これを待っていた! 小型キーボードの決定版「Keychron K2」を試す(3/3 ページ)
Keychronが製造し、日本ではコペックジャパンが販売する「Keychron K2 ワイヤレス・メカニカルキーボード」は、いわゆる「60%キーボード」では省略されがちなファンクションキーや機能キーを省かず備えた「75%キーボード」だ。ともすると長期間に渡りそうな「修行」をすることなく快適に使える小型キーボードを探しているなら、最良の選択肢の1つとなりそうだ。
キーの数が多いことは正義である
K2の良い所は、やはりキーの数が多いことである。矢印キーやファンクションキーに加えて、DeleteキーやBackSpaceキーが独立して存在するので、Fnキーを使う必要がない。
筆者は日本語入力で「ATOK」を使っている。文字変換の時にF6~F9キーを多用するため、独立したファンクションキーのおかげで入力が非常に楽である。日本語キーボードで問題になりがちなスペースキーも大きめだ。恐らく、日本語入力の快適さを考慮に入れて配列を調整したのだと思う。
また、K2は有線モードなら「Nキーロールオーバー」に対応する。複数のキーを同時に押しても入力に支障は出ない。Bluetooth接続時はNキーロールオーバーに対応しないが、試しにFPSゲームの「Valorant」をプレイした限り、WASDキーでの操作は問題なく行えた。
遅延が気になるプロゲーマーであれば別だろうが、普通にプレイするのであればBluetooth接続でも問題なくゲームを楽しめそうだ。
K2にもデメリットはある。例えば、一部の機能キーの横に機能キーがあるので「誤爆」しやすい。例えば、BackSpaceキーの右にはPage Upキーが、Enterキーの右にはPage DownキーとHomeキーが並んでいる。BackSpaceキーやEnterキーを押したつもりが、さらに右側のキーを誤って押してしまう。一番右側の列にあるキーは、いっそのこと省略しても良かったと思うのだがどうだろうか?
また、先に少し触れたが↑キーがEndキーとのコンビネーションになっているのも弱点といえる。他の方向キーは単独で操作できるのに対して、↑キーはFnキーを押しながらEndキーを押さないといけない。なぜ↑キーだけコンビネーション操作になってしまうのか不思議である。
あと、若干細かい所だが、ゲーミングキーボードの多くが備える「Windowsキーロック(Windowsキーの無効化)」も備えていない。そのため、設定をカスタマイズしないとWindowsキーの「誤爆」も発生する可能性がある。
ただし、このようなキー配列にまつわる不満はキーアサインを変更するユーティリティーソフトウェアを使えばある程度解消できる。現時点では純正ソフトウェアは用意されておらず、Windowsであれば「SharpKeys」、Mac(macOS)であれば「Karabiner」の利用が推奨されている。
仕事柄、筆者はPrintScreenキーをよく使う。そこで↑キーは右Shiftキーに、PrintScreenキーはEndキーに割り当て直した。K2の右Shiftキーは↓キーと←キーの上にあるので、かなり快適に操作できるようになった。しかしSharpKeysではキーの機能を“削除”(無効化)するカスタマイズはできないので、Page Upキーの誤爆はいまだに続いている。
なお、キーマップのカスタマイズ機能については、独自アプリを用意中とのことである。
総体的に見れば最高のキーボード
現時点において不便な点はいくつかあるものの、K2はコンパクトなサイズに必要十分なキーが用意されており、小型ながらも使いやすいキーボードを求めている人にはピッタリな製品だといえる。60%キーボードでは避けられない「修行」はほぼ必要なく、特に悩むことなく使えるのが何よりも強みである。物理的な難点として、右端に縦に並んだキー群があるものの、ここは「慣れ」でどうにかできるレベルだろう。
こうしたネガティブな要素を加味したとしても、これまで触ってきたコンパクトキーボードの中においてK2は打ちやすく、とても気に入った製品の1つである。省スペースで快適に使えるキーボードを探しているのなら、K2を選択肢の1つに入れてほしいと思う。
関連記事
コペックジャパン「Keychron K2 ワイヤレス・メカニカルキーボード」を発売
コペックジャパンは、「Keychron(キークロン)K2 ワイヤレス・メカニカルキーボード」(以下、Keychron K2)を発売した。“Fnキー修行”の必要なし! カーソルキーのある60%キーボード「Cooler Master SK622」を試す
最近ゲーミングキーボードで流行している「60%レイアウト」はコンパクトなことがメリットだが、方向キーがFnキーとのコンビネーションとなることが多く、どうしても慣れないという人もいるだろう。そんな中、Cooler Masterが発売した60%キーボード「SK622」は、独立した方向キーを備えている。早速試してみよう。机回りの省スペース化に「60%キーボード」はいかが? Corsairのゲーミングキーボード「K65 RGB MINI」を試す
最近、ゲーミングキーボードにおいてシステムキーを大胆に削減して省スペース化を図った「60%キーボード」がブームとなっている。その1つであるCorsairの「K65 RGB MINI」は、日本語配列モデルも用意しており、より多くのユーザーにピッタリそうに見える。その実態を使ってみてレビューする。【加筆/修正】使いこなせる? 60%キーボードの初心者が「Razer Huntsman Mini」をひと月使ってみた
机上のスペースが足りない時に欲しくなるのが、コンパクトなキーボードだ。一部のキーを大胆に省略した、いわゆる「60%キーボード」はスペースを節約できるものの、その特性から人を選びがちである。果たして使いこなすことができるのか、「Razer Huntsman Mini」を通して検証してみよう。【訂正】コペックジャパン、ミニマルデザインを採用したKeychron製ワイヤレスメカニカルキーボード「K1」の取り扱いを開始
コペックジャパンは、Keychron製メカニカルキーボード「Keychron K1」の取り扱いを発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.