4Kゲーミングにベターな選択肢! 「GeForce RTX 3080 Ti」の実力をチェック(4/4 ページ)
6月3日22時から販売が解禁される「GeForce RTX 3080 Ti」。その実力はいかほどだろうか。NVIDIAが自ら設計したグラフィックスカードを使ってテストしてみよう。
DXR対応タイトルではどう?
DXRを有効にした場合のパフォーマンスはどうだろうか。まず、3DMarkのDXRテスト「Port Royal」の結果を見てみよう。
結論をいってしまえば、今までのテストと同様にRTX 3080 Tiの優位は変わらない。スコアの開き方の傾向は、高負荷なゲームタイトルと似ている。RTX 3080に対しては9%ほど、RTX 2080 Tiに対しては30%ほどのスコアが良い。
RTを活用した場合でも、RTX 3080 Tiの優位は変わらないといえる。
DXRに対応するゲームを代表して、先ほどもテストしたCONTROLにおいてDXRを有効化した場合のフレームレートをチェックしてみよう。RTの設定を「高」とした他は、先のテストから設定を変えていない。
やはり、フルHDでのフレームレートは伸び悩むものの、WQHD以上の解像度ではRTX 3080 Tiの優位性が垣間見える。RTX 3080 TiならWQHD以上の解像度でも安定して高いパフォーマンスを発揮できる。
消費電力は明らかにRTX 3080より多い
最後に、システム全体の消費電力をチェックしよう。3DMarkのTime Spy Extremeを実行中の最高消費電力を「高負荷時」、PCの起動後10分間何もせず放置した状態後の消費電力を「アイドル時」としてワットチェッカーで計測した。
アイドル時の消費電力はいずれのGPUも55~56W前後である。高負荷時のピーク消費電力は、RTX 3080 Tiが482W、RTX 3080が431W、1世代前のRTX 2080 Tiの339Wという結果になった。RTX 3080 Tiはパフォーマンスを高めた分だけ電力消費が増えているということが分かりやすく示されている。
NVIDIAは、GeForce RTX 3080 Ti Founders Editionを使うシステムに750W以上の電源を使うことを推奨している。システム全体の安定稼働を図る上でも、GeForce RTX 3080 Tiを搭載するPCを組み立てる場合は750W以上の電源を用意したい。
4Kゲーミング環境を整えるならベターな選択肢
GeForce RTX 3080 Tiは、4Kゲーミングをターゲットにした、極めて高いパフォーマンスを備えるGPUだ。特に、WQHDや4Kといった高解像度環境ではRTX 3080よりもベターな選択肢である。
「え、GeForce RTX 3090は?」と思う人もいるだろう。確かに、RTX 3080 Tiといえども、RTX 3090よりもスペックは少し低い。しかし、用途をゲームに絞るとRTX 3090の24GBというグラフィックスメモリ容量は過剰である。価格差もそれなりに大きい。あくまでも「4Kゲーミング環境を整えたい」というのなら、RTX 3080 Tiの方が性能と価格のバランスに優れている。
Founders Editionを見る限り、カードのサイズも2スロット厚とかなりコンパクトに収まっており、極端な使い勝手の悪さは感じられない。「予算をしっかりつぎ込める」という前提条件はあるものの、リッチなゲーム環境を構築したいなら、RTX 3080 Tiは期待に違わぬ働きを見せてくれるだろう。
関連記事
NVIDIAがデスクトップ向け「GeForce RTX 3080 Ti」「GeForce RTX 3070 Ti」を発表 6月3日から順次発売
GeForce RTX 30シリーズに、初めて上位バージョンの「Ti」が登場する。GeForce RTX 3080 Tiは「新たなゲーミング向けフラグシップ」、GeForce RTX 3070 Tiは、「シリーズにおける一番の売れ筋のパワーアップ版」という位置付けだ。「GeForce RTX 3080 Ti」の国内想定価格は約17.6万円 「GeForce RTX 3070 Ti」は約9万円
NVIDIAが5月31日(米国太平洋時間)に発表した新型GPUを搭載するグラフィックスカードの国内発売日と想定価格が判明した。GeForce RTX 3080 Tiは17万5800円から、GeForce RTX 3070 Tiは8万9980円からで、米国発売日と同じ日付の22時から販売が開始される。Intelがデスクトップ向け「第11世代Coreプロセッサ」(Rocket Lake-S)を発表 クロック当たりの性能向上+AI処理を強化
「Rocket Lake」ことデスクトップ向けの第11世代Coreプロセッサのラインアップが発表された。モバイル向けの「Tiger Lake」に搭載された要素技術を反映することでパフォーマンスを向上したことが特徴だ。一方、Core i3とPentium Goldについては第10世代(開発コード名:Comet Lake)のまま据え置かれることになった。NVIDIAが「GeForce RTX 30シリーズ」を発表 8K DLSS対応の「GeForce RTX 3090」など3製品を順次投入
NVIDIAが、リアルタイムレイトレーシング対応GPUの新世代製品を発表した。先代の発売当初の価格をキープしつつ、性能を大幅に引き上げたことが特徴だ。NVIDIAがモバイル向け「GeForce RTX 3050 Laptopファミリー」を発表 搭載ノートPCは2021年夏に登場
NVIDIAが、ゲーミングやクリエイション用途のメインストリームノートPC向けGPUを発表した。GeForce GTX 1650シリーズの事実上の後継だが、上位モデルと同様にリアルタイムレイトレーシングやDLSS(AIベースの超解像技術)を利用できることが特徴だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.