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2015年のアキバまとめ(前編)古田雄介のアキバPickUp!総集編(4/4 ページ)

自作PC街としてのアキバの2015年上半期は、SSDの躍進に盛り上がりつつ、目玉アイテムの発売延期や発売後のトラブル、下半期に控えるWindows 10に関わる動きでやきもきすることも多かった。

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「アンテナショップとしての役割を終えました」――ZOA秋葉原本店の閉店と10の影響

 自作街の動きとしては、老舗ショップのZOA秋葉原本店が3月31日に閉店したのが印象的だ。2月28日から1カ月かけて閉店セールを実施し、1995年から始まる約20年の歴史に静かにピリオドをつけた。

 閉店セールに際し、同店のベテランスタッフは「アンテナショップとしての役割はずいぶん前からネットショップに移っているので、いつこういう決定が下されても仕方ないのかなと思っていました」としみじみ語っていた。

 この閉店は運営母体の判断によるもので、同店のサポートはZOA相模原店が引き継いでいる。また、秋葉原本店の跡地にはまもなくしてPCNETが入り、5月下旬にジャンク品一掃の「ブラックマーケット」を実施したのち、「PCNET 秋葉原ジャンク通り店」に生まれ変わっている。

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閉店が決まった直後のZOA秋葉原本店。ホワイトボードに描かれたメッセージも話題を集めた
ブラックマーケット開催前のZOA秋葉原本店跡地。「アキバで2番目に安い~」の看板は引き継がれた

 もう1つ、Windows 10の影響も上半期を通して街全体に色濃く出ていた。Windows 10が7/8/8.1から1年間は無償アップデートできると発表された1月下旬にはOSの売れ行きに大きな反応はなく、3月に発売時期が「今夏」と明かされてもやはり静かだった。それがショップ側の不安を煽ったところがある。

 TSUKUMO eX.は「1年間の無償アップデートがどんな形で提供されるのかで、自作市場への影響は大きく変わってくると思います。インストールのたびにネット経由でアップデートするのか、ディスクに落とせる形にするのか。後者なら新OSを待つということにならないでしょうが、前者はそうじゃない。いずれにしろ早く確定情報をくれないと動けないです」と話していた。

 そのもやもやを残したまま、OS市場は5月下旬に突然動き出す。ソフマップ秋葉原本館とリユース総合館がWindows 8.1/8.1ProのDSP版を1万円強から1万3000円弱の限定特価で売り出し、他店も追随。週末特価などのタイミングで6月下旬まで特価競争が続いた。

 各店は明言を避けるものの、「10が出ても7の個性は通用するけど、8/8.1は埋もれる。その前に売らないと」(某ショップ)とのコメントもしばしば聞かれ、Windows 10前の在庫一掃の意図が込められているようだった。

1月末と5月下旬に撮影したソフマップ秋葉原リユース総合館のOS価格表
6月中旬に撮影したTSUKUMO eX.の週末特価POP
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