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ハイエンドSSDが新時代に! 176層/PCIe 4.0 x4の新製品2モデルを試す(1/4 ページ)

176層の3D TLC NANDフラッシュメモリを搭載した、PCI Express 4.0 x4対応SSDが続々と登場している。Crucialと日本シーゲートの最新モデルをチェックした。

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 SSDのメジャーブランドであるCrucialと日本シーゲート(Seagate)から、176層の3D NANDフラッシュメモリを搭載したPCI Express 4.0 x4対応SSDが相次いで発表された。Crucialの「P5 Plus」、日本シーゲートの「FireCuda 530」、どちらもPCI Express 4.0 x4対応SSDの中でも高性能なスペックを持ち、PCIe 4.0対応SSDも新たな段階に入ったことを感じさせる。実機を入手したので、そのパフォーマンスを検証しよう。


Crucialの「P5 Plus」(左)と日本シーゲートの「FireCuda 530」(右)のパッケージ

最速クラスの性能を持つ日本シーゲート「FireCuda 530」

 日本シーゲートといえば、ウエスタンデジタルとともにHDDの大手として知られるが、最近ではSSDのブランドとしても存在感を増してきている。

 その日本シーゲートから登場したFireCuda 530は、ゲーミング、クリエイティブ/プロフェッショナル向けのハイエンドSSDだ。SeagateとPhisonの共同開発によるPhison E18ベースのコントローラーと、Micron製176層3D TLC NANDフラッシュメモリを組み合わせて、シーケンシャルリードで最大毎秒7300MB、シーケンシャルライトは最大毎秒6900MBと、トップクラスの性能を実現している。また、3年間のデータ復旧サービス「Rescue Data Recovery Services」が付帯するのは、日本シーゲートのSSDならではの特典だ。

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 今回試用したのは2TBモデルだが、NANDフラッシュメモリは8チップ実装されていた。一般にチップが多いとコストや消費電力面では不利だが、並列アクセスがしやすくパフォーマンス面では有利だ。DRAMキャッシュも表裏それぞれに実装されており、処理内容にかかわらず高いパフォーマンスを得るために、こうした構造をとっていると思われる。


FireCuda 530のスペック。今回は2TBモデルを試用した

FireCuda 530は、演出やパッケージデザインにもこだわりが感じられる。ステッカーも付属しており、保証期間は5年間だ

コンシューマー向けらしいラベルデザインだ

こちらは裏面。チップは両面実装されている

Seagate用に最適化したPhison E18ベースのコントローラー(中央)を搭載している。隣のSk hynixのチップはDRAMで、表裏合わせて2GB(8Gb×2)備える

Micron製の最新176層3D TLC NANDフラッシュメモリを採用する。表裏合わせてNANDは8チップ構成だ

大手半導体直系ブランドのCrucial「P5 Plus」

 Crucialは、半導体大手Micron Technology直系のコンシューマー向けブランドだ。SSDの主要コンポーネントであるDRAM、NANDフラッシュメモリのベンダーとして有名だが、コントローラーの自社開発も行っている。自社製で統一することで、NANDフラッシュメモリの特性に合わせた最適化を迅速に行えるのが強みだ。

 P5 Plusは同社製品として、初のPCI Express 4.0 x4インタフェースを採用したハイエンドモデルである。シーケンシャルリードが毎秒6600MB、シーケンシャルライトは毎秒5000MBという公称のパフォーマンスはトップクラスに一歩譲るが、PCI Express 4.0 x4対応SSDが登場した頃の初期製品とは一線を画す性能を備えている。


P5 Plusのスペック。あまり詳しい仕様は公開されていない。今回は1TBモデルを試用した

P5 Plusのパッケージ。至ってシンプルな内容だ。保証期間は5年間となる

ラベルデザインもシンプルだ

裏面にはチップは実装されていない

Micron製コントローラーを搭載している

最新の176層3D NANDフラッシュメモリを採用する。DRAMキャッシュとしてLPDDR4 SDRAM(8Gb=1GB)を搭載している

 各製品の概要を把握したところで、実際のパフォーマンスはどうなのだろうか。

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