「Windows 10 バージョン21H2」(November 2021 Update)の配信がスタート 今後の機能アップデートは「1年に1回」に
Windows 10の最新機能アップデートの配信が始まった。Windows Updateでの順次配信の他、更新アシスタントを使った更新やメディア作成ツールで作ったインストールメディアからの更新も可能だ。
Microsoftは11月16日(米国太平洋時間)、Windows 10の機能アップデート「Windows 10 バージョン21H2」(November 2021 Update)の製品版を公開した。Windows Updateによるロールアウト配信による更新の他、「更新アシスタント」を使った更新、「メディア作成ツール」で作成したインストールメディアからの更新も可能だ。
Windows 10 バージョン21H2の概要
Windows 10 バージョン21H2は、システム要件を満たさないなどの理由から「Windows 11」へのアップグレードが難しいユーザーを主な対象とした機能アップデートだ。以下の通り新機能も盛り込まれている。
- Wi-Fi(無線LAN)のセキュリティとして「WPA3 H2E(Hash-to-Element)」をサポート(対応する無線LANアダプターとデバイスドライバーが必要)
- 「Windows Hello for Business」を迅速に展開する機能
- 「Windows Subsystem for Linux(WSL)」と「Azure IoT Edge for Linux on Windows(EFLOW)」におけるGPU演算のサポート
機能アップデートは「1年に1回」に
Windows 11では、新機能の搭載を始めとする大規模な更新を行う「機能アップデート」を1年に1回提供する計画となっている。
それに合わせて、Windows 10もバージョン21H2以降は機能アップデートの頻度が1年に1回に変更される。ただし、長期サービスチャンネル(LTSC)向けエディションはその限りではない。
Windows 10 LTSCも新バージョンに
Windows 10 バージョン21H2のリリースに合わせて、LTSC向けの「Windows 10 Enterprise LTSC 2021」「Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021」もリリースされた。前者は5年間、後者は10年間の長期サポートが提供される。
既にWindows 10が稼働しているデバイスへの適用方法
既にWindows 10が稼働しているデバイスをバージョン21H2にアップデートする方法は3つある。ただし、いずれの方法もWindows 10を「バージョン2004(May 2020 Update)」以降にアップデートしておく必要がある。
Windows Updateからの適用(順次)
Windows Updateから適用する場合は、以下の手順で行う。
- 「設定」を開く
- 「更新とセキュリティ」をクリック
- 「Windows Update」を開く
- 「更新を確認」をクリック
バージョン21H2を適用できると判断された場合は、ウィンドウにその旨が表示される。その表示領域にある「ダウンロードしてインストール」をクリックすればアップデートが始まる。
ただし、当該のデバイスがWindows 11の動作要件も満たしている場合は、Windows 11へのアップグレードの通知も表示されることがある(参考記事)。どちらを適用するかは、ユーザーの判断に委ねられる。
更新アシスタントからの適用
Windows Updateが通知するのを待てない場合は、更新アシスタントから適用できる。更新アシスタントは、Windows 10のダウンロードサイトの「今すぐアップデート」をクリックするとダウンロード可能だ。
ただし、利用中の環境において致命的な既知の問題が報告されている場合、バージョンアップがブロックされることがあるので注意しよう。
インストールメディアからの適用
Windows Updateからの通知が来ない場合は、バージョン21H2のインストールメディアから適用することもできる。メディア内の「setup.exe」を実行しよう。
インストールメディアはUSBドライブ(USBメモリ)またはDVDメディア(ISO形式)を使って作成できる。Windowsが稼働している環境では、Windows 10のダウンロードサイトの「ツールを今すぐダウンロード」をクリックすると「インストールメディア作成ツール」をダウンロードできる。このツールを使ってインストールメディアを作ろう。
Windowsが稼働していない環境では、同じサイトからインストールメディアのイメージファイル(ISO形式)をダウンロードできる。
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