正式リリース前のWindows 11事情まとめ:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
10月5日に一般リリースされるWindows 11だが、最低動作要件を満たさないPCはどうなるのか、今後どのくらいのペースで増加していくのか、現時点で見えていることをまとめた。
Windows 11ユーザーは今後どれくらいのペースで増加する?
ローリングアップデートとハードウェアを供給するOEM側の事情などにより、Windows 11の初期のシェアは非常に限られた水準に留まるというのが筆者の予想だ。過去のWindows 10の大型アップデート(機能アップデート)のバージョン別推移を見ても、2022年前半時点で1〜2割程度の水準に収まると見ている。
自社の広告ネットワークを介してWindows 10のバージョン別シェアを集計するおなじみのAdDuplexだが、ここ半年ほどは毎月行っていた集計が不定期になっており、細かい推移が確認できなくなっている。前回は2021年7月末日での集計結果で、そこでの衝撃はWindows Insider Program参加者にInsider Previewが公開された直後のWindows 11が「0.9%」のシェアを獲得していたことだった。
8月の集計結果はスキップされ、今回9月末のデータが公開されたわけだが、最新のWindows 11(Insider Preview)のシェアは「1.3%」となった。これが多いか少ないかでみれば、「Insider Previewでもとにかく最新のものに飛びつくユーザーが全体の1%程度は存在する」というところで、想像の範囲で妥当な水準だろう。
逆に、能動的にWindows 11に“上げる”ユーザーがそれほど多くないことも暗示しているともいえ、「2022年前半時点で多くて1〜2割」という予想を補強するものと考えている。
このバージョン別シェアでのもう1つの注目は、「21H1」こと「May 2021 Update」のシェアが前回の26.6%から2カ月間で38.1%まで増加したことで、そのぶんを「2004(20H1)」の「May 2020 Update」からシェアを奪った形となった。
Microsoftでは「21H2」のリリース以後のWindows 10について言及していないが、このバージョンはメンテナンスモードに入る直前の安定版リリースに近い位置付けであり、1年後には「21H1」「21H2」を合わせてWindows 10/11のバージョン別シェアで7割程度のシェアを占めると予想する。
残りをWindows 11とWindows 10の旧バージョンが半々で分け合う水準になり、Windows 11が10のシェアを抜くにはまだ2〜3年ほどの期間が必要になるだろう。その意味で、Windows 10はまだしばらくメインストリームの地位に収まるのではないかと思う。
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