反応速度は改善された? ラトックシステムのスマートリモコン「RS-WFIREX4」を試した:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(3/3 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はラトックシステムのスマートリモコンを細かくチェックした。
懸案だった反応速度は従来モデル比で大幅改善
さて、懸案事項である反応速度について見ていこう。特定の家電製品のオン/オフの操作を行った際に、他のスマートリモコンと比べて、本製品の反応速度はどのぐらい違うだろうか。今回は他社製品も交えて実験を行ってみた。
用意したのは本製品と筆者が常用している「Nature Remo 3」、さらに「SwitchBot Hub Mini」の3製品だ。これらについて、照明のオン(またはオフ)を指示してから実際に照明が点灯(または消灯)するまでのタイムラグを、昼夜の2つの時間帯で計測してみた。いずれの実験もWi-Fi接続で行っている。
今回テストした3台のスマートリモコン。左から、Nature Remo 3、SwitchBot Hub Mini、本製品。いずれも量販店で取り扱いがあり、スマートリモコンのシェア上位に位置する製品と考えられる
結論から言うと、Alexa/Google アシスタントいずれでも、ほぼ全て「Nature Remo 3>本製品>SwitchBot Hub Mini」という結果になった。具体的には以下の表の通りで、どんなケースでも2秒台で反応するNature Remoに比べ、本製品は反応がワンテンポ遅い傾向にある。ただしSwitchBot Hub Miniよりは速い。
このようにまとめると「本製品は中程度の性能」と受け取られるかもしれないが、従来モデルは今回の測定条件でいうと10秒近くかかっていたので、Nature Remoよりも「ちょい遅」レベルに改善されているのはむしろプラスだ。かつての遅さは完全に払拭(ふっしょく)されていると言っていい。
余談だが、3製品の中で最下位になったSwitchBotリモコンも、実用的に使えるレベルなので(ごくまれに極端に反応が遅い時はあるが)、本製品も含めてどれも普通にお勧めできるレベルだ。ここに登場していない一部製品のように、無応答になることがないだけマシであることを、ご理解いただきたい。
反応速度の遅さは解消するも初心者には難解な部分も
以上のように、反応速度の極端な遅さは改善されており、カスタムスキルなど機能自体は他社製品と比べても豊富なのだが、全体的にクセはかなり強い。特にアプリは、「家外設定」に代表される独自の用語が頻出するのに加え、よく使う機能とそうでない機能が同じ階層に並べられており、どこを開けば目的が達成できるのか迷いやすい。
こうした問題点は、他社製品と使い比べればすぐに分かることであり、それが長らく改められないのは、何らかのアンタッチャブルな要因があるのだろう。問題が発生しても自力で解決できるスキルを持ったユーザー向けの製品であり、初心者に安心してお勧めするには難があるというのが、筆者の感想だ。
セットアップ中はファクトリーリセットを行わざるを得ないこともしばしば発生する(左)。メニュー画面一覧(中央)。よく使う機能とそうでない機能が同じ階層に並んでおり、どこにアクセスすればいいのか迷う。家外設定もデフォルトオンでない理由が分からない不思議な項目だ(右)
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