なぜ「iPhone 14 mini」がなくなって「iPhone 14 Plus」が出たのか 実機を触って分かったこと:本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/3 ページ)
他のiPhone 14ファミリーから遅れること2週間、まもなく「iPhone 14 Plus」が発売される。iPhone 12ファミリーから登場した「mini」ではなく、大画面の「Plus」が登場したのはなぜなのだろうか。実機を使いつつ考察してみた。
iPhone 14 Plusの強みは「軽くて大画面」
Androidスマートフォンに多く触れていると、エントリーからハイエンドまで、大画面モデルが主流になったように思えてくる。しかし、ここ最近のiPhoneで大画面を求めるならば、6.7型ディスプレイを搭載する「Pro Max」しか選択肢がなかった。アフォーダブル(手頃さ)を重視するなら6.1型の非Proモデルが最大サイズで、「大画面がいいけれど、そこまでハイスペックじゃなくてもいいよ」という人の受け皿に乏しい状況だったのだ。
それが2022年の新モデルでは、非ProもProも6.1型と6.7型の2本立てとなり、ノッチの扱いやピーク輝度などの違いはあるものの、大画面でも手頃な価格という新たな選択肢が用意された。
この点を踏まえて使い比べてみると、ディスプレイ中心で考えた場合のiPhone 14 Plusの体験は、iPhone 14 Pro Maxとそれほど大きく変わらない。それでいて、価格は手頃でバッテリー容量も大きく、重量も(Pro Max比で)軽いとなれば、多くの場面でコストパフォーマンスに優れた選択肢であることが分かってくる。
価格的な位置付けを確認すると、iPhone 14 Plusは税込み13万4800円からで、iPhone 14 Proと比べると1万5000円安い。同じ画面サイズのiPhone 14 Pro Maxと比べると3万円の差がある。
たくさんアプリや音楽/動画をローカル保存するなら「価格差をストレージ容量に充てる」という考え方もできる。iPhone 14 PlusとiPhone 14 Pro MaxのApple Storeでの価格差を簡単にまとめると、以下の通りになる。
- 128GBモデル
- iPhone 14 Plus:13万4800円
- iPhone 14 Pro Max:16万4800円
- 256GBモデル
- iPhone 14 Plus:14万9800円
- iPhone 14 Pro Max:17万9800円
- 512GBモデル
- iPhone 14 Plus:17万9800円
- iPhone 14 Pro Max:20万9800円
iPhone 14 Pro Maxの128GBモデルを基準に考えると、「iPhone 14 Plusの256GBモデルにすれば1万5000円のお釣りがもらえる」し、「1万5000円を足せばiPhone 14 Plusのマシマシ(512GBモデル)を買える」のである。内蔵ストレージを増設するすべのないiPhoneにおいて、その容量を重視するならiPhone 14 Plusは良い選択肢なのだ。
重量に目を向けてみると、iPhone 14 Pro Maxが約240g、iPhone 14 Proが約206gなのに対して、iPhone 14 Plusは約203gである。実はiPhone 14 Proシリーズよりも軽量なのである。実際に手にしてみるとその差は想像以上で、大画面で軽いというのはそれだけで大きなメリットである。
ただし、iPhone 14 Plusのディスプレイは120Hzの高リフレッシュレート表示や常時表示(Always On Display)には対応していない。ディスプレイの要素の中でもWebサイトやゲームの表示のスムーズさを重視する人にとっては見逃せないデメリットではある。また、公称のバッテリー駆動時間はiPhone 14 Proよりも長めではあるものの、iPhone 14 Pro Maxより少し短い。
ともあれ、実際に使い比べるとiPhone 14 Pro MaxとiPhone 14 Plusのバッテリー駆動時間は遜色ない。「軽くて大画面でバッテリーも持つ」iPhone 14 Plusは、ぜひ実機を手に取ってチェックしてみてほしい。
iPhone 14 Plusの公称バッテリー駆動時間は、iPhone 14 Proより長くてiPhone 14 Pro Maxより少し短い。実際に使ってみると、iPhone 14 PlusとiPhone 14 Proの駆動時間に大きな差はない
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