次期大型アップデート「May 2021 Update」は間もなくリリースへ:Windowsフロントライン(1/2 ページ)
Windows 10の次期大型アップデートが迫ってきた。「May 2021 Update」と呼ばれるアップデートと、今後のWindows 10について考えてみよう。
「21H1」のバージョン番号で開発が進められていたWindows 10の次期大型アップデート(機能アップデート)の正式名称が「May 2021 Update」となり、4月28日(米国時間)にいわゆる「RTM(Release To Manufacturing)」の状態になったことが報告された。
Windows Insider ProgramのRelease Previewにおいて「Seeker」状態にあるアカウントであれば、Windows Updateを経由して「May 2021 Update」に相当するバージョンへとアップデートできる。
「May 2021 Update」のRTMに相当するビルド番号は「Build 19043.928」となっており、現在ISOのイメージファイルとしてダウンロードできるのも同ビルド番号のものだ。
ただし、Beta ChannelならびにRelease Preview(Seeker Experience)に配布されているビルドは「Build 19043.964」とマイナーバージョンが若干上がっている。
一般向けの配信開始は5月中旬以降とみられるが、そのビルド番号も現在のBeta Channel向けのものからさらに上がったものになると考えられる。「October 2020 Update(20H2)」以前のユーザーはWindows Insider Program経由で強引にバージョンを上げてしまっても構わないが、21H1は後述のように目立つ変更点も少ないため、現状特に不満がないようであれば、Windows Updateで大型アップデートが自動的に利用できるように待つのが賢明だろう。
2021年のバージョンアップは停滞する
May 2020 Update(20H1)から3連続で続く「Servicing Technology」準拠のアップデートのため、May 2021 Updateへの移行はそれほど手間と時間をかけずに進むと考えられる。
これら3つのバージョンは1違いのビルドのメジャー番号(Build 19041~10943)を持っており、パッチが適用されるたびにマイナー番号が同時に上がり続ける流れになっている。前回を含め、何度かレポートしているように20H2と21H1の差分は下記のように非常に少ない。実際にはほとんど同一の中身であり、むしろ2021年秋にやってくる本命の「Sun Valley」アップデートとなる「21H2」に向けた準備運動に近い内容だ。
- Windows Helloにおけるマルチカメラのサポート。内蔵カメラとは別に外部カメラが接続された場合、外部カメラ側をデフォルトで使うカメラに設定する
- Windows Defender Application Guard(WDAG)のパフォーマンス改善。WDAG経由でOffice文書を開く際など、長時間待たされていた問題を改善
- Windows Management Instrumentation(WMI) Group Policy Service(GPSVC)のアップデートにおけるパフォーマンス改善。これはリモートワークを想定したもの
ただし、コロナ禍の影響もあるのか、それでも当該3バージョン間の移行スピードはそこまで早くない。恒例のAdDuplexの4月の最新データによれば、Windows 10のバージョン別シェアトップはMay 2020 Updateの49.6%で、それにOctober 2020 Updateが40.1%でほぼ並ぶ。前月比でNovember 2019 Updateのシェアが半分ほど減少しており、それがほぼそのままOctober 2020 Updateにスライドした形だ。
October 2020 Updateはリリース開始から半年が経過するが、いまだ最大シェアには達していない。近年、バージョン移行のペースはかなりスローダウンしており、Sun Valleyの21H2がかなり大規模なアップデートになることを考慮すれば、2021年を通してWindows 10のバージョンシェアはほぼOctober 2020 UpdateとMay 2020 Updateで占められることになるのではと予測する。
続いて、PCの出荷台数からMicrosoftのビジネス面を見ていこう。
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