UQが下り最大220Mbpsのサービス開始/ドコモは下り最大225Mbpsに高速化:ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」(2/2 ページ)
UQが4×4 MIMOで下り最大220Mbpsに対応する「Speed Wi-Fi WX01」を発売。現時点では国内最速のモバイルインターネットだが、ドコモが3月27日にCAで下り最大225Mbps対応のサービスを開始する。
ドコモはCAで下り最大225Mbpsに対応
UQコミュニケーションズが国内最速となる下り最大220Mbps対応サービスを開始した一方で、NTTドコモはLTE-Advancedによる下り最大225Mbps対応の「PREMIUM 4G」を3月27日より開始することを発表した。僅差ではあるが、ドコモの下り最大225Mbps対応サービスはUQの220Mbps対応を上回り、国内のモバイルインターネットで最速となる。
ドコモの通信速度高速化は、複数の帯域を束ねて利用するCAによるもので、当初の対応機種は、モバイルWi-Fiルーターの「Wi-Fi STATION HW-02G」(以下、HW-02G)および「Wi-Fi STATION L-01G」(以下、L-01G)の2機種となる。
CAによる下り最大225Mbps対応は、ドコモが現在提供するXiの4つの周波数のうち、以下の2パターンで実現される。
- 1.7GHz帯(Band 3)150Mbps+800MHz帯(Band 19)75Mbps
- 2.1GHz帯(Band 1)112.5Mbps+1.5GHz帯(Band 21)112.5Mbps
ドコモの説明では、CAによる最高速度の高速化だけでなく、高度化C-RANの導入によって、通信が混雑している場合でも快適に通信が行えるようになることがアピールされた。2014年11月から実施しているフィールドテストでは、通常のLTEと比較して混雑時の通信速度が70%ほど高速化されたとのこと。
ドコモのPREMIUM 4Gは3月27日に全国22都道府県38都市の都市部から重点的にエリア展開が行われる。UQコミュニケーションズのキャリアアグリゲーションとは異なり、ドコモでは通信が混雑する都市部より順次下り最大225Mbpsエリアが拡大される。
通信速度が高速化するのはもちろん歓迎だが、実際の利用シーンにおいては混雑地域でいかに快適に通信が行えるようになるかが非常に重要であり、LTE-Advanced導入による通信品質の改善には大きく期待したい。
ソフトバンク、新プランで「直近3日間で1Gバイト」の速度制限を撤廃
ドコモ、KDDIが相次いで発表した「直近3日間で1Gバイト」を超えた場合の通信速度制限を、ソフトバンクモバイルが新料金プランの契約者向け限定で撤廃することを発表した。
ソフトバンクモバイルの追従によって大手3社が「直近3日間で1Gバイト」を超えた場合の通信速度制限を緩和したことになるが、同社の通信速度制限はドコモおよびKDDIと比べると厳しい速度制限が行われていたことや、旧料金プランで使い続けるユーザに関しては引き続き制限対象となる。
大手3社が実施する直近3日間の通信量に基づく速度制限については以下の通り。
提供会社 | 対象プラン | 通信量 | 通信速度制限内容 |
---|---|---|---|
ドコモ | Xi契約者 | 制限なし | |
KDDI | 4G LTE契約者 | 前日までの直近3日間で3Gバイト | 通信速度を終日制限する場合がある |
ソフトバンクモバイル | 新料金プラン | 制限なし | |
旧料金プラン | 前日までの直近3日間で1Gバイト | 当日6時から翌6時まで通信速度を制限する場合がある |
なお、新料金プラン以外ではモバイルWi-Fiルーターの契約者向けにも直近3日間の通信量に基づく速度制限が撤廃される。この点はPCなどと接続して通信量が多いケースを想定してのことかと思われる。
直近3日間の通信量に基づく通信速度制限は、キャリア側の都合による制限と言える。この種の速度制限を対応する通信方式の効率の良し悪しなどではなく、キャリアにとって収益の上げやすい「新料金プラン契約者」限定で撤廃するのは、他キャリアと同様の緩和施策であるように見えるが、実際には新料金プランに移行するインセンティブに過ぎないという印象も受ける。
さまざまな指標でナンバーワンをうたうソフトバンクモバイルだが、通信速度制限の解除についても“ナンバーワン”を目指して欲しいところだ。
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