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ワコムが26.9型の液晶ペンタブレットの新モデル「Wacom Cintiq Pro 27」を発表 税込み48万1800円(2/2 ページ)

ワコムが26.9型の液晶ペンタブレット「Wacom Cintiq Pro 27」を発表した。プロの声を集約して反映させた新モデルは、10月12日から発売される予定だ。

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スタジオコロリドの石田監督も興味津々

 実際に利用していると、気になるのがボディーの発熱だ。Wacom Cintiq Pro 27での詳細は明らかにされなかったが、大きめのファンを内蔵し、底面から給気して天面部分で排気しており、手が触れる部分の発熱は抑えられているという。


Wacom Cintiq Pro 27 Standを取り付けて手前側を持ち上げたところ。4つの細長いスリットから給気する

排気は天面部分のスリットから行う

付属のペントレイを取り外したところ。ペンを設置するトレイ内に替え芯やバランスウエイトを収納できる

 発表会では、ワコム代表取締役社長 兼 CEOの井出信孝氏が登壇し、「当社は道具屋であり、クリエイターのみなさんの筆を絶対に止めないし、筆が走る体験をしていただき、“ワォ”といっていただくのが使命だ」と説明した。

 このWacom Cintiq Pro 27を作り出す過程で、社内を横断する組織「チームETC」(Extended CORE Team)をさまざまな部門から集めて結成。これまで偏りがちだった考えや意見をいったんリセットして、ユーザーからの声や課題ポイントを整理し、新製品に反映させたという。

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 同時に高リフレッシュレート化で発生したノイズ対策や、色味の調整などでも外部パートナーと共同で開発を進めたとのことだ。


ワコム代表取締役社長 兼 CEOの井出信孝氏

 続いてスタジオコロリドのアニメーション監督である石田祐康氏も登壇し、事前に貸し出されたWacom Cintiq Pro 27に触れ、普段から利用している従来モデル「Wacom Cintiq Pro 24」との違いなどに触れた。

 「やはり新しいWacom Pro Pen 3で細くなったペン先がいいし、ペン自体をカスタマイズできるようになり、一番細くて軽い状態で使っている。まるで鉛筆みたいに最高で、アニメーターのためのペンと思っている」と語った。

 加えて「ディスプレイの発色が良くなったし、リフレッシュレートが120Hzになり、ペン先の追従性がアップしたのはありがたい。また、なめらかな書き心地もポイントだ」と新モデルの特徴に触れた。

 「Wacom Cintiq Pro 27は、大人数のスタジオやアニメーターで一挙に複数台導入するのもありだが、むしろイラストレーターや漫画家といった個人事業主、少数精鋭でやっているチームへの導入、あるいは買い換えに適しているのではないか」とし、「次はもっと小型なモデルがでたらいいなと思っている」と期待を述べた。


スタジオコロリド アニメーション監督の石田祐康氏

NETFLIXや劇場で公開中の「雨を告げる漂流団地」のキービジュアル第3弾のデータに触れながら、新モデルのトピックを解説した

発表会場で製作を行う石田監督。キーボードスタンドはこれまで自作していたが、純正品が用意されて助かるとのこと

別売のアームを利用しているところ

短時間で描ききった石田監督のイラスト
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