レビュー

世界初のXeon搭載17.3型ノートPC「ThinkPad P70」――ワクワクする怪物マシンの実力を徹底チェックモバイルWSに注力するレノボ(3/5 ページ)

レノボ・ジャパンからXeonプロセッサ搭載の17.3型モバイルワークステーション「ThinkPad P70」が登場。“最強モンスターマシン”の気になるパフォーマンスをがっつりチェックしよう。

液晶ディスプレイの性能は?

 評価機の液晶ディスプレイは、4K UHD(3840×2160ピクセル、IPSパネル、300nits)、タッチパネル非搭載、非光沢タイプだ。画素密度が約255ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)という仕様だ。17.3型の高詳細な大画面と高コントラスト比が相まって立体感を強く感じ、一味違う臨場感が体験できる。左右、上下の視野角も広く、欠点は感じられない。


大画面と4Kディスプレイを組み合わせによる作業効率は非常に高い

 実際に照度計(Zhangzhou WeiHua Electronicsの「LX-1010B」)で画面中央部の明るさを計測したところ、輝度100%設定の全画面白表示で、413ルクスとなった(液晶ディスプレイの輝度仕様で使われるカンデラ/平方メートルやnitの値ではない点に注意)。これならば日陰の屋外でも耐えられるほどの十分な明るさだ。なお、ハードウェア情報ツールHWiNFO64で確認したところ、「LEN4123」(2015年製造)と表示された。


輝度100%設定の全画面白表示で、413ルクスを示した

ハードウェア情報ツールHWiNFO64

 本体にはカラーセンサーがパームレストに内蔵されており、色を正確に測定し調整できる。カラーセンサーを利用してみたところ、X-Rite社PANTONE Color Calibratorの技術が採用されており、同アプリの設定後、1分間で色調整が完了した。

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パームレスト部分に搭載するカラーセンサー

 具体的なディスプレイ設定は、D50/D65/D75/固有の白色点を選択できるほか、トーンレスポンス(ガンマ)値を1.8/2.0/2.2で設定できる。


ディスプレイのキャリブレーション設定画面

 直販モデルは他にも、ディスプレイにフルHD(1920×1080ピクセル、IPSパネル)でタッチパネル非搭載(300nits)モデルと、タッチパネル搭載モデル(270nits)を含めた計3種類が用意され、予算にあわせて選択可能だ。

基本システムは“Skylake世代”のXeonを採用

 評価機構成と基本スペックをあらためて確認していこう。インテルXeonプロセッサー E3-1505M v5(2.8GHz/最大3.7GHz、L3キャッシュ8MB)を採用し、Hyper-Threadingで8スレッドの同時処理が可能で、動作周波数も極めて高速だ。TDP(熱設計電力)は45ワット。さらに、システムの状況をリアルタイムに監視しながらCPU電圧を制御することで、高クロック動作を長時間維持できる「Lenovo Automatic Turbo Boostテクノロジー」を搭載。CPU本来の性能を極限まで引き出すという機能も見逃せない。

CPU-Z(写真=左)と、GPU-Z(写真=右)
ThinkPad P70で選択可能なCPU
CPU名 コア数 スレッド 動作クロック L3キャッシュ TDP
Xeon E3-1505M v5 4 8 2.8-3.7GHz 8MB 45W
Core i7-6820HQ 4 8 2.7-3.6GHz 8MB 45W
Core i7-6700HQ 4 8 2.6-3.5GHz 6MB 45W

 メモリは、16Gバイト(8Gバイト×2、PC4-17000 DDR4 SDRAM DIMM/ECC対応)、評価機にはSamsung製M474A1G43DB0-CPBが搭載されていた。P70にはメモリスロットが4つ備わっており、最大64Gバイトまで搭載可能だ。

 ストレージは、512GB(シリアルATA/M.2)、評価機にはSAMSUNG製MZNLN512HCJH-000L1が装着されていた。P70には、M.2-SSD×2、2.5インチ(7ミリ厚対応)×1、ウルトラエンハンスドベイ×1と、計4つのドライブスロットが用意されている。予算に余裕があれば、512Gバイトのソリッドステートドライブ PCIe-NVMe×2によるRAID 0と1構成も選択でき、さらなるパフォーマンス向上も期待できる。

 グラフィックスカードは評価機には、CPU内蔵GPU(Intel HD Graphics 530)、外部にNVIDIA Quadro M4000M(4GB)を搭載。直販モデルではNVIDIA Quadro M600M(2GB)/M3000M(4GB)/M4000M(4GB)/M5000M(8GB)まで計4種類が選択可能だ。便利な機能として、BIOS設定にて「Discrete Graphics」固定モードが設定できる。Optimusモードを解除することで、Quadroのみで動作できる。

 通信機能は、インテルDual Band Wireless-AC 8260(2×2)、Bluetooth 4.1を標準装備し、IEEE802.11ac/a/b/g/nに対応。USB 3.0×4(うち1基は電源オフチャージ対応)、USB 3.1Type-C/Thunderbolt 3×2、Mini DisplayPort 1.2、HDMI 1.4、LAN(RJ-45)、ExpressCardスロット(34ミリ)、SDカードスロット(SDXC対応)、スマートカードスロットを装備するなど端子類も申し分ない。

 さらにドッキングステーションベイを備え、6つもUSB端子を増やせるThinkPad Workstaion ドックへと拡張できる。オプティカルは、DVDスーパーマルチドライブをウルトラエンハンスドベイに装備。残念なのは、Blu-rayドライブが選択できないことだ。

 ステレオスピーカー(Dolby Home Theater v4対応)も内蔵。若干のチープさは感じるものの、パワーはそれなりにあり、映像や音楽コンテンツを再生したときに落胆するようなことはないだろう。

デバイスマネージャ画面

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