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コスパ優秀の15.6型モバイルディスプレイ「LD16W61」を試すモバイルディスプレイの道(3/3 ページ)

エプソンが投入した15.6型モバイルディスプレイ「LD16W61」は、税込み2万7500円とお手頃な価格が魅力の1台だ。その実力をチェックした。

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電源ボタンをジョイスティック式にした訳

 では電源ボタンおよびメニューを操作するためのボタンはどこにあるのかというと、本体背面に用意されている。このボタンは前述のスタンドを貫通し、背面側から押せる構造になっており、正面から見てボタン類のない、すっきりとしたデザインを実現している。

 ユニークなのは、この電源ボタンがジョイスティック式になっており、OSDメニューの操作(項目の上下移動/決定/戻る)を行えることだ。操作はややコツを要するが、OSDメニューそのものが見やすいため、使い勝手に支障はない。また国産製品ということもあって、他社製品によくある翻訳時に生じるおかしな日本語もない。

 あえてマイナス部分を挙げるとすれば、明るさや音量調整のような利用頻度の高いメニューがOSDメニューの下の階層にあり、直感的に操作できないことだ。他社製品では、これらだけは上位階層に配置したり、あるいは独立したボタンを残していたりする製品もあり、それらと比べた場合は一手間かかることになる。

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電源ボタンは背面にある。上下/左右に傾けることでメニューの操作にも対応する

スタンドに立てた状態でも操作できるようにボタン部分に穴が開いている

背面から見た状態。押し込む操作は問題ないが、上下/左右に倒す操作はやや押しにくい。カバーを外して行った方が良いだろう

海外製品をローカライズした製品と違い、メニューの日本語は自然で見やすい

直感的な操作を必要とする、音量調整や明るさ調整もメニューの深い階層まで行かないとアクセスできない点はやや気になるところだ

堅実な作りながら税込2万7500円というリーズナブルな価格設定

 以上のように、例えばタッチ対応や4K対応、あるいはバッテリーの内蔵といった突出した特徴こそなく、機能やスペックだけ見るならば圧倒的な優位性はないが、いい意味で手堅い作りで、使っていて安心感がある。

 他社のモバイルディスプレイでは、特徴を派手にアピールする一方、詳細な仕様が不明な製品も多いが、本製品は前述の動作環境温度だけでなく、LCDのドット抜け個数が3個以下という基準値も明記するなど、きちんと詳細仕様を公開しており、信頼が置ける印象だ。オプションで用意された延長保証サービスなどが選べるのも魅力である。この点においては、過去に本稿でレビューした他社製品と比べても、頭一つ抜けている。

 また何より、これでいて実売価格が税込2万7500円と、3万円を切った価格で手に入るのは大きい。それでいてケーブルやACアダプターなどが全部付属し、カバーは全面を覆うため別途保護ケースを調達する必要がないなど、安さが見せかけでないのは好印象である。本稿で見てきたように細かなツッコミどころはあるが、トータルではプラスというのが筆者の評価だ。

 基本的に直販サイトでの取り扱いのみとなる本製品だが、モバイルディスプレイを探しているユーザーは、候補に入れておくべき製品と言えそうだ。


スタンドには立て掛けているだけなので、このように縦向きに使うことも(見た目はともかく)可能だ。なお、本体側には画面回転メニューはないためPC側で縦表示に切り替える必要がある
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