ノートPCの“真の性能”はバッテリー駆動時に分かる Intelが説明(1/2 ページ)
Intelが、アジア太平洋地区の報道関係者を対象とする「Real World Performance Workshop」を開催した。いわく「ノートPCの“真の性能”はバッテリー駆動時に分かる」のだという。どういうことなのだろうか。
Intelは11月20日、8月19日に行われた報道関係者向けオンライン説明会「Real World Performance Workshop(現実世界におけるパフォーマンスに関するワークショップ)」を開催した。
この説明会は、8月19日に開催された説明会「Intel Platform Advantage」の“続編”に当たる。前回は、同社のノートPC向け第10世代Coreプロセッサ(開発コード名:Comet Lake-HおよびIce Lake)と、競合であるAMDのモバイル向け第3世代Ryzen Mobileプロセッサ(Ryzen 4000シリーズ)を比較して、「ベンチマークはリアルな使い方で取るべき」と主張していた。
今回の説明会は「Truly Mobile Performance」、日本語にすると「真のモバイルパフォーマンス」をテーマに進められた。Intelのいう真のモバイルパフォーマンスとは何なのだろうか。
ユーザーはバッテリー駆動時のパフォーマンスの良さを求めている
Intelの調べによると、最近のノートPCの購入者の約7割は、家の中でノートPCを持ち歩いて使っているのだという。
オフィスアプリの利用、Webブラウジング、コンテンツ作成――日常使いでもバッテリー駆動を多用する昨今において、ノートPCにはバッテリー駆動時のパフォーマンスの良さも求められるというのが同社の主張だ。
前回の説明会で、同社はバッテリー駆動になると、Ryzen 4000シリーズを搭載するノートPCはパフォーマンスが大きく落ち込むという検証結果を披露した。ノートPC向け第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)の発表時に行われた技術説明会でも、同趣旨の説明が盛り込まれた。
Intelとしては、Ryzen 4000シリーズはコンセント(外部電源)なしには本領を発揮できないという「コンセント番長」ぶりを問題視(?)しているようだ。
Tiger Lakeの正式発表時に行われた技術説明会の資料。第3世代Ryzen Mobileプロセッサ(Ryzen 7 4800U)は、バッテリー駆動時におけるベンチマークスコア大きく落ち込んでいることが分かる
「コンセント番長」にメーカー間の傾向の違いはない
第3世代Ryzen Mobileは「コンセント番長」である――そのことを証明するために、IntelはTiger Lakeを搭載する市販ノートPC(一部はベアボーンキット)とRyzen 4000シリーズを搭載する市販ノートPCを5台ずつ用意。その上で、ディスプレイの輝度を200ニトにそろえたこと以外は設定を変えずにバッテリー駆動でベンチマークテストを実施した。
今回テストで用いるノートPCの詳細なスペック。Ryzen 4000シリーズを搭載するマシンが6台になっているのは、CPU電圧に関する検証にのみ出てくるマシンが1台(ASUS ROG Zephyrus G14)含まれているからである
Intelがまず示したのが、総合ベンチマークソフト「PCMark 10」のApplicationsテストの結果だ。このテストではMicrosoft Officeの主要アプリケーション(Word、Excel、PowerPoint)と「Microsoft Edge」を利用した際のパフォーマンスを計測できる。
同社はAC(外部)電源のある場合とない場合のそれぞれで、テストを繰り返し実行したという。結果を見てみると、Ryzen 4000シリーズを搭載するノートPCはバッテリー駆動になるとスコアが最大で38%落ち込んだ。4割近い性能ダウンということになる。
続けて、同社はHTML5とJavaScriptベースのWebブラウザベンチマーク「WebXPRT」や、同社も参画する団体が作成した総合ベンチマーク「SYSmark 25」の結果も示した。PCMark 10の結果と同様に、Ryzen 4000シリーズはバッテリー駆動時に有意なスコア低下を確認できたという。
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