12GBのグラフィックスメモリはゲーミングに有利? 「GeForce RTX 3060」の実力をチェック(4/4 ページ)
現時点におけるGeForce RTX 30シリーズのエントリーモデルが発売される。既存の上位モデルよりもグラフィックスメモリ(VRAM)の容量が多いことが話題を呼んだが、その“増量”はゲーミングに有利に働くものなのだろうか。ベンチマークテストを通して確認してみよう。
消費電力はかなり控えめに
最後に、システム全体の消費電力をチェックしよう。3DMarkのTime Spy Extremeを実行中の最高消費電力を「高負荷時」、PCの起動後10分間何もせず放置した状態後の消費電力を「アイドル時」としてワットチェッカーで計測した。
アイドル時の消費電力はいずれも60W程度だ。高負荷時の消費電力は、最も高性能なRTX 3060 Tiが最も高く、300W超となった。次いで、旧世代のRTX 2060 SUPERがほぼ300W。RTX 3060は最も低い276Wとなった。
RTX 2060 SUPERに比肩するパフォーマンスを備えつつ、消費電力を25W前後低減したということは、素直に評価できるポイントだ。
評価の難しいGPU VRAM容量がモノを言う用途ならアリ
GeForce RTX 3060は、フルHD~WQHDのゲーミングをターゲットにしたパフォーマンスが特徴とされる。しかし、特にゲーム用途で他のGPUと比較すると、評価が難しい。
性能面ではGeForce RTX 2060 SUPERとほとんど同等という状況で、これまでのGeForce RTX 30シリーズと比べると物足りなさは否めない。ベンチマークテストでも触れた通り、「GeForce RTX 2060 SUPERをそのまま置き換えた感覚」となるため、GeForce GTX 1060のような2世代以上前のGPUからのアップグレードであれば、検討に値するだろう。その場合、RTX 30シリーズで最も安価であることは1つの武器となる。
ただ、「フルHDゲーミングが快適なら十分」というのであれば、より安価なGeForce GTX 1660という選択肢もある。「フレームレートの高いフルHDゲーミング、あるいはWQHDでゲームをプレイしたい」というのであれば、少し予算を増やしてGeForce RTX 3060 Tiに行った方が幸せだろう。
クリエイティブ用途であれば豊富なVRAMを生かせる場面もあるかもしれないが、ことゲームに関しては、素直にRTX 3060 Tiを選択する方が良い場面が多そうだ。「VRAMが多いから」という理由で本製品を選択する場合、自身の考える用途にマッチするかどうかはしっかりと吟味するようにしたい。
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