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これから買うなら3090 Tiよりも「GeForce RTX 4080」 そのワケを探る(1/3 ページ)

NVIDIAの新型GPU「GeForce RTX 4080」を搭載するグラフィックスカードの販売が11月16日に解禁される。最上位の「GeForce RTX 4090」や先代の最上位「GeForce RTX 3090 Ti」と比べてパフォーマンスはどうなのか、発売に先駆けてチェックしていこう。

 10月に発表されたNVIDIAの新世代GPU「GeForce RTX 40シリーズ」。その最上位モデルとなる「GeForce RTX 4090」を搭載するグラフィックスカードは既に発売されており、その“異次元”ともいえる性能は、ITmedia PC USERでもお伝えした通りである。

 ただし、GeForce RTX 4090を搭載するグラフィックスカードは、税込みの実売価格が安価なものでも30万円弱となる。「性能が良くても、値段が……」と思っている人も少なくないだろう。

 そこで注目したいのが、1つ下位の「GeForce RTX 4080」を搭載するグラフィックスカードだ。発表当初、GeForce RTX 4080は「12GB版」と「16GB版」の2バージョンを発売するとされていたが、プロモーション上の都合もあり12GB版の発売は見送られ、16GB版に一本化された。これは日本でも同様である。

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 11月16日23時の発売を前に、NVIDIAは一部の国内メディアに自社開発のグラフィックスカード「GeForce RTX 4080 Founders Edition」(日本未発売)を提供している。今回は、このカードを使ってGeForce RTX 4080の“実力”をチェックしていこう。


GeForce RTX 4080 Founders Edition

カードのサイズは4090と同じ 補助電源は「8ピン×3」相当

 まず、GeForce RTX 4080のスペックをチェックしていこう。

 GeForce RTX 4080は、先に発売されたGeForce RTX 4090と同じく新しいGPUアーキテクチャ「Ada Lovelace(アダ・ラブレース)」を採用している。主なスペックは以下の通りとなる。

  • CUDAコア:9728基
  • 稼働クロック:2.21GHz~2.51GHz
  • グラフィックスメモリ:16GB(GDDR6X/256bit)
  • 外部映像出力:HDMI×1+DisplayPort×3
  • 消費電力:320W(GPU補助電源:8ピン×3相当)

 GeForce RTX 4090と比べると、CUDAコアは約6割、グラフィックスメモリの容量は3分の2となり、メモリの帯域幅は128bit削減されている。一方で、消費電力も130W少なくなっている。逆に動作クロックの差はそれほどなく、他の要素で両者の“差”が出てきそうである。


GeForce RTX 40シリーズとGeForce RTX 30シリーズの同等製品の主な仕様

 GeForce RTX 4080のGPU補助電源ピンは「12VHPWR規格」で、旧規格に換算すると「8ピン×3」構成だ。GeForce RTX 4090もこの点では同様だが、GeForce RTX 4090 Founders Editionでは、なぜか「8ピン×4」の補助電源変換アダプターが付属する(参考記事)。それに対して、GeForce RTX 4080 Founders Editionに付属する変換アダプターは定格通りの「8ピン×3」という構成となっている。

 なお、推奨される電源の容量は、GeForce RTX 4090は850Wとされているのに対して、GeForce RTX 4080は750Wと100W少なくなっている。少し古いPCからのアップグレードでGPUだけを交換しようと考えている場合には、電源ユニットの容量にも気を付けたい。


GPU補助電源ピンは12VHPWR規格となる

GeForce RTX 4090 Founders Editionとは異なり、GeForce RTX 4080 Founders Editionには「8ピン×3」構成の電源変換アダプターが付属する

 グラフィックスカードの形状やサイズはGeForce RTX 4080 Founders EditionとGeForce RTX 4090 Founders Editionで変わりはない。見分けるポイントはカード天面のロゴのみとなる。つまり3スロット占有のフルサイズカードとなるため、組み込むマザーボードやケースにある程度の頑丈さが求められることになる。


GeForce RTX 4080 Founders Editionのパッケージは、GeForce RTX 4090 Founders Editionと同様の新デザインを採用している

開けると集中線が入っていることも同様である。加工しなくても「映える」写真を撮れるのはありがたい

先代の「GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition」は2スロットサイズだったが、GeForce RTX 4080 Founders Editionは3スロットサイズとなっている。映像出力の構成は「DisplayPort×3+HDMI×1」である

サイズと重量が大きいこともあり、ステーを取り付けるためのネジ穴も用意されている(磁石式のふたを外すと利用可能)

側面だけを見ると、GeForce RTX 4090 Founders Editionとの識別は難しい。天面を見て初めて違いが分かる
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