Apple M1搭載iMacはStay Home時間を快適にする最強のアイテム(3/5 ページ)
待望のApple M1を搭載した24インチiMac(23.5型)が、いよいよ発売となる。液晶一体型デスクトップPCの立ち位置を、がらりと変える可能性を秘めた新モデルについて、林信行氏が試した。
シンプルさも原点回帰
背面に目を向けてみよう。
新型iMacの背面は、かなりスッキリしている。Thunderbolt/USB4対応の端子が2基あり、下位モデルはこれのみだ。筆者が試したのは上位モデルなので、その横に等間隔でUSB 3.1 Gen 2対応のUSB Type-C端子も2基加わっているが、それでも同じ形状の端子が4基整然と並んでいるだけだ。
これまでのiMacでは、他にUSB Type-A端子、SDXC対応のSDメモリーカードカードスロット、ヘッドフォンや有線LAN(ギガビットイーサネット)端子があった。だが、USB Type-Aとメモリーカードスロットは廃止となり(周辺機器で補えば良い)、ヘッドフォン端子は前述の通り側面に移動した。一方でギガビットイーサネットの端子はACアダプターに移っている。
端子類をバッサリと切り捨てるやり方も、1998年の初代iMacの衝撃を思い出させる。それまでデスクトップPCは端子の種類や数が多いほど良いとされてきた。しかし、iMacではあえてそれを減らし、製品の外観をエレガントにしつつ初心者の混乱をぬぐい去っていた。今回も同じである。
ちなみに、ACアダプターの採用はiMac始まって以来の大きな変更だ。これまでのiMacはコンセントから伸びた太い電源ケーブルを直接本体に差し込んでいた。確かにこの方が製品の構成としてはシンプルで美しい。しかし、デスクトップは一度セットアップしたら頻繁に動かすものではない。そう考えると、大きく熱くなりやすい電源部分を本体と分離したACアダプターにまとめて机の下に隠しておくというのは、非常に理にかなった変更に思える。
しかも、机の上では邪魔な太い有線LANケーブルも、このACアダプターと一緒に机の下に隠して置けるというのは何ともありがたい。インターネット利用が急増したStay Homeのライフスタイルでは、Web会議や動画再生を途切れさせないために高速な有線LANが改めて注目されている。
ある程度、技術の知識がある人なら、熱を発しにくいM1プロセッサ採用に加え、熱を発する電源を外付けにしたこと、内蔵ストレージでHDDを使うのをやめたことなどが、厚さ約11.5mmの薄い真っ平らな板という形状の実現に貢献していることを想像できるはずだ。
これらの変更はそのまま本体の軽量化にもつながっている。画面が一回り小さい2020年の21.5型モデルと比べても1Kg以上軽くなり、本体重量は4.5Kg弱だ。気分に合わせて部屋を移動させたり、天気が良ければ庭やバルコニーに持ち出したりして、といった使い方もできそうだ。
設置に必要な面積はスタンド部の約13(幅)×14.7(奥行き)cmで済む。何とCDケースをほんの1cm四方大きくしたサイズだ。バランスなのか材質なのか、このスタンドが非常によくできていて、本体を倒すことなく向きを変えたり、位置を変えたり机の上を自由自在に滑ってくれる。
ちなみにACアダプターのケーブルは独自の編み込み構造で、マグネットで本体の背面にピタッと張り付く(ちょっと引っ張っても抜ける心配はないほどしっかりと刺さる)。そしてこのケーブルの色がちゃんと本体とカラーコーディネートされているのだ。
いや、それだけではない。付属のキーボードやマウス、オプションのトラックパッド、さらにはこれらの充電に使うUSB-C→Lightningの充電ケーブルまでブルーモデルには青のケーブルが付属するなど徹底している。
だが、iMacのこだわり、ここまではほんの序の口だ。
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