2021年のWindows一大トピック「Sun Valley」の最新事情を検証する:Windowsフロントライン(1/2 ページ)
2021年のWindowsに関する重要トピック「Sun Valley」。最新のトピックをまとめた。
前回の本連載では、2021年のWindowsに関する2つの重要トピックのうち「Windows 10X」のアップデートについてリーク情報を元に紹介した。今回は2つめのトピックである「Sun Valley」に焦点を当てる。
「21H1」のアップデートで可能になること
Sun Valleyについて簡単に復習すると、2021年内にやってくる「WindowsのUI見直しプロジェクト」だ。詳細は以前の連載の解説を参照してほしいが、2021年後半にやってくるWindows 10の大型アップデート(機能アップデート)である「21H2」では、「Cobalt」と呼ばれるWindowsのコアにあたる部分のOSソフトウェアのバージョン(ブランチ)の提供が計画されており、それに合わせる形でUI部分の大幅なブラッシュアップが行われる。
このブラッシュアップ計画がSun Valleyであり、Cobaltを加えたWindows 10の大幅リフレッシュとなる。このプロジェクトと開発コード名の初出はWindows Centralのザック・ボーデン氏だが、2021年1月になってSun Valleyの痕跡を示すいくつかの情報が出回るようになり、その姿が垣間見えつつある。
まず前段階の話となるが、次の大型アップデートである21H1ではアップデート方法が少しだけ変化する。具体的には、大型アップデートにおいて発生する「UI改変」「機能追加」といった更新が、この大型アップデートとは非同期のタイミングでOSアップデートとして提供される。
それが以前の連載記事でも触れた「Windows Feature Experience Pack」と呼ばれるものだが、2020年11月30日にWindows Insider ProgramのBeta Channelで配信が行われたのに続き、2021年1月26日にも新たなWindows Feature Experience Packの配布がBeta Channelに対して行われている。
内容的には前回のFeature Experience Packにも含まれていた画面の切り抜きツールのアップデートだが、OSのビルド更新とは別に、このような追加アップデートを発生させて機能更新を行うこと自体に意味がある。
Windows Insider Programでは、常に最新機能が提供されるDev Channelに続く形で、次に配信が行われる大型アップデートの事前検証を行うためのBeta Channelが存在する。さらに、大型アップデートの配信が始まる直前のタイミングでより完成度の高いOSを実際に試すためのRelease Previewがある。
一連のWindows Feature Experience PackがDev Channelではなく、Beta Channelに立て続けに配信されていることが意味するのは、「21H1でWindows Feature Experience Packによる『OSとは独立した機能アップデート』が提供される」ということだろう。
明言こそしていないものの、ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏を含めてそう考えている人は少なくないようで、おそらく21H1における特徴の1つがこれなのだと考える。
なお、以前にも説明したようにWindows Feature Experience Packによるアップデート機構は既に「20H2」では搭載されているので、「配信タイミングが21H1の時期になる」と考えるのが正しいのかもしれない。
Windows 10の最新シェアを確認
そして恒例となるが、Windows 10のバージョン別シェアの最新データがAdDuplexから出ているので紹介しておく。前回のデータとの比較で、「October 2020 Update」こと20H2のシェアが13.6%から16.8%まで上昇している。
やや上昇カーブが鈍化している印象だが、おそらく20H2の今後の上昇ペースはほぼこの水準で一定するのかと考える。来月には20%を超え、次の大型アップデートである21H1の配信が始まる5〜6月くらいのタイミングには40%手前くらいの水準になるとすれば、ほぼ「1903」こと「May 2019 Update」以降のシェア推移に近くなる。
続いて、Sun ValleyによるWindowsシェルの変更点を見ていく。
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