「Wacom Cintiq Pro 16(2021)」は実際どうなの? プロ絵師がワコムの新型4K液タブをガチレビュー(1/5 ページ)
ワコムが「Wacom Cintiq Pro 16(2021)」を発表した。従来モデルから4年半と、同社としては短いスパンでの投入となった新型を、人気プロイラストレーターのrefeia氏がガッツリとチェック!
Cintiq Pro 16“第一世代”、始まります……。
はじめに
というわけで、こんにちは!
イラストレーターのrefeiaです。今回はワコムから発売された「Cintiq Pro 16」2021年モデルを見ていこうと思います。同社の製品更新スパンとしては比較的短い4年半での更新です。
今回の記事は間違い探しみたいになりそうな予感がありますが、先代は自分が制作のメインに据えてきた機材でもあるので、細かい使い勝手までチェックできると思います。ではよろしくお願いします!
新型の概要をチェック
最初に新型の主な変更点について、さっとチェックしておきましょう。具体的には、以下の通りです。
- HDMIポートと電源ポートを採用
- 表面のタッチキーの廃止
- 背面にエクスプレスキーを追加
- 熱とファンノイズの軽減
- VESAマウント採用と新設計の別売スタンド
接続仕様と熱/ファンノイズは不満が多かったポイントなので、なかなか期待できる更新内容ですね。
その前に、旧型Cintiq Pro 16についてもお話しておくべきでしょう。
旧型「Cintiq Pro 16」について
旧型Cintiq Pro 16は2017年に発売された、(MobileStudio Proのような一体型PCを除いては)ワコム初の4K対応液タブです。当時としては珍しい、15.6型の4K(3840×2160ピクセル)という超高密度の画面と、PCと接続するポートがUSB Type-Cしかないというとがった仕様が話題を呼びました。
一方で、発売当時はまだUSB Type-Cでディスプレイ出力するのは一般的ではありません。ほとんどの環境で、WQHD(2560×1440ピクセル)までしか対応しない付属のアダプター(ワコムリンク)を介してPCに接続せざるを得ず、「表示できない4Kの意味とは……」のような恨み節が聞こえたり、“気難しい機種”というイメージが定着していきました。
近年は、ノートPCを中心にUSB Type-C経由でディスプレイ出力できるデバイスも増え、4K対応になった「ワコムリンクプラス」も発売され、「良いけど何か煩雑だな……」ぐらいの印象で落ち着いていたと思います。
さて、旧型の弱点を挙げると以下のようになります。
- 接続の難しさ/煩雑さ
- 故障のしやすさ(延べ3台を所有しましたが、全て1回以上、具合が悪くなりました)
- 発熱とファンノイズ、長期使用でのファン音の悪化
- 大きめの表示遅延
- 広色域の制作に対応しづらいディスプレイ性能
旧型は正直問題だらけの機種でしたが、使い続けてきたのは気に入っていたからで、悪い機種と言いたいわけではないことは念押しさせてください。ただし、人と話すときは、責任を取りたくないので難しい事態になりづらい「Cintiq Pro 24」を推していました。
そしてネタバレですが、故障率は評価できないとして、問題のほとんどが解決しているものの、接続仕様については納得いかないという結論になります。以下で詳しくお話しますね。
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