Dynabookが新型4Kモバイルノートと外部GPUボックスをセットで提供:「8K映像編集PCシステム」を発売
Dynabookが、新型ノートPCと外付けGPUボックスをセットにした「8K映像編集PCシステム」を発売する。Webでの見積もり販売となり、動画編集ソフト(Adobe Premiere Proを推奨)は別売となる。
Dynabookは8月19日、「8K映像編集PCシステム」の受注を開始した。新型の15.6型モバイルノートPC「dynabook Z95」、Thunderbolt 3接続の外部GPUボックス「AKiTiO Node Titan」と、NVIDIAのGPU「Quadro RTX 4000」搭載グラフィックスカードをセットにした製品で、ソリューションとしてWebで見積もり販売される。想定価格は40万円台からで、動画編集ソフトウェアは別途用意する必要がある。なお、推奨ソフトウェアである「Adobe Premiere Pro」を合わせて購入することもできるという。
8K映像編集PCシステムの概要
Dynabookの完全親会社となったシャープは「8K+5GとAIoTで世界を変える」という事業ビジョンを掲げている。8K映像編集PCシステムは、シャープの「8K+5Gエコシステム」の中で映像の編集を担当するソリューションとして投入される。
8K(7680×4320ピクセル)で撮影された動画を編集する場合、CPUとGPU共にハイエンドなものを求められる。メモリやストレージの容量は多い方が良く、ハイスピードな方がベターだ。
デスクトップPCであればハイエンド環境を構築しやすいが、持ち運びは難しい。モバイル向けCPU/GPUの性能向上も手伝って、単体でも動画編集を行えるだけの性能を持つクリエイター向けノートPC(あるいはゲーミングノートPC)も充実してきたが、一般的なモバイルノートPCと比べるとサイズと重量の両面で持ち運びづらいことには変わりない。
そこでDynabookは「強力なCPUやGPUを搭載するオールインワン(AIO)PCの投入も検討した」(担当者)が、これまで培ってきた技術や強みをより生かすべく、モバイルノートPCとGPUボックスを組み合わせるソリューションを提案することにしたという。「外では軽い編集、家やオフィスではガッツリ編集する」(担当者)という使い方を想定している。
dynabook Z95の概要
dynabook Z95は15.6型ノートPC「dynabook Zシリーズ」の新製品で、今回発表されたソリューションの中核を担う。「Microsoft Office Home & Business」が付属するモデルと付属しないモデルを取りそろえるが、発表時点において単体販売される予定はないという。
CPUはCore i7-10710U(1.1G~4.7GHz、6コア12スレッド)で、メインメモリは32GB(16GB×2)、SSDは1TB(PCI Express接続)を備える。ディスプレイは4K(3840×2160ピクセル)対応の15.6型IGZO液晶を搭載している。
インタフェース類は、左側面にUSB 3.0 Type-A端子×2、マイク/イヤフォンコンボジャックを、右側面にHDMI出力端子、Thunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)端子×2、microSDメモリーカードスロットを備えている。Thunderbolt 3端子は、DisplayPort Alternate Modeによる映像入力と、USB Power Delivery(USB PD)による電源入力を兼ねている。
無線通信はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)とBluetooth 5.0に対応している。その他、USB接続のワイヤレスマウス(Blue LED方式)も付属する。
ボディーサイズは約359(幅)×250(奥行)×17.6(高さ)mmで、重量は約1.425 kgとなる。バッテリーは最長で11時間(JEITA 2.0基準)持つ。
付属するGPUボックスとグラフィックスカードの概要
GPUボックス「AKiTiO Node Titan」には、フルレングス(最大32cm)、フルハイト(最大17cm)、ダブル幅(最大2.5スロット分)のPCI Express接続のグラフィックスカードを搭載できる。内蔵電源は650Wで、グラフィックスカードに最大500W(6+2ピン×2)、USB PD対応機器に最大85Wの電力を供給可能だ。もちろん、dynabook Z95への電源供給にも対応している。
天面には持ち運び用のハンドルが付いており、ある程度の持ち運びも考慮されている。
ボックスにはあらかじめ、「8K動画を編集して出力できる上、Premiere ProのISV認定を取得している」(担当者)ことから選定されたQuadro RTX 4000がセットされている。グラフィックスメモリは8GB(GDDR6)で、映像出力はDisplayPort 1.4を3系統、VirtualLink(USB Type-C)を1系統備えている。
このシステムに付属するAKiTiO Node Titanは市販品と同一仕様で、Quadro RTX 4000以外のグラフィックスカードも搭載できる。ただし、Dynabookでは標準搭載されているQuadro RTX 4000以外の組み合わせでの動作は保証しない。
関連記事
超軽量と丈夫さを両立した「dynabook G」で海外に挑戦 Dynabook新製品レポート
2018年10月にシャープの傘下に入ったDynabook(旧・東芝クライアントコンピューティング)。2019年に引き続き、2020年もシャープのCESブース内に展示コーナーを設けていたので、その模様をお伝えする。Dynabookが2021年度の上場を目指して新サービスを発表 ソフトとハードの両輪で
Dynabook株式会社が2019年7月9日、独自イベントの「dynabook Day 2019」にて新サービスを発表、国内株式市場に2021年度中の上場を目指すとした。シャープがDynabookの株式を全数取得 100%子会社に
東芝が、保有していたDynabookの株式を全数シャープに譲渡したことを発表した。これにより、Dynabookはシャープの完全子会社となった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.