6段配列とTrackPoint物理ボタンが復活した「ThinkPad X1 Carbon」の心地よさを試す:みんながこのキーボードを待っていた! (5/5 ページ)
電光石火の変わり身だ。5段+タッチスクリーンのAdaptiveキーボードを搭載した従来モデルの発表から1年、ThinkPad X1 Carbonが早くもモデルチェンジした。
最高の入力環境を備えたプレミアムノートPC
6段キーボードと物理ボタンを備えたTrackPointを搭載した入力環境は非常に完成度が高く、高精細な液晶ディスプレイ、第5世代Coreプロセッサー・ファミリーとPCI Express SSDによる高い処理能力、長時間バッテリー駆動時間とあわせて、新世代のプレミアムノートPCに仕上がっている。
あえてネガティブな要素を探せば、サイズや重量に進展はなく、先代から継承する外観も新鮮さに欠ける。実際、短いスパンで投入できているのはボディの設計変更を最小限にとどめているからであろうし、「ゼロからBroadwellに最適化した設計ならばもっと軽くできたのではないか」という欲張った思いもなくはない。
だが、このタイミングでそこまで求めるのは欲張りだというものだろう。「6段キーボード、物理ボタンTrackPointを装備し、Broadwellを搭載したThinkPad X1 Carbon」それだけで十分すぎる価値がある。特に入力環境を重視するユーザーにとって、長く待ち望んできた製品だろう。
Adaptiveキーボード、5ボタンクリックパッドは、ともにボディの薄型軽量化を推し進めるためには有利な要素だったが、ユーザーの評価は分かれていた。「実験的に」という前提で導入した前者はともかく、後者についてはThinkPad X1 CarbonだけでなくほかのThinkPadシリーズにも本格導入されていただけに、元に戻ることは予想しづらかった。この方向転換に対する決断の速さには、レノボが、そしてThinkPadが、ユーザー本位の姿勢を失っていないことの証明といえる。
ThinkPad X1 Carbon 2014は、「変則キーボード」のひとことで片付けられてしまい、正当な評価を受けることがなかったように思う。ノートPCという製品の性質上、キーボードのみを切り離して考えることはできないだけにそれも仕方がないところだが、それだけで切り捨ててしまうには惜しい製品だった。それだけに、6段キーボードに戻り、その真価を改めて世に問うモデルという見方もできそうだ。
評価機として取り上げた量販店上位モデルの標準価格は、26万9000円と高価だが、最新最高峰のパーツで構成しているので、前述のメリットを考えれば高すぎるということはない。スペックをカスタマイズできる直販モデルでは13万円台から用意しており、CPUを少しグレードダウンしたり、マルチタッチ非対応ディスプレイに変更するなどすれば、20万円以内に抑えることも可能だ。予算が厳しい場合はそちらを検討するといいだろう。
ThinkPad X1 Carbon 2015 | |
---|---|
製品名 | ThinkPad X1 Carbon(20BS-003XJP) |
メーカー | レノボ・ジャパン |
OS | 64ビット版Windows 8.1 Pro Update 1 |
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約331×227.1×14.2〜18.46ミリ |
重量(実測値) | 約1.44キログラム(1399グラム) |
画面サイズ(液晶方式) | 14型ワイド |
アスペクト比 | 16:9 |
ディスプレイ解像度 | 2560×1440ピクセル(約210ppi) |
CPU(コア数/スレッド数) | Core i7-5600U(2/4) |
動作周波数(最大) | 2.6GHz(3.2GHz) |
チップセット | CPU統合 |
vPro | ─ |
GPU | Intel HD Graphics 5500 |
メモリ | 8Gバイト(PC3-12800) |
メモリスロット(空きスロット数) | ─ |
ストレージ(評価機実装) | 256Gバイト(SAMUSUNG MZHPV256HDGL-000L1) |
ストレージフォームファクタ | M.2 |
ストレージ接続インタフェース | PCI Express |
光学ドライブ | ─ |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n |
Bluetooth | Bluetooth v4.0 |
NFC | ─ |
センサー | ─ |
有線LAN | "1000BASE-T(Intel I218V)※イーサネット拡張ケーブル(付属)にて対応" |
ワイヤレスWAN | ─ |
キーボード | 日本語89キー |
キートップ仕様・形状 | アイソレーション |
キーピッチ | 19×19ミリ(実測) |
キーストローク | ─ |
ポインティングデバイス | トラックポイント、トラックパッド |
主なインタフェース | USB 3.0×2(1基は電源オフチャージ対応)、HDMI、MiniDisplayPort、Lenovo OneLink、イーサネット拡張コネクター、ヘッドフォン/マイク兼用端子(3.5ミリ)、Webカメラ(イン30万画素) |
メモリカードスロット | ─ |
SIMカードスロット | ─ |
その他カードスロット | ─ |
スピーカー(音質補正ソフトウェア) | ステレオ(DOLBY HOME THEATER V4) |
マイク | デジタル |
指紋センサー | ─ |
セキュリティチップ | ─ |
セキュリティロックポート | ─ |
バッテリー動作時間 | 約17.8時間(JEITA 1.0) |
バッテリー仕様 | 50ワットアワー |
ACアダプタ実測サイズ | 35×93×29ミリ(幅×奥行き×高さ)突起部のぞく |
ACアダプタ実測重量(本体のみ/ケーブル込み) | 177グラム/214グラム(ケーブル込) |
ACアダプタ出力仕様 | 20ボルト/3.25アンペア |
ACアダプタ対応電圧 | 100〜240ボルト(50/60Hz) |
DC端子形状 | 角型 |
プラグケーブル端子形状(ACアダプタ側) | 2ピンメガネ型 |
防水/防滴 | ─ |
カラーバリエーション | ブラック |
オフィススイート | BTOで対応 |
価格 | オープン |
発売日 | 2015年1月14日 |
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
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