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ついに始まった「Wi-Fi 6E」 既存の対応機器で有効化するのは難しい? 総務省に確認して分かったこと(1/2 ページ)

日本でも解禁された「Wi-Fi 6E」だが、解禁日(9月2日)より前に登場した「Wi-Fi 6Eレディ」な機器においてWi-Fi 6Eを利用するには超えなければならない“ハードル”がある。総務省への確認を踏まえて、かいつまんで解説していく。【更新】

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 既報の通り、日本国内でも9月2日から6GHz帯の無線LANを利用できるようになった。同日以降に認証を取得した6GHz帯に対応する無線LAN機器では、同帯域で“合法的に”通信を行える。

 一方で、同日以前に認証を取得した無線LAN機器は、ハードウェア的に対応していても、国内において6GHz帯で通信できないようになっている。果たして、既存の6GHz帯対応機器で6GHz帯を利用できるようになるのだろうか……?

【更新:9月18日11時45分】「ThinkPad X13 Gen 3(Intelモデル)」を参考に、必要となる手続きについて解説する記述を追記しました(写真の差し替えと追加も合わせて実施しています)

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筆者が最近購入した「ThinkPad X13 Gen 3(Intelモデル)」。Wi-Fi 6E対応を当て込んで購入したのだが……

9月2日以前の「Wi-Fi 6Eデバイス」は国内利用できない対策を実施

 9月2日から無線LANで利用できるようになったのは、6GHz帯のうち5925~6425MHz(500MHz幅)である。国内でこの帯域の無線LAN(Wi-Fi 6E)を利用するには、同日以降に電波法に基づく認証(※1)を取得する必要がある。

 当然のことではあるが、無線LAN機器が9月1日以前に認証を取得した場合、そこに6GHz帯の通信に関する認証は含まれていない。そのため、ハードウェア的には6GHz帯で通信できる機能を備えているとしても、何らかの方法(※2)で国内では6GHz帯の通信を抑止する措置が講じられている。

 Wi-Fi 6Eに対応しているはずのデバイスで6GHz帯の電波を検出できない事例は、以前の記事でも紹介している。

(※1)「技術基準適合証明」「工事設計認証」「技術基準適合自己確認」のいずれか。これらと電気通信事業法に基づく「技術基準適合認定」「設計認証」「技術基準適合自己確認」を総合して、一般的には「技適など」と呼ばれることが多い
(※2)スマートフォンでは、モバイル通信の基地局情報とGPS情報を使って判定している事例がある


先に紹介したThinkPad X13 Gen 3(Intelモデル)は、ハードウェア的にはWi-Fi 6Eに対応しているにも関わらず、画像のように日本国内では6GHz帯のアクセスポイントを検出できない(AirPort-Aは5GHz帯、AirPort-Gは2.4GHz帯のアクセスポイント)

バッファローのWi-Fi 6Eルーター「WNR-5400XE6」の「技適など」の表記。電波法に基づく認証は「R」の記号が付く数字、電気通信事業法に基づく認証は「T」の記号が付く英数字で表される。なお、電波法に基づく認証は総務省のWebサイトで内容を検索できるようになっているが、データベースへの反映に時間を要することもあるので注意したい(発売から1年近くたって検索できるようになった事例もある)
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