緊急現地検証! “Hでくせの強い”Broadwellの実力を「Core i7-5775C」で試す:COMPUTEX TAIPEI 2015(2/2 ページ)
「ええ! ここでいまやるの? きーてないなぁー」と人気番組で定番のセリフを口にしつつ、台北にあるホテルの一室でベンチマークテストを走らせるのであった。
よくいえばメリハリの利いたスコアといえるかもしれない
PCMark 8
Core i7-5775Cのスコアは、WorkテストにおいてCore i7-4770Sとほぼ同程度、Core i7-4790Kに対しては218ポイントと7%程度の差で下回っている。Workテストでは、CPU演算処理を多用するアプリケーションを用いているため、動作クロックの差が結果に表れている。一方で、ゲームや動画再生などのグラフィックス処理能力を多用するHomeテストでは、Core i7-4790Kに対して727ポイントと20%程度という大きな差をつけてトップスコアを出している。
CINEBENCH R15
CPU演算によるグラフィックスレンダリング処理を行ってCPUの処理能力を計測するCINEBENCH R15では、Open GLスコアがCore i7-4790Kの2倍という高い値を示したものの、Multi CPUテストではCore i7-4790Kから88ポイントと1割近く低い結果となった。それでも、Core i7-4770Sに対して175ポイントと2割以上高いスコアを出していたが、Single CPUテストでは、そのCore i7-4770Sにも23ポイント、7%の差をつけられて下回った。動作クロックの差(Multi CPUテストで定格値、Single CPUテストで最大値)がそのままスコアの順位に結びついている。
3DMark v1.3.708
3Dグラフィックスの処理能力を測定する3DMarkのスコアでは、さすがにIris Pro 6200の実力が圧倒的で、すべてのテストでCore i7-5775CはCore i7-4790K超えたトップスコアを出している。そのスコアの違いは、最も負荷が軽いIce Stormで30%以上、Ice Stoem Unlimitedで50%弱、Cloud Gateで34%程度、Sky Diver Performanceで42%、Fire Strike Performanceで49%程度、最も負荷が重いFire Strike Extremeで47%程度と、負荷が重いテストでほぼ2倍の成績をCore i7-5775Cは出していたことになる。
グラフィックスコアの動作クロックは定格にしても最大にしてもほぼ同じ、かえってCore i7-5775Cに統合したIntel Iris Pro 6200がわずかに低いのだが、それだけに、演算実行ユニット数の差がスコアの結果に大きく影響しているといえるだろう。
これが使えるユーザーは、きっと“できる”ユーザーのはず
こうして、最後の3DMarkにおいて圧倒的な強さを示したCore i7-5775Cだが、その一方で、CINEBENCH R15では苦戦した。そして、PCMark 8でHomeテストの結果が好調だったのに対してWorkテストではごく普通の値となったあたりに、Core i7-5775Cの“くせの強さ”を読み取ることができる。
演算実行ユニットを増やしたことでHomeテストで抜きんでた一方で、TDP 65ワットという省電力動作のために動作クロックを抑えたことは、Workテストで処理能力的な違いを出すことができなかった。3次キャッシュメモリが削減されたことも影響しているはずだ。
グラフィックス処理能力と省電力のトレードオフをユーザーがどのように判断するのかが、Core i7-5775Cを選ぶ場合に重要になってくる。オフタイムでゲームや高解像度コンテンツを利用するユーザーには導入する価値が大いにあるだろう。一方で、ユーザーの利用形態によって大きく改善する場合もあれば、悪化することもあり得る。そういう意味では得手不得手がはっきりしているCPUだ(個人的にはそこがとても面白いけれど)。
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