Windows 11のシェア推移とアプリストア環境の行方:Windowsフロントライン(1/2 ページ)
Windows 11が正式にリリースされてから1カ月が経過した。この間のシェア推移はどうなっているのか、Windows関連の話題を追った。
まずは月末恒例となる、“復活”したAdDuplexのWindowsのバージョン別シェア集計だ。最新の「AdDuplex Report for October 2021」によれば、2021年10月末時点でのWindows 11のシェアは4.8%で、5%近い水準に達した。前回の9月末時点の集計が1.3%なので、これまでWindows Insider Programの参加者に限られていたシェアが、正式配信を受け一気に増大したことになる。
とはいえ、Windows 11は「移行しても問題ない」と判断されたPCから順番にアップデートが配信されるローリングアップデート方式を採用しており、対応PCを持つユーザーでも現時点で必ずしも入手できているわけではない。Microsoftによれば順次対象マシンを増やしており、おそらく11月に入った段階で一気に通知を受け取ったユーザーが増えた可能性があるものの、まだ広範囲への展開には時間がかかりそうだ。
Windows 11ではハードウェア要件が一気に強化されたため、手持ちマシンが移行できずにいるユーザーが筆者を含めてそれなりにいるかと考えているが、過去のデータを比較する限り、Windows内のバージョン別シェアの上昇カーブはWindows 10のOctober 2020 Update(20H2)のそれに近い。
2022年春過ぎくらいには20%台で推移していると予想され、当初同社がターゲットとしていた「2022年夏までに対応マシンへの配信準備を完了する」状態を経てさらにシェアが拡大するだろう。どこまでシェアが拡大するかについては「ユーザーの対応PC保持状況と移行意向」次第だが、当面はおおよそ3〜4割の水準に落ち着くとみている。
理由としてはコンシューマーを中心に移行が進む反面、企業ユーザーはまだしばらくWindows 10にとどまるケースが多く、Microsoft自身も企業内でのWindows 10とWindows 11の混在環境を推奨しており、Windows 10のサポートの続く今後2年ほどは両者のシェアが逆転する可能性が低いとみているからだ。
なお、今回はWindows 11が増加したぶんだけWindows 10における他のバージョンのシェアが減少している。ただし、現在の主力であるMay 2021 Update(21H1)と20H2の割合はほとんど変化していない。理由の1つとしては、Windows 10の次の大型アップデート(機能アップデート)である「November 2021 Update(21H2)」の配信がAdDuplexの集計時点で開始されておらず、ユーザーの動きがまだ活発ではないためとみられる。シェアの変動が始まるのは12月以降となりそうだ。
「Online Service Experience Packs」とは何か
Microsoftは10月27日(米国時間)に、Windows 11 Insider Previewの「Build 22489」をWindows Insider ProgramのDev Channelユーザーに配信しているが、ここではいくつかの新機能追加が行われている。
そこで触れられているものの1つが「Online Service Experience Packs」で、Windows 10で以前より機能実装が行われていた「Windows Feature Experience Packs」とは別枠のアップデート機構として取り扱われている。
説明によれば、Windows Feature Experience Packsは通常のWindowsの大型アップデート(機能アップデート)とは別枠で、Windowsの複数の広範な機能アップデートを提供するのに対し、Online Service Experience Packsはあくまで特定の機能強化をターゲットにしているという。
同社によれば、Build 22489でOnline Service Experience Packsによって追加された機能の1つが、設定アプリから直接Microsoft Acountの各種ステータスを確認できる仕組みで、いちいちブラウザのログイン動作などの遷移なしで直接情報が参照可能だ。ただし、現時点で全てのDev Channelユーザーに機能が開放されているわけではないようで、しばらくはテスト運用を経て範囲を拡大していくものと思われる。
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