ、PCI Express SSDの影響もあって、体感でも間違いなく「これまでとは違う新世代のモデル」を感じるはずだ。

実働10時間以上のバッテリー駆動

 バッテリー駆動時間は、bbench 1.01(海人氏・作)を使い、無線LANで常時接続し、60秒間隔でのWebサイト訪問、10秒間隔でのテキスト入力を行なう設定で計測した。結果は、バッテリー残量5%になるまで、10時間27分動作した。JEITA 1.0測定法での公称値約13.9時間には及ばなかったが、JEITA 2.0測定法での公称値(約9.2時間)は上回っており、イメージできるとおりの駆動時間といえる。ディスプレイサイズ13~14型クラスのモバイルノートPCとしては十分に長い。

 動作音は非常に静粛だ。アイドル時や低負荷時はほぼ無音で、高負荷時でもファンが回っていると認識できる程度の音しかしない。雑音が多い場所ではほとんど気付かない。発熱も低く、おそらく夏場でも気にならないと思われる。Haswell/Haswell Refreshを搭載していた従来モデルのボディを引き継いでいるので、熱設計には余裕があるのだろう。

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