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14型で再びの1kg切り! 盤石のIris Xe Graphicsで正統進化した「ZenBook 14」を試す(1/4 ページ)

ASUS JAPANから、14型のスタンダードモバイルPC「ZenBook 14 Ultralight UX435EAL」が発売された。1kgを切る軽量ボディーに長時間のバッテリー駆動時間、そして高い性能を備えた気になる1台をチェックした。

 6月30日、ASUS JAPANから14型ディスプレイを搭載したモバイルPC「ZenBook 14 Ultralight UX435EAL」(以下、ZenBook 14)が発表された。

ZenBook 14がTiger Lakeを搭載して生まれ変わる

 2020年に発売された「UX434」は、上位モデルではCPUに開発コード名「Comet Lake」の第10世代CPU、Core i7-10510U(4コア8スレッド、1.8GHz~4.9GHz)を搭載していたが、新モデルでは開発コード名「Tiger Lake」の第11世代CPUとなるCore i7-1165G7(4コア8スレッド、最大4.7GHz)またはCore i5-1135G7(4コア8スレッド、最大4.2GHz)を採用して性能を大きく底上げしている。

 さらに本体重量が約995gと1kgを切りながら、バッテリー駆動時間はJEITAバッテリー動作時間測定法Ver.2.0で約21.9時間(Core i5搭載モデルは約20.2時間)のバッテリーライフを実現しているのが見どころだ。以前の「ZenBook 13 UX331UAL」が13.3型で約985gであったことを考えると、液晶ディスプレイを一回り大きくしながらほぼ同じ軽量さを実現したことになる。

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 CPU別にそれぞれMicrosoft Office Home & Business 2019モデルとWPS Office Standard Editionモデルが用意されるが、ここではOffice付きCore i7搭載の上位モデル(UX435EAL-KC099TS)を評価した。


ASUS JAPANの14型モバイルPC「ZenBook 14 Ultralight UX435EAL」

 CPU性能の向上はもちろんだが、Tiger Lakeの一番のメリットは内蔵GPUが「Iris Xe Graphics」へとパワーアップしていることにある。一部のゲーミングPCにも採用されるなど、ライトなゲームを楽しめるのがウリだ。

 このため、従来のUX434に搭載されているGPUはGeForce MX250であったのに対し、UX435EALではIris Xe Graphicsを利用している。CPUとGPUともにパワフルになって新登場というわけだ。

 ちなみにこれまで同社としては、外部GPUとしてGeForce MXシリーズを内蔵したこともあるが、価格だけでなく本体の重量を増やす原因ともなるので、今回は搭載を見合わせたとのことだ。


パイングレーのボディーにASUSのロゴが配置される天面部分

1kg切りを果たしたボディーはMIL規格準拠

 では本体回りから見ていこう。14型ディスプレイの画面解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)で、特に色域の表記はないが、その発色はよい。狭額縁ベゼルが採用されており、上部は約6.1mm、左右は約2.6mm、下部は約3.3mmと細い。画面占有率は92%となり、画面が大きく感じる。

 ディスプレイ上部に約92万画素の赤外線(IR)カメラが内蔵されており、Zoomなどのビデオ会議に利用できる他、Windows Helloによる認証が可能だ。Windows Helloの顔認証では瞬時に認識されるので、PINやパスワード入力に比べてとても便利である。


14型の液晶ディスプレイはフルHD表示に対応する。額縁部分が狭いのが目を引く

 本体サイズは約319(幅)×201(奥行き)×14.9~15.6(高さ)mmと、いわゆるA4サイズでカバンにも入れやすい。また本体の重量は公称で約995g、実測では949gと1kgを切っている。これでZenBookシリーズの14型製品としては最軽量のモデルとなり、このためか製品名に「Ultralight」が付けられている。

 本体の重量が1kgを切るととても軽く、片手で持ち運んでもそれほど重さを感じない。ボディーの天面と底面にマグネシウムリチウム合金を採用したおかげで軽さと剛性を両立させ、米軍のMIL規格(MIL-STD-810H)に準拠したテストをクリアしている。


本体サイズにぴったりな専用の軽量スリーブケースが付属する

テンキー入力も兼ねるタッチパッド「NumberPad」を採用

 キーボードは86キー日本語キーボードで、キーピッチは実測で約19mm、キーストロークは約1.5mmだ。ノートPCとしては平均的なキーストロークだが、しっかりと押し込んで使えるため打ちやすい。なおキーボードはイルミネート対応なので、暗い場所でも打ちやすい。明るさは3段階に切り替えられ、オフにすることも可能だ。

 キートップのアルファベットや数字は大きく表示されていて見やすく、かな配列の印字もある。上部のファンクションキーは、デフォルトでは音量やバックライトの調整などが割り当てられているので、Fnキーを利用したい場合は左下の「Fn」キーを押しながら利用するか、Fn+Escでファンクションキー優先モードにして固定する必要がある。

 これまでのIntel CPU搭載ZenBookシリーズに共通する部分として、右上に電源ボタンが配置されている。つまりDeleteキーの右隣、BackSpaceキーの上にある関係で、間違って押してしまうことが多く不便だ。電源ボタンを押すと、デフォルトの設定ではスリープ機能が働くので、もう一度電源ボタンを押せばPCが起動してWindows Helloによる認証ですぐに復活する。毎回気になるところではあるが、慣れるまでは誤爆を避けられないだろう。


右上にある電源ボタンの配置を除けば特に不規則な配列もなく、Enterキーも大きく入力しやすいキーボードだ

 一方のタッチパッドだが、通常の動作に加え同社おなじみの「NumberPad」に対応する。タッチパッド右上のマークを1秒間押すと、テンキーが表示されて数字入力などが行えるようになる。テンキーがないノートPCのキーボードでは、Excelなどの数字入力で面倒になることが多いので、これはとても役に立つ。


NumberPadでテンキー入力が可能になる

 続いて、インタフェース回りを見ていこう。

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