時計表示に特化した小型スマートディスプレイ「Lenovo Smart Clock」を使ってみた:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(4/4 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は時計表示に特化したスマートディスプレイ「Lenovo Smart Clock」をレビューする。
アイコンの表示位置やUIはもうひと工夫が必要?
本製品は、時計表示に特化されているものの、中身はGoogle Nest Hubと基本的に変わらない。画面のデザインが異なるのは、時計表示うんぬん以前に、7型のGoogle Nest Hubの画面をそのまま縮小するわけにいかず、再デザインする必要があったのだろうと考えられる。
ただ、狭い画面に押し込んだためか、やや洗練されていないように感じる箇所もちらほらある。例えばアイコンの表示位置がそれだ。
本製品のサイレントモードのオン/オフは、画面を下から上にスワイプして表示される「クイック設定」のうち、4つ並んだ左から3番めのアイコンをタップして切り替える。位置で言うと中央やや右寄りだ。ところがホーム画面上でサイレントモードがオンであることを示すアイコンは画面の上、しかも左端と、設定時とはかけ離れた位置にある。
同様にアラームも、設定時はユーティリティトレイの左端にアイコンがあるのだが、ホーム画面では右上だ。こうしたアイコンは、その形状ではなく、配置によって覚えていることが多いため、異なる位置に表示されたこれらのアイコンを見て「えーっと、これ何だっけ」と戸惑うことになる。
また、これは本製品だけでなくGoogle Nest Hubにも言えるのだが、ホーム画面に戻る際、Echo Showのようにアイコンをワンタップするだけで戻ることができず、画面をひたすら左から右へとスワイプし続けないとホームに戻れないのが、少々わずらわしい。どのような画面にいても、一発でホーム画面に戻れる操作方法がほしかったところだ。
もう1つ、個人的に気になったのは、Googleアシスタントの音量がかなり大きく、最小値の「1」にしてもそこそこの音量があることだ。ボリュームを下げて、もう少し小さい音量にしようとした瞬間に、ミュートになってしまうので困ってしまう。
「最小音量が大きすぎる」のは海外製品ではよく見られるが、本製品の場合、設置場所は枕元一択なので、小さい音量のニーズは高く、これが細かく調整できないのはちょっと困る。最小音量に設定したGoogle Nest Hubと比べても、本製品の方が明らかに声が大きい。個人的には、1と0の間にもう2段階ほど音量の段階があってほしいと感じる。
コンセプト特化型の製品で必要な機能の有無を事前に確認すべし
以上ざっと使ってみたが、コンセプトははっきりしており、機能の優先順位付けも適切に行われている印象だ。AmazonのEcho Show 5も時計表示がメインの製品だが、本製品のようにルーティン機能にまで手を加えているわけではなく、本製品の方がより(目覚まし時計として)完成度は高い。製品名をわざわざ「スマートクロック」としているだけのことはある。
全体的にはよくできた製品だが、本稿後半で触れたように、UIに多少改善の余地があったり、Googleアシスタントの音量が大きめだったりと、若干気になるところもある。また本製品より大型のEcho Show 5やGoogle Nest Hubと比べると、むしろ本製品の方が奥行きがあるのは、意外な盲点だろう。
この他(これはGoogle Nest Hubもそうだが)、カメラが搭載されず、有線スピーカーを接続できないなど、他製品ではあまり見られない制約もある。価格は同社の直販で税別9100円(随時キャンペーンも行われている)と安価で手頃だが、購入にあたっては、自分がやりたいことに対して主にハードウェア面で制約がないか、事前に調べることをお勧めする。
関連キーワード
スマートスピーカー | Clova | Google Home | Amazon Echo | 性能比較
関連記事
レノボがGoogleアシスタント対応スマートディスプレイを2機種発表 7月19日発売
LenovoのGoogleアシスタント対応スマートディスプレイ2製品が、日本に上陸。コンパクトで1万円を切る価格の「Lenovo Smart Clock」と、10.1型液晶を搭載しカメラを使ったビデオ通話にも対応する「Lenovo Smart Display M10」の2機種が登場する。7月9日から販売予約を受け付け、同月19日に発売される。とびきりの完成度で死角なし! 画面付きスマートスピーカー「Google Nest Hub」を試してみた
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はGoogleから発売された画面付きスマートスピーカー「Google Nest Hub」のファーストインプレッションをお届けする。「Google Nest Hub」は画面付きスマスピで最高の完成度 気をつけるポイントは?
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。Googleから発売された画面付きスマートスピーカー「Google Nest Hub」ならではの操作性を細かく見ていこう。「Echo Show 5」を2週間使い込んで分かった操作のコツ
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はAmazonの画面付きスマートスピーカー「Echo Show 5」を細かく見ていこう。画面付きスマートスピーカー「Echo Show 5」、じっくり使って分かったこと
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はAmazonから新たに登場した画面付きスマートスピーカー「Echo Show 5」について、外観チェックからセットアップ、基本的な使い方までをじっくり見ていく。1万円を切った画面付きスマートスピーカー「Echo Show 5」 どこに置いてどう使う?
ディスプレイ付きのスマートスピーカーが増えつつある中、Amazonから1万円を切る新モデル「Echo Show 5」が登場しました。既に持っている円形ディスプレイ付きモデル「Echo Spot」とかぶりそうですが、多分ポチると思います。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.