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Tiger Lakeの実力やいかに? Intelの「リファレンスマシン」でチェックしてみた(1/3 ページ)

Intelの「第11世代Coreプロセッサ(Tiger Lake)」を搭載するノートPCが順次発売される。前世代(Ice Lake)から設計に改良を加えて性能をアップしたというが、どれほどのものか。同社が用意した「リファレンスマシン」でチェックしてみよう。

 この秋、Intelの新型CPU「第11世代Coreプロセッサ」(開発コード名:Tiger Lake)を搭載する製品が順次登場する。

 Tiger Lakeは、前世代のCoreプロセッサ(開発コード名:Ice Lake)と比べて、CPUのパフォーマンスは20%以上改善し、グラフィックスパフォーマンスは最大で2倍、AI(人工知能)の処理パフォーマンスは最大で5倍に向上しているという。ただ、TDP(熱設計電力)をメーカー側である程度調整できることから、同じCPUでもモデルの設計思想によってはある程度の性能差が生じうる(参考記事)。

 当のIntelは、Tiger Lakeをどのように“調理”したのか。同社が用意した「リファレンスマシン」を通して、その意図をくんでみようと思う。

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第11世代Coreプロセッサ(Tiger Lake)のリファレンスマシン

リファレンスマシンの概要

 このリファレンスマシンは台湾MSIが製造したものである。ボディーやUEFI(ファームウェア)のブートスクリーンには「Intel」の旧ロゴが刻印されてはいるが、ボディーデザインやキーボードの配列を見ると「確かにMSIだ」と確認できるデザインを備えている。見た目的には、クリエイター向けノートPC「Prestige 14」に近い。

 ただし、このリファレンスマシンは、あくまでもTiger Lakeの性能を確かめるために製造されたものなので、市販の予定はないという。


天板には、先代のIntelロゴが印字されている。UEFIのブートスクリーンにも先代ロゴが表示される

キーボードやタッチパッドのデザインを見ると、MSIらしさを感じる。タッチパッドの左上には指紋センサーを備えている

 主なスペックは以下の通りだ。

  • CPU:Core i7-1185G7(1.2GHz~4.8GHz、4コア8スレッド、12MBキャッシュ)
  • メインメモリ:32GB LPDDR4x
  • ストレージ:1TB SSD(NVMe)
  • ディスプレイ:タッチ操作対応フルHD(1920×1080ピクセル)液晶
  • グラフィックス(GPU):Intel Iris Xe Graphics
  • OS:Windows 10 Pro(64bit)

 Core i7-1185G7は、現状(10月9日現在)におけるTiger Lakeの最上位CPUだ。従来のcTDP(設定可能な熱設計電力)に相当する「オペレーティングレンジ(動作範囲)」は12~28Wとなっている。今回のリファレンスマシンでは、Windows 10のパワーモードを切り替えると以下のようにオペレーティングレンジを変更できるようになっている。

  • 最大のバッテリー残量:15W
  • 高パフォーマンス:28W
  • 最も高いパフォーマンス:28W(「Intel Dynamic Tuning Technology」適用)

リファレンスマシンはCore i7-1185G7を搭載。4コア8スレッドで、CPUIDベースの基本稼働クロックは3GHzとなっているようだ

このリファレンスマシンでは、電源設定の変更でオペレーティングレンジを設定できるようになっている

 ポート類は、左側面にThunderbolt 4(USB4)端子を2基備えるのみ。3.5mmイヤフォンマイクジャックなど、その他の端子類は一切備えていない。両端子共に、USB Power Delivery(USB PD)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応する。

 Intelとしては、今後はThunderbolt 4端子で全てを賄えると考えているのかもしれない(参考記事)。


左側面にはThunderbolt 4端子が2基ある。ポート類はこれだけだ

右側面

背面

裏面
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