パスワードからの解放――個人向けセキュリティ「マカフィー リブセーフ」2016年版:123456……
マカフィーの2016年版個人向けセキュリティ製品「マカフィー リブセーフ」では、パスワード管理を生体認証で代替する新機能「True Key」を搭載した。
マカフィー(インテル セキュリティ)は9月29日、「マカフィー リブセーフ」など個人向けセキュリティ製品の2016年版を発表、10月16日に発売する。
マカフィー リブセーフは、マルチOS/マルチデバイスを台数無制限で保護できる統合セキュリティサービス。2016年版では顔や指紋などの生体情報を組み合わせた認証機能「True Key」を搭載したほか、インストール手順を見直し、新たに追加したデバイスがより簡単に保護できるようになっているのが特徴だ。
製品発表会に登壇したギャリー・デイビス(Gary Davis)氏は、2020年までに250億台のIoTデバイスが存在すると予想される中で、セキュリティに関する問題は年々複雑化し、脅威は増していると指摘。デバイスを保護するという従来のセキュリティから、個人の情報そのものを保護するという方向でセキュリティをとらえることが重要になると述べた。
特に現在、最も問題になっているのがパスワードの管理だ。デイビス氏は、「これだけ情報漏えいが騒がれていても、パスワードで使われるトップ10を見ると“123456”などで変わっていない。全体の3分の1は強度不足(類推されやすいもの)だ」と話す。
ただし、その現状の要因として、ユーザーは平均で19以上のパスワードを使用しており、「オンラインのアカウントをすべて記憶するのはもう不可能」(同氏)という側面もある。日常的にインターネットを利用している方なら、パスワードという仕組み自体がユーザー体験を阻害していると感じたことがあるだろう。
そこで同社は生体認証をパスワード管理と組み合わせた「True Key」を開発。PCやスマホといった各デバイスへのログインに加え、FacebookやTwitterといったSNS、各種インターネットサービスのサインインに必要なパスワードをクラウド上に保存し、顔認証(+パスワード/信頼できるセカンドデバイスなどの組み合わせ)によって簡単に利用できるようにした。複雑なパスワードを記憶していなくても、デバイスに内蔵されるカメラで本人の顔が認証できれば、手軽にアカウントのログインができるというわけだ。
また、最新版の管理コンソールでは、同一ネットワーク上にある“保護されていないデバイス”が検出されると、該当デバイスにメールを送信し、メール内のリンクをクリックするだけでアプリがインストールできる、マルチデバイス保護向けの管理機能が強化されたほか、モバイルデバイス向けの省電力最適化機能や、ウェアラブルデバイス向けセキュリティ機能(スマートウォッチからスマホのアラームを鳴らすなど)が追加されている。
製品ラインアップは、スイート製品の「マカフィー リブセーフ」のほか、「マカフィー トータルプロテクション」「マカフィー インターネットセキュリティ」「マカフィー アンチウイルスプラス」「マカフィー アンチウイルス」の5製品。マカフィー アンチウイルスを除く4製品は、台数無制限で利用でいるマルチデバイスライセンスになる。マカフィー リブセーフの価格は、1ユーザー3年版が1万5408円、1ユーザー1年版が8208円(税込み)。
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