Windows 11のシェアは8.6%に 2022年に向けた改良の動き:Windowsフロントライン(1/2 ページ)
Windows 11が正式にリリースされてから2カ月近くが経過した。この間のシェア推移はどうなっているのか、Windows 11と10の状況を見ていく。
毎月恒例となるが、AdDuplexの最新データが公開されている。Windows 10のバージョン別シェアに“Windows 11”が登場してからにわかに“活気”づいたこの月例報告だが、「AdDuplex Report for November 2021」によれば、前回の10月末の集計時点で4.8%だったWindows 11のシェアは、11月末時点で8.6%まで上昇している。
筆者的には、年内の12月末時点で10%を少し超える程度だと考えていたので、やや早いペースで推移しているように思える。
Windows 11のシェア拡大は想定よりも若干早いペース
Windows 11がローリングアップデート方式を採用していることは過去の連載でも触れてきたが、基本的に最新ハードウェアのデバイスを中心に配信が開始されており、メーカー製を含む旧デバイスの一部ではまだ配信が始まっていない可能性がある。
ところが2021年11月16日(米国時間)にMicrosoftがWindows 10の「November 2021 Update(21H2)」の一般向け配信を開始したことを告げるBlog記事において、次のようなメッセージを出している。
つまり、問題も少なく、ユーザーの反応も悪くないので、当初の想定よりもWindows 11の提供範囲を拡大し、展開のスピードアップを図るというものだ。
Today, based on the positive rollout update experience and user feedback we have seen to date, we are advancing the pace of the rollout faster than we previously anticipated, and are now making the Windows 11 upgrade more broadly available to eligible Windows 10 devices.
Windows 11のシェアについて驚いたことの2点は、「思ったほどユーザーの拒否反応がないこと」「(TPM 2.0搭載や対応プロセッサの世代などであれだけ騒がれながら)Windows 11 Readyのデバイスを所持するユーザーが多いこと」にある。
もちろん、タスクバーのセンタリングやマルチディスプレイがらみの処理、既存アプリケーションの挙動の問題などから、Windows 10の方がいいと考えるユーザーもいるだろう。一方で、Windows Insider Programにおけるベータテストの段階から既に1%近いシェアがあり、一般提供後は毎月3~4%のペースでシェアが伸びるなど、特に不満のないユーザーは積極的にWindows 11への移行を進めていると見受けられる。
また、移行できるということは最新のハードウェアを所持して要件を満たしているというわけで、Microsoftが用意したセキュリティなどを理由とする“足切り”策はある程度プラスに働いているのだと判断している。
ただ、以前にも触れたように、2022年春時点で20%台、その後、年を通して3~4割の水準に落ち着くという予測は現在も変化はない。理由としては、アップグレード可能な層はその時点で既に一巡しており、企業ユーザーを中心にWindows 10にとどまる層が一定数存在するためだ。
加えて、ハードウェアの構成要件からPCの買い換えサイクルをもってメインマシンのWindows 11への乗り換えを考えている層もいると思われ(筆者がそう)、2025年1月のWindows 10の10年サポートサイクルが終了するまでに、Windows 11のシェアは6~7割程度に達すると考えられる。サポート終了に至っても3~4割程度の旧バージョンユーザーが残るというのは過去にも繰り返されてきた話だ。
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