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サブスク契約は必要? 映像の遅延は? バッテリーの持ちは?「Google Nest Cam」を使って分かったこと山口真弘のスマートスピーカー暮らし(1/3 ページ)

スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする連載。今回はGoogleの見守りカメラ「Google Nest Cam」を使い込んで分かったことをまとめよう。

 Googleのネットワークカメラ「Google Nest Cam」について、前回は外観およびギミックの特徴、さらにセットアップの手順を紹介した。今回は、実際に使って初めて分かる挙動を中心に、製品のポイントをチェックしていく。


「Google Nest Cam」。マグネットで金属扉に吸着させられる他、多彩な取り付け方法が用意されている

クラウド録画型でサブスク契約は実質必須。遅延は少なく高性能

 スマホから閲覧可能なネットワークカメラは、既に多数存在している。本製品はそれらと比較した場合に、どのような点が異なるのだろうか。いくつかの特徴をピックアップして見ていこう。


左から、本製品(スタンド装着済)、TP-Linkの「C200」、アトムテックの「ATOM Cam」。本製品はバッテリーを内蔵していることもあってボディーは大きめだ

 まず、ライブ映像に加えて、過去の録画データを参照できる機能は、基本的にどの製品も共通だ。最近は、過去の録画データを本体内にではなくクラウドに保存する製品が増えており、本製品もその1つだ。カメラの電源が落ちている場合はもちろん、外出先からであっても、参照できる利点がある。

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 クラウドにアップロードする録画データは、動きを検知した部分だけに限定される製品と、動きの有無を問わず全体をアップする製品とがあるが、本製品は前者に相当する。ほとんどの製品はこちらの仕組みを採用しており、録画内容にそれほど証拠能力が求められないホームユースであれば、特に問題はないだろう。


動体検知をオンにしておくと、スマホに通知が飛んでくる(左)。タップするとその録画データを最初から再生してくれる(中央)。もちろん、ライブ映像の表示も行える。遅延がほとんどないのは優秀だ(右)

過去の履歴はクラウドにアップロードされており、タップすることで参照できる(左)。動きや音などでフィルタリングすることも可能だ(中央)。アクティビティーのない時間帯のデータは保存されない仕様となる(右)

 ただし本製品は、無料で保存できる時間がわずか3時間と短い。それ以上の長い時間にわたって録画データを保存/閲覧するには、サブスクリプションプラン「Nest Aware」が必須になる。なるべく無料で済ませたいと考えているユーザーには厳しい仕様だ。もちろん、ライブ映像だけならば制限はないが、それならば本製品でなくてもよいだろう。


無料版のままでは、過去の履歴が保存できるのは3時間に限定される(左)。サブスクリプションプランの「Nest Aware」を契約すると1カ月の保存が可能になる(中央)。設定画面のトップページ(右)。ここを基点にさまざまな設定を行う

2つの有料プランが用意されている

 映像の閲覧において、他社製品と使い比べてすぐに分かるのは、ライブ映像で遅延がおそろしく少ないことだ。Wi-Fi環境はもちろん、モバイル回線経由でも遅延は1秒あるかないかだ。

 他社製品だと、同じネットワーク環境で十数秒待たされるのは珍しくないので、これは驚異的だ。USB接続のWebカメラといっても信じそうなレベルである。

 また映像の美しさも特筆モノだ。本製品は最大1080pのフルHD、また30fpsのフレームレートに対応しており、画質および動画のなめらかさともに高い水準にある。また「Google Nest Hub」からも高いクオリティーで閲覧できる。詳しくは後述する。

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