Appleが新型チップ「M1 Pro」「M1 Max」を発表 新型「MacBook Pro」に搭載
Appleが、ArmベースのSoC「Apple M1」をベースとするハイエンドSoCを新型MacBook Proに搭載する。主にCPUコア、GPUコアの追加やユニファイドメモリの増量が目立つが、プロ向けということで動画の処理能力も強化されている。
Appleは10月18日(米国太平洋夏時間)、新型チップ「M1 Pro」「M1 Max」を発表した。両プロセッサは「Apple M1」をベースとしており、10月26日に登場する新型の「MacBook Pro」に搭載されている。
M1 Proの概要
M1 Proは、ベースとなったM1チップと同様に、CPU、GPUやメインメモリなどコンピューターを構成する上で必要な複数のチップを1枚に統合した「SoC(System-On-a-Chip)」構成を取っている。プロセスサイズは5nmである。
CPU部分は最大10コア構成(高効率2コア+高性能8コア)で、GPU部分は最大16コア構成となっている。これにより、M1チップ比でCPUの処理パフォーマンスは最大で70%、描画パフォーマンスは最大で2倍向上しているという。機械学習処理を行う「Neural Engine」は構成を問わず16コアだ。
メモリはメインメモリとグラフィックスメモリを兼用する「ユニファイドメモリ」(LPDDR5規格)で、帯域幅は毎秒200GBとなる。容量は16GBか32GBから選択できる。
Apple Storeなどで購入できるMacBook ProのCTOモデルでは、CPUとGPUの構成を以下の中から選択できる。
- 8コアCPU(高効率2コア+高性能6コア)
- 14コアGPU
- 10コアCPU(高効率2コア+高性能8コア)
- 14コアGPU
- 16コアGPU
ハードウェアで動画のエンコードやデコードを行える「Media Engine」も統合しており、以下の形式に対応している。
- H.264
- HEVC
- ProRes
- ProRes RAW
外部ポートの入出力では、Thunderbolt 4(USB4)にも正式対応している。外部ディスプレイ出力は、最大で2台まで対応している。
M1 Maxの概要
M1 Maxは、M1 ProのGPUコアやメモリ帯域をさらに強化したもので、Windows PCにおけるハイエンドGPUと同等のグラフィックスパフォーマンスをより少ない電力で発揮できるという。ここでは、M1 Proチップとの違いを中心に紹介していく。
GPU部分は最大32コア構成となる。これにより、M1チップ比で描画パフォーマンスは最大で4倍高速となる。ユニファイドメモリの帯域幅は毎秒400GBと、M1 Proの2倍に引き上げられている。容量は32GBか64GBから選択可能だ。
Apple Storeなどで購入できるMacBook ProのCTOモデルでは、GPUの構成を以下の中から選択できる(CPUコアは10基のみ)。
- 24コア
- 32コア
Media EngineもM1 Proからさらに強化されており、同チップの最大2倍のスピードで動画のエンコードを行えるという。外部ディスプレイ出力は、最大で4台まで対応している。
Windows PCを上回るパフォーマンスをアピール
Appleによると、M1 Pro/M1 MaxのCPUパフォーマンスはCore i7-11800H(2.3GHz~4.6GHz、8コア16スレッド)を搭載する「8コアノートPC(MSI GP66 Leopard 11UG-018)」と比較して同じ電力において最大1.7倍のパフォーマンスを発揮するという。また、ピーク時の消費電力も同じPCと比べて最大で70%削減しているという。
また、M1 MaxのGPUは、GeForce RTX 3080 Laptopを搭載する「コンパクトなプロ仕様のノートPC(Razer Blade 15 Advanced Model)」と同等のパフォーマンスを最大40%少ない電力で発揮し、同じGPUを備える「ハイエンドなグラフィックスのノートPC(MSI GE76 Raider 11UH-053)」と比べてピーク時の消費電力を最大100W少なくできているという。
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